代表猪又の趣味でセレクトされているモデルハウスのBGMからのアーティストピックアップ、今回で6回目を迎えました。ブログの中でも書き手がワクワクする、個人的趣味を披露するラフな記事。したがって、かなりのハイペースでシリーズ化が進んでいます(笑)
さて、これまで過去5回に渡って紹介してきたアーティストは、全て歌手を主体としたものばかりでしたが、ここで箸休め。今回と次回の2回については、非常にスタンダードでかつ王道のジャズ・ミュージシャンをご紹介したいと思います。ジャズ愛好家の皆様にとっては、教科書の1ページに出てくるようなアーティストです。ジャズ・ミュージシャンをよく知らない方にとっては、ある意味、BGMでこれをかけておけば恥をかかないといった2人です。
今回ご紹介するのは、ジャズ・ピアノの巨匠Bill Evans(ビル・エヴァンス)。1929年アメリカニュージャージー州のプレインフィールド生まれ。モダン・ジャズを代表するピアニストと言えば、誰もが彼の名前をまず思い浮かべるほどメジャーな存在ですが、実は、私生活では麻薬の常習者という側面をもち、生涯にわたってその呪縛の中で異才を放ち続けたアーティストです。
エヴァンスの名前が世に広まったのは、彼が若き頃、モダン・ジャズの帝王と呼ばれたジャズ・トランぺッター、マイルス・デイビスに才能を認められ、常任ピアニストとして雇われたことから始まります。しかし、既に麻薬の常習者であったエヴァンスは、白人としての逆差別も重なり、半年でマイルス楽団を解雇されます。それでも、マイルスは、エヴァンスのピアノが忘れられず、再びエヴァンスを召集し、1日限りの共演が録音されますが、それこそが1959年3月22日、ジャズ史に残る金字塔として録音された「Kind of Blue(カインド・オブ・ブルー)」というアルバムです。エヴァンスのピアノの最大の特徴は、コード進行にとらわれず、モダンな音色や響きを重視したアドリブを駆使した演奏にあります。それは今でこそジャズシーンでは当たり前のようになっていますが、当時それまでのジャズが経験したことのない音楽空間を生み出したことで、音楽業界に大きな衝撃を与えました。
下にあるリンクは「Kind of Blue」のアルバムより。50分以上ありますので、抜粋して聴いてみてください。
そして、なんといっても彼の代表作といえば、‟Waltz For Debby(ワルツ・フォー・デビー)”。
この曲は、姪っ子のデビーに捧げられた曲で、当時まだ2歳であったかわいらしい姪っ子の様子を、愛情たっぷりに表現した珠玉の作品です。最大の魅力は、トリオ演奏としては唯一無二の息の合った素晴らしい音楽空間。ベースのスコット・ラファロ、ドラムのポール・モチアンとのコンビネーションにぜひ注目いただきたいと思います。
気の利いたオーセンティックバーでは、時折この曲が流れています。名曲は場所と酒を選ばない・・・ぜひ、行きつけのお店でBGMに耳を澄ましてみては?
代表猪又はシングルモルトウィスキーが大好き。写真はスコッチの中でも人気の「Laphroaig(ラフロイグ)」の新作「Impressive Cask」。独特のスモーキーさがウリのラフロイグの中でも、非常にパンチの利いた香りが楽しめます。ちょっと臭いウィスキーがお好きな方はぜひお試しあれ。
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