無垢の床~表面処理の違い
July 8, 2016
前回は、天然無垢の床材の樹種による性質の違いについてお話しさせていただきました。
今回は、その無垢の床材の表面処理に関するお話をしてみたいと思います。
無垢フローリングを表面処理するのは、表面の保護と木目に美しい表情を持たせることなどが主な目的で、表面処理剤には、現在多数の選択肢があります。
まず、これまでいちばん一般的とされていたのが、アクリル系の「樹脂ワックス」です。樹脂ワックスは塗るだけで透明で光沢のある硬い塗膜(フィルム)をつくります。乾燥時間、硬化時間が早いので、これまで広く一般的に使用されてきました。ただし、アクリル系樹脂ワックスには光沢仕上げしかなく、塗り重ねることで床材表面の光沢が増しますが、その分、天然木本来の暖かみのある風合いが損なわれるというデメリットもありました。
その後、「ウレタン塗料」が広く用いられるようになりました。ウレタン塗料は、樹脂ワックスと比較して6~10倍強の厚みの塗膜を形成し、床をしっかりと保護してくれるのが特徴です。また、表面の風合いも光沢、半光沢、つや消し仕上げなど、目的に応じてテイストを選べるのが特徴です。なお、ウレタン塗装には油性と水性があります。
そして近年、シックハウス症候群、化学物質過敏症など、室内環境の意識の高まりから「自然塗料」系と呼ばれる選択肢が広く出回るようになってきました。自然塗料とは、通常鉱物系の顔料と植物油から構成されるものを指します。樹脂(油脂)の成分の種類の違いから塗膜となって木材を保護する方法が異なります。あまに油やひまわり油等、植物の種子などから採取される天然油脂を主成分とした「オイル系」と呼ばれる浸透型の塗料、セラックやダンマル等、樹木や昆虫等の天然樹脂を主成分とし、木材の調湿機能を残しながらも塗膜を造り素材を保護するため耐水性に強い「ワニス系」と呼ばれる造膜型の塗料、蜜ロウやカルバナロウ等のロウ類を主成分とし、多くはオイルやワニス塗装後の塗膜の補助膜として使用される「ワックス系」の塗膜保護剤などがあります。
「オイルは自然塗料なので環境に優しい」という風潮もありますが、オイルには多くの有機系の溶剤が含まれる場合があります。また、頻繁にメンテナンスが必要で、そのメンテナンス時に使用するフロアオイルの大半が溶剤であるため、必ずしも自然塗料のすべてが環境に優しいとは言い切れません。
キノイエに使われている無垢の杉フローリングには、オイル系の自然塗料の中でも、100%天然成分で構成される「キヌカ」という塗料を使用しています。主成分は私たちの主食のお米(ぬか)が原料なので、「赤ちゃんが舐めても大丈夫」というのがキャッチフレーズになっています。キヌカは、浸透性の塗料です。表面に塗膜を作らないので木の呼吸を失わず、木の香り、質感と共に調湿作用を維持します。また、溶剤を使用していないので、塗装直後でも室内に臭いが残らないので、換気も不要というのが特徴です。
木目が際立ち、木になじみやすくしっとりと仕上がる100%天然塗料。無垢材の特徴を失わず裸足で暮らす日本人の生活に最適な素材をキノイエでは厳選して使用しています。
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