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無垢の床 違いと性質

July 7, 2016

天然無垢の床。足触り、風合い、天然木の香りなど・・・やはり理屈抜きにいいものはいいですね。

本日はこの無垢の床にも様々な性質と効果の違いがあるというお話をしてみたいと思います。

 

まず、樹種の違いがあります。天然木は大きく分類すると、広葉樹と針葉樹に分かれます。広葉樹は、葉が広く平たいサクラやケヤキ、ブナなどがよく知られています。針葉樹は、葉が針のように細長いスギやマツ、ヒノキなどが日本では広く有名でしょう。

 

広葉樹

<広葉樹>

 

針葉樹

<針葉樹>

 

では、それぞれを床材として考えた場合、何が大きく違うのでしょう?針葉樹と広葉樹は、その外見の違いだけでなく、細胞と組織の成り立ちが大きく異なっています。

 

針葉樹のことを英語では「ソフトウッド」(softwood)、広葉樹のことを「ハードウッド」(hardwood)といいます。つまり、針葉樹は軽くて柔らかく、広葉樹は重くて硬いという性質があります。これは木の組織の密度と、その隙間に含まれる空気の量に関係しています。大半の広葉樹は組織の密度が高く、空気を含む隙間が少ないため、木は重くなります。一方、針葉樹は組織の密度が低く、空気を含む隙間の量が多いため、比重も小さく、木は軽くなります。そのため、一般的に広葉樹に比べ、針葉樹の方が柔らかくなります。

 

樺桜無垢フローリング

<硬い無垢の樺桜(広葉樹)フローリング>

 

以上のことから、複合施設内の店舗や体育館の床など不特定多数の人々が頻繁に土足で往来する場所に無垢の床材を使う場合は、オークやナラ、カリンなどの硬い広葉樹が適しているといえます。しかし、その硬さゆえに足腰への衝撃が大きくなります。一方、針葉樹は柔軟性があるため、足腰への負担を軽減する効果が得られます。加えて、針葉樹は空気を多く含んでいる性質から熱伝導率が低く、広葉樹の床に比べて足の裏へのあたりが優しく、あたたかみを感じられます。もちろん、それぞれの樹種にしかない独特の木目の美しさがありますので、一概に断定できませんが、仮に家の中でなるべく素足で快適に過ごしたいと考えた場合は、針葉樹を選択されることをお勧めします。キノイエでは、やわらかくて温かみがあり、この上越地域でいちばん馴染みの深い針葉樹の杉材を多く使用しています。

 

無垢フローリング杉

 

無垢杉フローリング

<やわらかい無垢の杉(針葉樹)フローリング(上:有節/下:無節)>

 

反面、やわらかいということは、弱点もあります。特に、キズがつきやすいという点では圧倒的に不利です。しかし、当たり前なことですが、どのような床板を選んだとしてもキズが全くつかないということはあり得ません。例えば、表面がシート貼りされ、ウレタンや樹脂でコーティングされた合成床材。この合板に引っかきキズや物の落下によるキズやヘコミができた状態をイメージしてみてください。キズが深ければ表面のシートが剥げ、下地があらわになります。その姿はけして美しいものではありません。キズが増えれば増えるほど価値はみるみる下がっていきます。一方、無垢床板のキズは、見方を変えると、家族の歴史として刻まれ、それはまるで長年愛用した本革の財布のように、使えば使うほどに深い味わいになっていきます。無垢材は、表面を削り、磨けばまた元の美しい木目が蘇ってきますが、合成建材はそうはいきません。「本物」のもつ質感には何物にも代えられない美しさがあります。キズ一つが付いた時、素材によってストレスの感じ方が明らかに違うというのがご理解いただけると思います。

 

キズを含めた経年変化を「味わい」として楽しめ、かつ健康特性をもつ自然素材の無垢材をお勧めしたい・・・そんなことを考えながら、私たちは素材を厳選しています。

 

キノイエ上越モデル

 

・・・本日はここまでです。

 

この無垢の床のお話はこの後も続きます。次回は、床の表面処理についてお話ししたいと思います。そちらもどうぞお楽しみに。

 

 

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