木の家マルシェ
September 10, 2016
昨日、お役立ち情報誌『キノイエ タイムス』発刊の話題をお伝えしましたが、本日はその中のイベント情報の一つ、「木の家マルシェ」についてご紹介します。
この上越地域で暮らす人たちの手による、この地域で生まれたモノや技術。その中でも、暮らしに身近で彩りを与えてくれる選りすぐりのモノ、コトを集め、実際の住まいと暮らし方を通じてもっと多くの方に感じていただきたい・・・そんな思いで企画させていただきました。
『木の家マルシェ』とは、衣食住の分野における『地産地消』の大切さと『安心・安全・健康 』な暮らしに共感する仲間たちの手によってつくられる「小さな暮らしの市場」です。
会場は、キノイエ上越モデルハウス「塩屋新田の家」。まちの中にある小さなお家そのものがマルシェの会場です。ぜひ、ご近所を訪ねる感覚で足をお運びください。
今回、この考えに快く賛同していただき、マルシェに出店していただけることになった皆様はこちらです。
こびと窯〔天然酵母パン〕
”イースト”や市販の”天然酵母”は一切使わず、自家採取、自家培養の5種の自家製天然酵母を使用。古来の遠近赤外線の輻射熱による”石窯焼き”を再現したオーブンによって、 パンの風味や香りをぎゅっと閉じ込め焼き上げます。 小さいお店ですが、リピーターさんが多い人気店。
農業組合法人
ファーム富岡〔上越の米(新米)〕
地元で育ったお米を生産者がそのまま地元の食卓へお届け。
遠方のご親戚へ送られている方も多数。野生のサギ達もエサを求めてくる田んぼで化学肥料や農薬をできる限り使用しない安心安全なお米づくりにこだわり、一粒一粒大切に育て、今年で10周年を迎えました。
土の香工房
cotocoto〔乾燥食材〕
「発酵のまち上越」・「上越の自然豊かで四季折々の美味しい素材」を地元をはじめ全国に発信。厳選した上質な素材を手間と時間をかけじっくりと乾燥。地域に根差した食材で安心安全はもとより、天然の酵素や旨みが活き活きと凝縮されたドライ商品や塩糀をお届けしています。
スウィーツ工房
くみ〔焼き菓子〕
自宅で店舗を持たず、注文販売をメインに営業。お米つくりからお菓子つくりまで一貫して行い、添加物は一切不使用。素材にこだわり、妙高市産こしひかり玄米粉を100% 挽いて使用しています。玄米に豊富に含まれるビタミンや食物繊維などの栄養がまるごとスイーツに。
みなさん、本当にこの地元上越が大好きで、お話を聞けば聞くほど、その溢れる思いに感動を覚えます。また、その気持ちが商品づくりにも表れています。こうした仲間たちのネットワークが、この地域の暮らしにもっともっと広がり、自分たちの暮らすまちに誇りをもてるような文化が生まれるといいなと思います。
また、このマルシェは皆さんの反応を見ながら、今後も随時開催していきたいと思います。出店仲間も募集中です。こだわりのお店情報は、またこちらでも少しずつご紹介していきたいと思いますので、上越地域のこだわり情報をお持ちの方はぜひこちらまでご連絡いただけると幸いです。
開 催 日: 2016年9月18日(日)
時 間: 10:00a.m.~4:00p.m.
場 所: キノイエ 上越モデルハウス「塩屋新田の家」
新潟県上越市塩屋新田地内(きらめきタウン内)
https://goo.gl/maps/Sy7W184KAcz
お問合せ: 0120-470-456(キノイエ係 担当:藤田)
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『キノイエ タイムス』発刊します
September 9, 2016
来週、ちょっとした刊行物が新聞折込に入ります。
その名も『キノイエ タイムス』。
地元上越地域で「最高の地元ライフ」を送るためのお役立ちマガジンとでもいったところでしょうか?キノイエが今後開催するイベント情報を中心に、より多くの皆様にキノイエの考え方について知っていただくための情報誌になります。
第1弾の今回、大きなテーマは3つ。
(1)木の家マルシェ(9/18(日))開催
(2)秋の暮らし方見学会(9/24(土)・25(日))開催
(3)暮らしの勉強会(10/8(土)・9(日))開催
どれも、キノイエスタッフたちが、純粋に自分たちのやりたいことをカタチにしようと企画したプチ・イベントです。各企画の詳しい内容、開催に至った思い、ウラ話など、後日こちらでも少しずつご紹介していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。
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庭づくりの重要性
September 8, 2016
ずっと未完成状態が続いていた塩屋新田の家の庭が、このほどようやく完成しました。
ここまで完了が長引いたのは、竣工当時まだ計画中であった南側に隣接した建物の位置関係、外観の確定を確認した上で、リビングからの視界と、お隣さんからの視線との関係を見極めてからという事情がありました。庭づくりの成否は、隣接する家々との関係を考えてこそ成り立つものです。ソトを上手に取り込み、ナカの暮らしに広がりを生み出す庭の存在は非常に重要。だから、なるべく隣接建物の計画がある場合は、慌てずその完成を待ってから行うのがベターです。
今回の庭づくりにおいては、幸い、こちらのリビング側に面したお隣のお住まいの窓が水回りのすりガラス窓や収納室の窓が中心らしく、普段の生活シーンでほぼ直接的に目線が合うということがないということが分かりました。加えて、外壁もシンプルな黒単色の波型金属サイディングであったために、色彩的な干渉も少なく、周辺の視界を遮る役割も担ってくれています。結果としてプライバシー性の高い中庭のような空間になりました。母屋だけでなく、カーポートや離れとの連続性が生きるこの庭の利用価値はまさに無限大です。なお、西側の敷地はキノイエの住宅建設予定地でもあるため、塩屋新田の家とのつながりも考えて自由に考えることができ、2軒のつながりも含めてこれからのプランニングが非常に楽しみです。
完成といっても、本当の庭づくりは実はこれからが本番。庭に植えられた多くの植物たちがきちんと成長するように面倒を見ながら、小さな森をつくることが目標です。今回、庭木には、モミジやセイヨウカマツカ等の落葉樹に加え、ナンジャモンジャ等、四季折々の表情を楽しめる樹種を選びました。そして、ちょっとした遊び心で、中央に流木を配置。ちなみに、この流木、私たちの住む上越地域では、海岸に行けばそれなりに簡単に手に入る何の変哲もない代物ですが、所変わるとその価値は一気に変わります。特にこの上越地域から内陸部に位置する長野県内に住む方にとって、流木は非常に入手困難な高級品。おそらく、写真のサイズの流木だと、所変われば‟ん万円(?)”になる可能性もあります。
地元に眠る、こうした付加価値の高い素材に目を向け、暮らしの一部に反映させる・・・地元で生まれ育った私たちが家づくりで行うべき、とても大切な仕事であると考えています。家づくりを通して、ご家族にとっての「最高の地元ライフ」を実現すること。それが私たちの仕事です。
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建築家 趙海光先生からの応援メッセージ その2
September 7, 2016
キノイエの企画・設計・監修を担当していただいた建築家の趙海光(ちょう・うみひこ)先生から、素敵な応援メッセージの第2弾が届きました!現代町家の考え方を提唱し、全国の建築関係者から注目されているその道のエキスパートでもある趙先生が、私たちのために特別に寄稿していただきました。
趙海光(ちょう うみひこ)先生
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【その2 キノイエの職人さんたち】
みなさんこんにちは。残暑にあえぐ東京目黒から、二回目の応援メッセージを送ります。
前回は我が家のリフォームの話でしたが、こんどはキノイエの現場で出会った職人さんたちの話。とっても魅力的な人たちでした。ただし、実際にお顔を拝見したのは大工さんだけなんですけどね。なのにどうして魅力的だって分かるのか?
うん、そこが私たちの仕事の面白いところです。
図面を描くとそれが現場で実物になるって、当たり前みたいだけど本当は凄いドラマだって思いません?
実物ができるのは図面があるから、では図面にはいったい何が描いてあるのか。
形?寸法?素材?色?どれも大事ですけど、でもいちばん大事な情報は「どうつくって欲しいか」というメッセージなんです。
もちろん言葉でそう書くわけじゃなくて、あくまでもこれは寸法や素材を通しての密かなメッセージなんですけどね。このメッセージがうまく伝わるかどうかが図面を描く人間の腕の見せ所。たとえばキノイエの障子の図面に、私は桟の幅15ミリと描きました。図面を受け取った建具屋さんはきっと疑問を持ったはずです。———ふつうの障子は外枠と中桟の寸法が違うはずなんだけど、なんでこの図面はどこもみな15ミリなんだろう?
このとき建具屋さんに、「あーあ、このヒト(図面を描いたヒト)現場を知らないな」と思われたらアウトです。そう思われないために、図面を描く人間は寸法や形にメッセージをこめる。この障子の場合、図面に描かれた全体の形を見たとたんに建具屋さんの疑問は解消されたはずです(きっと)。「ああ、なるほど、そういうことか、ヨシムラ式ね。」
前にもこのキノイエブログのどこかで触れられていましたが、この障子はかの建築界のレジェンド「吉村障子」の変形バージョンなのです。
そのむかし吉村順三という昭和の大建築家がいて珠玉の住宅をつくりました。彼が編み出したのが升目の大きな荒間格子の障子です。で、その最大の工夫は中桟と縦框の幅を同じにしたところ。こうすると二枚の引き違い障子が、離れてみるとただの一枚障子に見えるんですね。
ところで正統の「吉村障子」は碁盤の目格子なのに、私の設計は縦格子で横桟は一本だけ。きっと職人さんは苦労したと思うのですが、その出来映えはなんとも見事なものでした。現場で完成した姿を見てちょっと感動。嬉しかった。
さてこんな話をしたのは、じつは心配だからです。———やがて職人さんとこんなふうに図面で語り合うみたいなつくり方はできなくなるんじゃないか。
いまはなんでも既製品の時代で、図面を介して職人さんと対話しながら手づくりするチャンスはどんどん減っています。当然のように職人さんも減ってますから、そのうち図面を描いてもそれを実物にするヒトがいない、なんてことになりそう。そうなると私も失業しちゃうわけで、うーん、これはピンチ。
でもね、こういう場合は明るくいったほうがいい。嘆いたって始まらないんです。嘆くよりは、どうやったらいまの既製品全盛の時代に職人さんの腕を活かせるかを考えるべきなんですよね。
というわけで、キノイエ設計チームではこう考えました。つまり、全部を手づくりにしようなんて思わない。既製品が活かせるところは既製品でOK。ただしいまでも手づくりのほうがリーズナブルなところだってあるのだから、その部分をなるべく増やそう。
そこで私が思い出したのはあるグループのことでした。
東京に「わざわ座」というのがあります。「わざわざ、やろうよ」を合い言葉にした職人、デザイナー、工務店の集まりです。彼らが考えたのは「職人が手仕事でつくる道具を、デザイナーが計画して、工務店が四方良しの価格で住み手に手渡す」というやり方。つまり「手仕事を活かすためのネットワーク」なんですね。
「四方良しの価格で」なんて、泣かせるじゃありませんか。大工さんに頼んでテーブルやキッチンを手づくりしてもらう、なんてことはこれまでにもよくありましたが、ここではそれをもっと組織的に計画的にやろうというわけです。
これをお手本にキノイエでも、障子に限らず他のところにもできるだけ手づくりのパーツを増やそうとみんなで知恵を絞りました。キノイエに置かれているソファー、テレビボード、パントリーなんかはそんな考え方から生まれたものです。
これらはみんなキノイエの大工さんが、新潟産の厚板を素材にして型紙(図面)からつくってくれました。型紙は保存されていますから、お望みならこれをお読みの皆さんにも同じものをお分けできます。(値段はたぶん家具屋で買うよりも安いはず。)
IKEAで量産品を買うのもよいですけれど、チャンスがあったらキノイエネットワークがつくる新潟産厚板クラフトワークの品々を使ってみませんか。そうすると地場の製材所や職人さんにもお金が回って、ちょっとだけみんなの暮らしが良くなります。
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趙先生、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(キノイエ スタッフ一同)
趙 海光 ちょう うみひこ (一級建築士)
1972年法政大学工学部建築学科卒業。1980年(株)ぷらん・にじゅういち設立。
1990年代に台形集成材を使用した一連の木造住宅「台形集成材の家」を設計。
2000年代に「フツーの木の家」シリーズ。
2007年以降は町の工務店ネットと共同で「現代町家」シリーズに取り組む。
一貫して国産材を使用した現代型の木造住宅を設計するとともに、『住宅建築』誌を中心に木造住宅についての論考を多く発表し、国産材の開発と普及に努めている。
編著書に『高山建築学校伝説』鹿島出版会。
また『新建築住宅特集』に「在来工法ファイル」を連載(2004~2005年)
受賞歴
2011年 「びおハウス」により、チームおひさまのメンバーとしてグッドデザイン賞。
2009年 「博多・現代町家」により、町の工務店ネット、長崎材木店とともにグッドデザイン賞。
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「決算書を見せてもらえますか?」
September 6, 2016
「決算書を見せてもらえますか?」
これまでのお客様で、私たちはまだ一度も言われたことのない言葉ですが、もしかすると住宅会社選びで最も重要な要素の一つかもしれません。
それはなぜか?
さて、本日は、ここから特別に長いブログの文章になっております。やや難しいテーマでもありますので、真剣に住宅会社選びを考えている方以外は、飛ばしていただいて大丈夫です。
その会社の決算書を見る必要・・・実は、多くの住宅会社の経営基盤が非常に不安定であることに理由があります。それも、規模の大小や今現在の人気とは別の次元の話になります。ある時代に彗星のごとく現れ、破竹の勢いで売り上げ棟数を伸ばし、一躍業界のスーパースターに成長したかと思えば、わずか10年もたたないうちにある日突然経営破たんするという住宅会社は少なくありません。そして、その歴史は戦後日本の高度経済成長以降、ずっと繰り返されています。その昔、旧御三家と呼ばれた大手住宅会社のうち2社は既に過去に経営破たんを起こしています。また、2000年代に入ると、非常に悪質な会社も登場します。当時業界の風雲児として急成長株だったある住宅会社は、その実極めて厳しい経営状態に陥っており、倒産することを知りつつ、「今契約金を全額入金すれば○○割引きする」という手口で次々と新規契約を結び、その後破たんにより約500棟の未着工・未完成物件と共に多くの被害者が発生、経営者が詐欺容疑で逮捕され、大きな社会問題に発展したケースもあります。
もちろん、企業規模の大小に関わらず、起こっています。地元中小工務店の中でもある時期から行列のできる人気工務店として脚光を浴びていながら、同様に突然経営破たんするケースも少なくありません。この新潟県内でもデザイン力を武器に急成長した人気住宅会社が、突然倒産したというニュースは記憶に新しいところです。
ここで特徴的なことは、業界のトップ、エリアの販売実績トップクラスの有名企業であったとしても「潰れる会社は潰れる」ということです。
では、どこで潰れない会社、よい会社を見分けたらよいのでしょう?
その一つのバロメーターが「決算書」なのです。決算書は、いわゆる会社の健康診断結果です。健康状態に異常がある場合は必ず何らかの数字になって現れてきます。宣伝でよく見かける有名な会社だけど、その内実は経営が火の車という場合もあります。短期間で急成長した会社によくあるケースで、巷の評判とは無関係のところで、会社が大変な状態に陥っているケースも十分あり得ます。特に近年では、低価格を売りにした企業の熾烈な消耗戦で非常に財務状況の苦しい会社が増えてきているという業界の話も耳にします。
だから、ちょっと勇気はいりますが、ものは試しに「決算書を見せてもらえますか?」と聞いてみてはどうでしょう?
ただ、決算書に触れる機会などほとんどない方にとっては、実際に決算書を渡されてもチンプンカンプンだということになると思います。でも、それでもいいのです。まずは、決算書をすぐに見せてくれる姿勢がその会社や経営者にあるかどうかが大事です。もちろん、会社の重要な書類になりますので、簡単にペラペラとめくってコピーを取ってくれるという事はないかもしれませんが、経営の中身について堂々と説明できる姿勢があるかどうか(もちろん、経営者自身が決算書の中身についてよく理解しているか)が大事なのです。
反対に、その話を聞いた途端に態度を一変させる経営者もいるかもしれません。あるいは、「ウチは毎年黒字なので大丈夫ですよ」と具体的な数字には触れない会社もあるかもしれません。
本当に決算書を見る必要はないにしても、まずはその時の社長の反応を見るだけでも、何か気付くことがあるかもしれません。そして、その様子で気になった会社については、後日、疑問点を整理して再度ピンポイントで質問を投げることも可能です。
ただし、仮に決算書を見せてくれたとしても、注意しなければならないのは、その決算書が「粉飾」である場合です。特に、経営破たんのリスクがある会社の中には、既に何期にも渡り、粉飾が疑われる決算書を作成している場合があります。これは、素人には簡単に見破ることはできません。決算書のいくつかの項目を前後右左に移動させることで特定の項目をよく見せようとしたり、数字そのものを虚偽のものに差し替えるといった、企業会計で守らなければならない「一対一」の原則を破る悪質な経営者はいつの時代でも業界、規模の大小に関わらず存在します。
ちなみに、本当に疑わしい会社の特徴は、「会社の数字を公表したがらない」という傾向があります。例えば、取引先からの調査依頼などを受け、信用調査会社がその会社に訪問調査したり、決算書の提出を求めたりするケースがよくありますが、それを受けつけない会社もあるそうです。こうした場合、疑義があるとみなされ、当然ですが調査会社や金融機関からの査定評価に影響します。ちなみに、私たちは調査会社の依頼は全て代表者自らが応対し、質問されたことに対して全て開示、あるいは詳細な説明をさせていただいています。また、こうした情報は時として、下請けを中心とした協力企業やその関係者の間で噂として広がっている場合もありますので、参考になるかもしれません。
ちなみに、決算書には見るべきポイントがいくつかあります。
決算書には大きく分けて2つの諸表があります。
一つは「損益計算書」。昨年いくら売り上げ、いくら儲かったのか?と示す一覧表です。各項目どれくらいプラスかマイナスか?で見ることができるので、比較的わかりやすい表です。その中で、特に見てほしいポイントは以下の通りです・
◎営業利益
本業でちゃんと儲かっている会社はここの数字が高くなっています。反対に、ここでほとんど利益が出ていない、あるいは赤字である場合は、本業が上手くいっていないことを表しています。細かく突き詰めると、ここでしっかり支払う経費をちゃんと計上しているかどうかも重要になります。
◎経常利益
上記の営業利益+営業外の収支を合わせた利益の額です。
営業では儲かっていないのにそれ以外の収入で儲かっているという会社もありますが、その臨時収入が単発のものであれば、それは危険な状態です。臨時収入が途絶えた途端、経営が悪化する可能性があります。営業利益と経常利益の関係が見えてくると、その会社の状態がおぼろげながら見えてきます。
◎当期利益
正確には税引き前当期利益と税引き後当期利益があります。税引き後当期利益は、上記の経常利益からさらに特別な項目の収入と支出を差し引きし、当期利益を基に計算された支払うべき税金を支払った後の実質的な残りです。優良企業は毎年コンスタントに法人税等の税金を納めています。企業が支払う税金はその地域の大切な財源になります。しっかりといい仕事をして儲けを出し、その地域に還元していくことは企業としての重要な社会的責任です。
見ていただきたい諸表のもう一つは、「貸借対照表」です。これは、長年の企業活動を通じて、会社がどのような体つき、あるいは体力になっているかを示す指標で、簡単に言えば、人から借りた財産と自分で持っている財産のバランス関係を表す指標です。その名のとおり「バランスシート」とも呼ばれています。単純に、自社が自由にできる保有財産が多ければ健全、人から借りている財産が多ければ経営が不安定な状態であると考えると分かりやすいでしょう。
◎資産の部合計
会社が自前で保有している財産の一覧です。この中には、すぐにお金に変えられるものとそうでないものがあります。財産の中身の一つひとつについてはここでは割愛しますが、すぐにお金に変えられるものが多いと、いざというときに財産を現金化して、危機を乗り越えることができます。
◎負債の部合計
会社が抱えている負債の合計です、必要な借金もありますので一概には言えませんが、少なくとも短期借入金、長期借入金といった銀行等からの借入金額が適正かどうか?(いざという時にちゃんと返せるのかどうか?)を見ることが大事です。要するに借金まみれになっていないか?を見る指標です。単純に年間売上金額を超えるような借金をしていると要注意です。利息の支払いだけで首が回らなくなっているケースもありますので、その時は「損益計算書」の中の「営業外費用」にある「支払利息」の数字を見ると実態が分かります。
◎純資産の部/自己資本比率
ここが一番重要な指標です。会社の総資本に対する純資産の比率=会社の持久力を表します。自己資本比率が高ければ、自力で立てる会社、低ければ、他人のお金に頼っている会社となります。細かいことはともかく、自己資本比率が40%を超えていると優良企業(50%を超えるとかなりの優良企業)になります(粉飾の場合は別)。反対に20%を切ると倒産リスクの高い会社(成長中の会社で大きな投資をすることにより、一時的にこの数字が低くなるケースもあります)ただし、設立後間もない企業は、この比率が少ないケースが多いので、その場合は、毎年順調に比率が増えているかどうかを見ていくと分かりやすいと思います。ちなみに、この数字がマイナスになると即ち「債務超過」の会社という事になります。ただし、回収できない未収入金や大量の不良在庫や売れない土地など、本来なら不良資産として扱うべき数字を健全資産だと偽って資産に計上し、自己資本比率を高く見せようとしている会社もありますので、注意が必要です。
そして、決算書はできる限り最低過去3年前からの変化を見ることをお勧めします。安定的な経営を続けているのか、慢性的な営業赤字の経営なのか、あるいは、急成長してはいるが、そのために無理が生じていないか?「決算書の数字にはドラマが隠れている」と表現する経営者もいるほど、その中身に興味関心を持つことで、その会社の様々な様子や考え方がにじみ出てきます。
いかがでしたか?経営の重要な責任の一つに「永続する」ことが挙げられます。目先の売り上げ拡大や人気に気を取られ暴走し、財務の悪化に目を背けることは企業として極めて危険なことです。何より、お客様のその後の暮らしを守るという絶対的な使命を忘れてしまってはいけません。その会社の問題だけではなく、住宅業界そのものの信用につながる問題で、お客様に与える影響は計り知れません。
私たちキノイエを運営するカネタ建設は、先代経営者の意思を引き継ぎ、創業から83年の歴史の中、苦楽を重ねてながら堅実経営への舵取りから手を放すことなく、足腰の強い企業体質づくりに注力をしてきました。住まいづくりの中でうたわれる「安心・安全」の究極のものさしは、その責任を負っている住宅会社の「安心・安全」レベルなのだと思っています。
「決算書を見せてください」・・・長年の経営でいい時も苦しい時も経験してきた私たちの経営の履歴はいつでもご覧いただけます。
クラシックカーのまち
September 5, 2016
昨日は、糸魚川市内にて、「第25回日本海クラシックカーレビュー」が開催されました。
1974年以前の国内外の純粋なクラシックカー(当時の価値を失うような改造は一切認めない)にこだわり、厳選された200台の車両が、全国からこの日のために糸魚川市に集まってきます。しかも、全てが今なお公道を走行することができる”現役”なのです。
このイベントには長年、弊社からも代表の猪又をはじめ、スタッフがボランティアとして参加しています。
当日は近年の中でも最高の天気に恵まれ(恵まれすぎて、かなり暑い一日でした)、来場者も非常に多く、報道発表では3万3,000人に上るとのことです。まさに、糸魚川市を代表するビッグイベントです。
それにしても、クラシックカー愛好家の方たちは、本当にモノを大切にする方が多いですね。当時の純正パーツが存在していない車種も多いため、クラシックカーを維持するには相当の苦労とお金がかかります。それでもなお、「親父の代からの大切な思い出」、「このデザインと走りに惚れ込んで、ずっと一緒にいたい」、「長男が生まれた時に購入したので、大切に乗り続けていきたい」など、単なる趣味の枠を超え、生き方そのものに重ね合わせて、その車を大切にする気持ちが、会話の中からひしひしと伝わってきます。
住まいに対しても同様にそうありたいですし、そういう住まいづくりを続けていかなければならない・・・そう再確認した一日でした。
まさに、最高の地元ライフ。また来年もたくさんの人生を楽しむエキスパートの皆様との出会い楽しみです。
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オレンジフェア実行委員会打ち上げ
September 4, 2016
先日はオレンジフェアの実行委員会の打ち上げ会でした。
「どこにもない夏休みの最高の思い出を」・・・イベント会社などに一切頼らず、企画も設営も全て社員の手づくり。毎年新しいテーマと子供たちがワクワクするような仕掛けを登場させます。以前のブログでもご紹介させていただきましたが、今年で⒓年目を迎えたオレンジフェアは、過去最大4,000名のご来場がありました。イベント後日、小学校の先生より聞いた話ですが、今年の夏休みの宿題だった絵日記のテーマにオレンジフェアのことを取り上げた生徒が圧倒的に増えたとのことでした。確実に地域の定番行事として定着していることがうかがえます。
打ち上げ会では、それぞれのブースリーダーを中心に、当日の出来事から反省点や苦労話、笑えるハプニング、そして気が早いですが、既に来年の企画アイディアが次から次へと飛び出すなど、時間内では収まらないほどのたくさんの話題で盛り上がりました。
その中で、ちょっと嬉しかったスタッフのエピソードをご紹介します。
水遊びのアトラクションコーナーで、何回も何回も滑り台で滑って遊んでいた小学校低学年くらいの女の子がいました。その子は滑り台係のスタッフとそのうち仲良くなり、そのスタッフに「これ食べて」と自分のイチゴかき氷を持ってきてくれました。スタッフも役割があるため、一気に平らげ、「ごめんね。ここを動けないからゴミに捨ててくれる?」と頼んだところ、笑顔で受け取って離れたお母さんの元へ駆け寄って行きました。そのスタッフとお母さんの目があうと、そのお母さんは何度もスタッフに会釈しながら目頭を押さえて涙し、その子供の頭を撫でて褒めていたそうです。その子が他人に気遣いをする行動がお母さんの目にはとても新鮮だったのでしょう。大人たちとのかかわりの中で、ほんの少し成長した女の子の姿がそこにありました。
この地元で生まれ育った私たちが、地元の人々とのかかわりと仕事に囲まれ、そのことに感謝し、さらに喜ばれる仕事を創造する。そのことを通じて、地元の人々の思い出や心に刻まれていく・・・まさに、「最高の地元ライフ」。これからも私たちは、地元の人たちとの関わりの中で、誇れる仕事を次の世代につないでいきたいと思います。
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「空き家」を「資産」に
September 3, 2016
先日、糸魚川商工会議所の「空き家・空き店舗対策特別委員会」に出席してきました。今回で2回目の会合。商工会議所の議員でもある弊社は、建築・不動産の実務有識者として意見を求められました。参加メンバーは、他にも私たちと同業の建築・不動産業界の代表の方々や司法書士の方など数名の有識者で構成されており、まずは現状の把握と、各委員の取り組みや考えについて活発な意見交換がなされました。
少子高齢化により糸魚川市内山間部、沿岸部はもちろん、中心市街地でも深刻化している空き家問題。この解決には、地元のニーズはもちろんのこと、全国各地からの移住希望者(U、Iターン)に魅力的な田舎暮らしを提案できるか?という部分も非常に重要です。まさに、私たちの掲げる「最高の地元ライフ」というコンセプトが重要になってきます。私たちもこれまでに多くの古民家移築、リノベーション、古材利用などを手掛けており、この問題に対して私たちが貢献すべき部分は非常に多いと感じました。
カネタ建設がフルリノベーションを手掛けた築150年以上の古民家
シェラリゾート白馬様の「みずばしょう温泉 古民家の湯」。カネタ建設による設計施工。なんと築150年以上の古民家2棟をつなげて温泉の上に組み上げるという技術的難易度の高い建築物です。
しかし、個々の企業が孤軍奮闘するだけでは意味がありません。空き家問題を地域全体の問題として捉え、全国の潜在的な移住希望者の皆様に、この地域の暮らしを知っていただき、共感していただくためには、家主と買い手や借り手、不動産業者、建築業者、そして行政関係者などの関係者が手を結び、チームとして取り組んでいく必要があります。
そのような中で、今回の会合は、今後の布石となるとても重要な意味を持つ意見交換になりました。まずは、お互いの得意分野と役割を明確にして、徹するべき役割に徹するために、どのような体制をとるのか。専門家、専門業者、非営利団体、そして行政が可能な限り有機的に手を結べるような青写真を描く・・・とても大きな展開のための最初の小さな一歩を踏み出せたような気がします。
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天井で変わる暮らしの快適さ
September 2, 2016
キノイエの住まいの特徴の一つに、地元糸魚川産の杉板ですのこ張りにした2階の天井があります。
見た目にもやわらかい天然木の風合いがあり、毎日見ても飽きない普遍的な美しさがあります。
しかし、それだけではないんです。本当の価値は、その性能にあります。
杉板のすのこ張りの内部には、いくつかの断熱工程が組まれています。まずは、外周部と同じ厚さのフェノールフォーム断熱材により、屋根から吸収される日射熱を高い次元でブロックします。フェノールフォームについては、以前のブログでもご紹介しましたように、他の断熱材と比べて圧倒的に湿気を通さない性質を持つため、結露の心配がありません。さらに、内側からは、木質系繊維断熱材(ウッドファイバー)を敷き詰めてあります。これによって、驚くほどの蓄熱効果と防音効果が生まれます。
この屋根断熱の違いは、想像以上にその後の皆様の暮らしに影響します。なぜなら、高齢になるまでの一定期間、私たちの多くは2階で睡眠をとるからです。天井の蓄熱性能は、夏季の高温時、冬季の冷え込みに対し、緩衝材としての大きな役割を担います。そして、年間の降雨降雪量が多いこの上越地域の気候により、時々訪れる激しいスコールのような雨、冬は時折やってくるみぞれやあられが激しく屋根を叩く音。特に安眠を求める夜中の影響は最小限に食い止めたいものです。木質系断熱材の効果によりそうした外部のノイズ軽減に加え、当然ながら室内の音の響きも抑制してくれます。高級車のドアを閉めた時のソフトで重厚感ある音がそうであるように、音の響き方は質感です。間取りは同じでも、そうした設計の工夫で得られる満足度の違いは、体感することでよく分かります。
活動時も就寝時も含め、暮らしの中のあらゆるシーンでの快適さの追求は、私たちの重要な家づくりにおけるミッションです。見た目のデザインや価格偏重、単に自然素材を使えばよいというものではなく、根拠と効果のある快適さを求めて素材と施工方法の最適な組み合わせができているか、プロとしての力量が問われる部分です。
特に、屋根の断熱性能、施工方法の違いについては、なかなか素人目にはわからないものです。しかし、住宅会社の考え方によって大きな差になっている部分でもありますので、じっくりと比較されることをお勧めします。
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未来の建築士
September 1, 2016
昨年リフォーム工事をさせていただいたOBお施主様のS様。その小学6年生になる娘さんが、夏休みの工作でキノイエの模型を研究し、自宅の模型を作ったということで、お施主様から完成写真のメールをいただきました。小学生の作品とは思えない完成度の高さ!「将来が楽しみだね!」と、キノイエスタッフたちみんなも感心していました。
Sさんご家族は、8/11に糸魚川市内で開催された弊社の感謝祭「オレンジフェア」を一日楽しまれた後、その足で上越モデルハウス「塩屋新田の家」にご来場されました。娘さんは、設計監修を担当された建築家の趙先生の模型と弊社松川の模型をじっくりと時間をかけてよく観察し、私たちに素材や作り方などを熱心に質問。出来上がった模型の写真を見てみると、特に、カーポート部分などは趙先生の模型を忠実に再現しています。この観察力こそ、建築設計を目指す人にとって非常に重要なスキルになります。
建築家 趙海光先生の手による模型
趙先生の模型を参考にして詳細設計から製作されたスタッフ松川君の作品
Sさんの娘さん(小学6年生)の作品
また、他にも宿題として「職業インタビュー」という課題があり、ブランドディレクター杉ノ上の仕事についていろいろ質問があったようです。
本当に頼もしい小学6年生。未来の建築士として、いつか私たちと一緒に家づくりに携わる仕事ができる日が来るかも?と、スタッフ一同、今から楽しみです。
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