全ての職人と共に~現場の品質を追求する
July 5, 2016
ここに興味深い図があります。
この図は、インターネット上で公開されている「市場規模マップ」というものです。2015年度の建設業の市場規模予測値は48.5兆円(国土交通省報道発表資料:「平成27年度建設投資見通し」より)で、自動車業界に次いで第2位。建設業の占める割合の大きさが一目でわかりますね。
市場規模第1位の自動車産業、とりわけメーカーの生産工場では、ビス1本の欠落も締め不足も絶対に許されないのが常識です。それは、お客様の命に関わることであり、自動車業界全体の信用にも関わることだからです。
では、建設現場ではどうでしょう?しかも、建設業は1つの建設現場に何十もの業種が関わり、職人と呼ばれる人の出入りも相当な数になります。俗に言われる「下請け」の会社さんも多数存在します。しっかりとした組織で社員教育を徹底している下請けさんもあれば、職人2、3人だけ、あるいは一人親方の職人さんもいます。正直なところ、「自社で全く勉強をしたことがない」という下請けさんも少なくないのが実情かもしれません。ならば、住宅会社の監督さんは、これらの下請けさんをしっかりと見極め、必要な監理・監督ができているのでしょうか?・・・こんな疑問を持たれる人がいても何ら不思議ではありません。
実は、私たちキノイエを運営する母体のカネタ建設でも、全ての協力業者の皆さんと共にこれと同様の話をします。
写真は、先月、カネタ建設とその協力業者会「三丸会」共催で開催された「安全マナー品質大会」の模様です。建設に関わる企業50社位以上、総勢200名近い関係者が集合します。この大会では、単に安全・マナー・品質の話だけではなく、業界の未来予測や向かうべき方向など、まるで一つの会社の方針発表会のような意気込みで臨んでいます。先ほどの市場規模マップは、現場監督を行うスタッフによる説明の際に実際に引用されたものです。
「安全第一で…」、「現場マナーに気を配り…」、「品質には自信があります…」・・・これらは、建設会社がよく唱えるフレーズです。しかし、お分かりのように、一つの建設現場で、関わる全ての職人さんに安全・マナー・品質を徹底してもらうということは、本来並大抵のことではありません。特に住宅建築の業界では、この分野において、他業界と比べてまだまだ遅れをとっていると自覚しなければなりません。もちろん、それは私たち元請け会社においても同じです。自らを律し、反省し、謙虚に学び続ける姿勢を持ち続けなければ、ただの「裸の王様」です。また、「過去に一度研修をやったことがあります」という程度でも意味がありません。地道に続けていくことで、チームのベクトルが揃っていき、一体感や高品質の建物へと進化していくことができるのです。
だから、私たちはこうした安全・マナー・品質に関する取り組みを長年続けています。この日は、全ての協力企業の社員の皆さんが仕事の手を止めて一堂に会します。それだけでも相当な手間暇と労力がかかります。しかし、この地元上越地域で、お客様の安心安全な暮らしを守り、永い人生を共に歩みながら信頼関係を守っていく・・・そのためには、こうした手間暇を惜しんではいけないと考えています。
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