解説「パッシブハウス」その2
December 21, 2016
昨日の続きです。
昨日のブログでは、日本の住宅業界のZEH(ゼロエネルギー)基準の考え方と、電力事情が深刻化しているヨーロッパ諸国の「アクティブな設備に頼る前に、まずは建物性能(断熱・気密)を高いレベルに上げておく、つまり「パッシブ(受動)」を優先してゼロを達成しよう」という考え方の違いについて触れました。
しかし、現在、日本の電力事情も深刻化したヨーロッパ諸国と同じような未来へとまっしぐらに進んでいます。今や国内の全エネルギー消費量の約14%が家庭用。石油ショック前の1973年から2011年までの間に、2倍以上に増加しています。このまま家庭でのエアコン使用が抑制されずに電気消費量の拡大が続けば、化石燃料のほとんどを輸入に頼る日本国内のエネルギー事情に深刻な影響を与えることになります。近年、ようやく日本もその現状に危機感を持ち始めたところですが、商業主義に傾倒する住宅業界の取り組みの遅れ、様々な利権構造による業界変革の遅れ等により、一般の住宅購入者への認知が遅れ、先述のZEHの例のように、若干間違った理解が広がっているような状況下にあります。(日本のエネルギー事情と電気料金の未来については、以前のブログ記事「未来の支出増加リスクを抑えるために」をご参照ください)
つまり、住宅の選び方で、これからますます生涯コストの差が大きくなることはほぼ間違いなく、家の燃費「光熱水道費」の圧縮には、高い断熱気密性能をもった住宅を選択することが不可欠です。パッシブハウス・ジャパンのサイトには、このような説明があります。
‟家の燃費がよくないのに、いろんな設備を足してごまかす家が、増えています。
たとえば、一般的に「スマートハウス」といわれている家が、燃費が良いとは限りません。
断熱はそこそこに、設備でしのぐ。すこし極端ですが、「凍えるハダカに大量のホッカイロ」そんなイメージの家が増えています。
機能性の高いインナーを着れば、使い捨てホッカイロはいりません。家の中身をしっかりさせれば、快適は長持ちするのです。
設備は、いつか壊れてしまいますが、ちゃんと建てられた家は100年持つ。だからパッシブハウスは、”家そのもの”の性能にとことんこだわります。”
ZEH(ゼロエネルギー住宅)という一見万能に聞こえる言葉に惑わされず、また、その時代の高性能をうたう省エネ機器を選択する以前に、省エネ機器の運転効率を上げ、かつ導入台数を減らす元となる住まいの外皮性能を上げることを第一に考えなくてはいけません。
昨年、弊社が施工を担当させていただいた「前沢パッシブハウス」(富山県黒部市/発注者:YKK不動産株式会社様)は、その考えに基づき、ドイツパッシブハウス研究所の認定を受けて国内12例目のパッシブハウスとして昨年11月に竣工を迎えました。
続きは、明日のブログにて。いよいよ、この「前沢パッシブハウス」の性能の高さについて触れてみたいと思います。
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