先日、とある研修旅行で伊勢神宮を参拝してきました。
伊勢神宮と言えば、皆様もご存知の「式年遷宮(しきねんせんぐう)」は、1300年にわたり繰り返されてきた儀式です。20年に一度造り替えられる常に瑞々しいご社殿で、永遠に変わらないお祭りが行われることに大きな意義があります。直近では、平成25年に行われた62回神宮式年遷宮が記憶に新しいところです。
ところで、「神社」には、神様によって建築様式に違いがあり、実は、日本国の神様は、天孫降臨からの「天津神様」、そして元々日本国に遷座されていた「国津神様」という二つの派があるということをご存知でしたでしょうか。それが、神社の形を見分けることで、どちらの派の神様をお祀りしているかが大体わかります。
まず、「天津神様」の社と「国津神様」の社の大きな違いは屋根勾配の向きです。「天津神様」を祀る社は、拝殿の屋根勾配が正面、つまり参拝者側に向けて流れている「平入り」と呼ばれる形式で、「国津神様」を奉る社は、左右に屋根勾配が流れる「妻入り」という形式になっています。
糸魚川市一の宮にある「天津神社」は、屋根勾配が正面と背面に流れる「平入り」様式
伊勢神宮(内宮)から伊勢街道を800m程のところにある国津神社である「猿田彦大神」は、屋根勾配が左右に流れる「妻入り」様式
そして、それぞれに女性神と男性神があります。それもまた屋根の上に注目です。こちらをご覧ください。
多くの神社は、屋上に千木 (ちぎ) 、鰹木 (かつおぎ) を載せてありますが、「男神」は千木が外削ぎ(先端を垂直に切り落としてある)で、鰹木が奇数本。「女神」は千木が内削ぎ(先端を水平に切り落としてある)で鰹木が偶数本になっています。
例えば、出雲大社ならば男神である大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀っているので、本殿の千木は外削ぎで、鰹木は3本(奇数)です。
それに対し、伊勢神宮では、なぜか少し様子が違います。内宮の「天照大神」、外宮の「豊受大神」共にどちらも女神様であるはずなのに、外宮は男神の様式になっています。具体的には、内宮は摂社、末社、別宮、所管社まですべて千木は内削ぎで、鰹木は偶数であるのに対し、どういうわけか、外宮は摂社、末社、別宮、所管社まですべて千木は外削ぎ、鰹木は奇数という男神の様式になっており、神宮内の125社すべてが男、女神関係なく統一されています。これには外宮が男性的性格だからではないか、という他、「天照大神の岩戸隠れ」をはじめとする神話の歴史に関係した様々な説があるようです。
伊勢神宮の内宮にある外幣殿
伊勢神宮の外宮にある風宮
このあたりは、非常に奥が深く、このブログではなかなか紹介しきれませんが、ご興味がある方はぜひ日本の神々にまつわる歴史を紐解いてみてはいかがでしょう。ちなみに、伊勢市の観光協会や商工会議所では、こうした伊勢神宮にまつわる様々な解説を行える専門ガイドの紹介も行っているようですので、伊勢神宮に参拝される際はご利用されてはいかがでしょう。
|上越・糸魚川・妙高の注文住宅工務店|新築・リフォーム|自然素材の木の家|高性能エコハウス|小さな邸宅|キノイエ|
月別ブログ記事
カテゴリー