塩屋新田の家の二階天井は、屋根勾配に沿って地元糸魚川産の杉板がふんだんに貼られています。
その杉板の天井は、水回りスペースの上に空いたわずかな隙間の先にまで伸びています。これは、視覚的な広がりをつくる、小さな邸宅設計の基本的な技でもあります。
そして、その隙間部分は、そのまま小屋裏空間として、大容量の収納スペースになっています。
キノイエは、小さくつくって大きく暮らす――引き算の設計が基本です。この小屋裏収納の確保にあたっては、面積的な引き算だけでなく、合理的な階高の引き算をした結果生まれた”おつり”を有効利用してつくられました。だから、このスペースをつくるために構造的な足し算は一切ありません。コストを上げずに収納をプラスしました。ほんのわずかな階高の節約(といっても、この方が視覚的にも省エネの観点からも理に適っています)も逃さない設計が、想像以上の使い勝手を実現させています。
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