悪いサンプル
November 5, 2016
ここのところ晴天のため、日中はそれほどの気温の低下はありませんが、キノイエの母体であるカネタ建設の本社事務所では、既にブルーヒーターが動き出しています。
そこで、その事務所内の温度分布をサーモカメラで撮影してみました。
まさに医者の不養生(笑)築年数が「ん十年」となるこの事務所は、すき間だらけかつ断熱処理がなされていないため、真冬ともなると足元と天井の温度差はさらに広がります。高気密高断熱の住まいで地域の皆様にエコで健康・快適に暮らしていただくことを仕事にしている私たち自身、膝にタオルケットを掛けて仕事をしているのはとても皮肉なことです。
ところで、この写真で注目していただきたい部分があります。ブルーヒーターからの熱が半径1mにも満たない距離でヒーターの温風熱の効力が完全に失われてしまっています。ブルーヒーターの最大出力は18kw以上(ピーク時はこの他にペレットストーブが稼動)ですが、せっかくのパワーもこれでは効果を100%発揮できていません。ここまでくると暖房機器の性能UPでは、根本解決は望めません。
下の写真は、今年弊社で新築させていただいた住宅のリビングダイニング内部並びに吹き抜けの2階天井部分をサーモカメラで撮影した様子です。
撮影時期は2月。外気温もたしか5~6℃のタイミングでしたが、内部は上下にわたって安定した温度を保っています。
しかも、この時の熱源は、1階床下に設置した家庭用のエアコン1台のみ。通常であれば真冬でも「弱」運転で十分です。私たちがつくるキノイエの住まいは、この状態を標準仕様としています。なので、真冬でも家にコタツを入れたり、電気カーペットを入れる必要がありません。
「イマドキの新築住宅はどれも性能がいい」と考えるのは早計です。住宅の外皮性能の差は、こうしてみると歴然です。そういう意味では、私たちの事務所は今のところ、建物の高気密高断熱化がいかに重要であるかを分かりやすく説明する悪いサンプルでもあります(笑)
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