周辺環境は設計の一部
December 4, 2016
昨日から2日間開催されましたカネタ建設のオンリーワン住宅完成見学会「とことん薪ストーブライフを愉しむ家」、大勢のお客様にご来場いただき、本当に中身の濃い2日間となりました。ご来場いただきました全てのお客様に心より感謝申し上げます。
ところで、今回の見学会場は上越市大貫という土地。大貫といえば、スキー発祥の地として知られる金谷山スキー場があるエリアです。そして、意外に知られていないですが、同地区内には「会津墓地」があります。戊辰戦争で高田藩に護送され、寺町の約60の諸寺院に収容されて謹慎生活を送る事になった会津藩士の墓で、地元の方々がボランティアでこの場所を保全維持管理しているのもこの墓地の大きな特徴です。
そんなことからも、この大貫という地域は非常に歴史情緒ある土地。古くからこの地で暮らす方々の中にも、どこかしらいい意味での保守性が感じられ、昔ながらの助け合いの文化が残る土地です。
建設場所のすぐ近くにある鳥居のある小さな公園。近所のお子さんが枝を剣に見立てて、昔ながらの遊びをしていました。とても親しみの沸く環境です。
現在、その大貫のエリアには、比較的大規模な分譲地も生まれており、新築住宅が少しずつ増えてきていますが、今回のお施主様ご家族が選んだ場所は、分譲地とは一線を画す昔ながらの住宅地内の敷地の一角。そこで、近隣との人付き合い、そしてこの地の風土に適した暮らし方がスムーズにできるよう、地域の特性を入念に下調べ・ヒアリングしながら、丁寧に設計を始めました。
そして、今回の住まいのテーマは、「とことん薪ストーブを愉しむ家」。旗竿地の奥は川沿いで視線を気にすることなく、また近隣に迷惑をかけることなく自由に使えるスペースがたくさん。薪の調達から搬入、ストック、排煙と風向き等、様々な条件をクリアするのに好適地でした。そして、建物が実際に立った時、両隣のお住まいに威圧感を与えることのない外観、視界をずらしながらの窓配置、そうでありながらもさりげなくお互いの生活の気配を感じながら、防犯上も含めて助け合いの関係が保てる絶妙な距離感など、様々な角度から理想の配置と設計を検討しました。こうしたことからも土地選びも家づくりの重要な要素であり、その土地の性質や周辺環境調査が、すでに設計の一部であるということがお分かりいただけると思います。
設計を担当した榮妙(さかえ たえ)。自らも薪ストーブをこよなく愛するユーザー。ユーザー視点から作業性や利便性、そして愉しみ方を随所に盛り込んだ設計を心がけました。
ちなみに、今回のお住まいでは、お引き渡しを待つまでの間、既にお施主様も薪の材料になる端材集めに精を出され、見学会当日も、大勢の見学客が訪れる中、外ではお施主様がせっせと薪材の積み上げ作業に専念されており、すでに生活の1シーンを垣間見るような見学会となりました。
実際の暮らしが始まれば、こうした外作業の風景は、いつしかご近所の方々の生活や気配と溶け合いながら、日常の風景に馴染んでいくのだと思われます。実際、このお住まいの近隣数軒を歩きながら眺めてみると、外で農機具や除雪機の掃除をしている方、昔ながらの方法で納屋の軒先に大根を干している方、畑仕事をしながら世間話をしているお隣同士のおばあさんたちなど、生活の息づかいとリズムが感じられる素敵なエリアでした。
お施主様の薪材積み上げ作業は、マジックアワーを迎える頃にはひとまず終了。おそらく、引っ越し後はストーブの炎を眺めながらの至福の一杯を楽しまれるのではないかと思われます。また一つ、「最高の地元ライフ」が始まります。
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