夏本番の上棟式
July 16, 2017
昨日は、上越市内にて新築中のお住いの上棟式でした。
昨日の高田の最高気温は32.2℃。じりじりと照り付ける太陽の下、職人たちも大粒の汗をかきながら予定通り棟上げを完了。暑い中、お施主様並びに両家のご両親もご臨席の中、厳かに上棟式が行われました。
ずらりと並ぶ職人・技術者たちが羽織る法被に書かれた「タ」の文字。曲尺(かねじゃく)に創業者の名前である「猪又匤(ただし)」から一文字拝借して「カネタ」と呼びます。
お施主様にとっては、この屋根の上に上がるのはおそらくこれが最初で最後。澄み渡った青空、眼下に広がる周囲の街並みをしっかりと記憶に焼き付けていたのではないかと思います。
上棟式後、お施主様と共に念入りに施工現場の確認。
上棟式となったこの日には、既に構造・性能に関する主要部分の施工も完了していました。キノイエで標準採用されている高耐震・高気密・高断熱工法の「プレウォール工法」は現在、弊社がメーカーと共同開発した新工法を採用しています。断熱性能でトップクラスの素材であるフェノールフォーム・パネルはこれまで、構造用合板の外側にのみ設置されていましたが、今回の新工法ではフェノールフォーム断熱パネルを内外両面からサンドさせることで断熱性能をより強化。壁体内のちょっとした空間を無駄にしないつくり、高い製品精度、高効率の施工手順を確立することで、コストを抑えつつ、職人による施工ムラが発生しない仕組みになっています。キノイエの高い品質レベルは日進月歩で進化を続けています。
現在、上越市内各地でいくつかの新築工事が進行中。今後このブログでも進捗状況を随時ご紹介しながら、キノイエの家づくりについて少しずつ解説していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。
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社長のMUSIC BOXから(vol.9)
July 14, 2017
代表猪又の趣味でセレクトされているアーティストピックアップ、いよいよ9回目を迎えました。またまた過去にタイムスリップしますが、今回はあえてモデルハウスでのBGMには直接的に採用されていない曲の中からのご紹介。
今回ご紹介するアーティストは「Free(フリー)」。1969年にデビューしたイギリスのロックバンドです。活躍した期間はたった4年間ですが、その後のロックシーンに多大な影響を与えた伝説のバンドです。
実は、代表猪又が学生時代に組んでいたロックバンドでよくカバー演奏していたバンドの一つが「Free」だったのです。彼らのサウンドは、知る人ぞ知るブリティッシュロックの源流でもあり一丁目一番地ともいえる教科書的存在。ポール・ロジャースのパワフルでソウルフルなヴォーカルとマイクパフォーマンス、ポール・コゾフのメリハリを利かせつつも独特のうねり感と鳴きの入るギターリフ、アンディ・フレーザーのアグレッシブかつブルージーなベースライン、サイモン・カークのビート感と重厚感の両立したドラム・・・と、その全てが魅力的です。そして、このメンバーでなければ生まれない独特のグルーヴ感は、後のロックシーンにおいて様々なアーティストに影響を与えました。何よりステージ・パフォーマンスを含めたビジュアルがかっこよく、今見ても全く色褪せない輝きを放っています。(一説では、日本のロックシーンのカリスマ、矢沢永吉さんもポール・ロジャースのステージ・パフォーマンスに影響を受けたといわれています)
では、その「Free」の代表曲でもあり、代表猪又が学生時代のバンドでもカバーした2曲“All Right Now(オール・ライト・ナウ)”、“Fire and Water(ファイヤー・アンド・ウォーター)”をお聴きください。
そして、もう一曲。“Mr Big”という曲。こちらは、当時の猪又のバンドの演奏技術ではカバーし切れず断念した曲。とにかく、アンディ・フレーザーのベース演奏が凄い。曲の後半、ポール・コゾフのギター・ソロが最高潮に達するまでは、ベースとして輪郭のあるフレーズを維持し、しっかりと曲のボトムを支えていますが、ギターソロの後半から堰を切ったように一気にベースラインが浮上してきます。重低音から高音域まで非常にレンジの広いメロディラインにトリッキーなフレーズを織り交ぜながら個性的な音を繰り出す彼の演奏センスは秀逸です。ベースがここまで美しく際立つ作品も珍しいと思います。ちなみに、この曲に大いに影響受けたのが、1989年にデビューし、日本でも一躍人気となったアメリカのハードロックバンド「Mr Big(ミスター・ビッグ)」です。このバンドメンバーに、超絶技巧派ベーシストの一人、ビリー・シーンが在籍していることから、この名曲をオマージュしたバンド名にしたという話は有名です。
驚くべきは、この「Free」というバンド、メンバーが当時20代という若さでこの渋さとグルーヴ感を放っていたことです。ちなみに、代表猪又が当時組んでいたバンドは、主にこういった70年代のソウル、ブルース、ロックから数々の名曲をカバーすると同時に、これらから影響を受けたオリジナル曲も数多く演奏していましたが、彼らのような渋さを醸し出すことは到底叶わず、その差はまるで小学生と大人ほどの開き。背伸びをしていたあの頃を思い出すと、赤面至極です(笑)
学生時代の代表猪又の恥ずかしい1枚(大学の学園祭にて)。真ん中の歌い手が猪又です(笑)
<過去の記事>
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アップサイクルでおしゃれを楽しむ
July 13, 2017
こんにちは。HÜTTE muumuuの村岡利恵です。
この6月は法事があり京都へ行っていましたが、その旅の途中でユニークな体験をしてきました。
「Lore(ロア)」という日本の伝統工芸品制作から出た資材を活用したブランドが、ちょうど実家近くで展示会を行っていました。以前地域おこし協力隊の仕事をしていたときに知り合った、京都・丹波市の仲間が関わっていることもあり、せっかくの機会なので再会がてら訪ねました。
会場は大阪府枚方市の星ヶ丘洋裁学校内にある「SEWING GALLERY」。緑に囲まれた素敵な場所です。
ところで「アップサイクル」という言葉はご存知でしょうか?
ただのリサイクルではなく、アップという接頭語がつくように、元ある価値よりも高いものにリサイクルするという意味合いがあります。この「Lore」はそれをテーマにしたブランドです。
会場で行われていた「TSUMIKI イヤリング作り」というワークショップに私も参加してみました。これは丹波地方の伝統工芸であるつづれ織りの過程で出る端糸を巻き玉やタッセルにしたものを使います。また木のパーツやビーズは木工作品の端材から作られています。これらは福祉作業施設のみなさんが手作業で作っているもの。
少しピントがぼけてしまっていますが、これらのパーツを使ってイヤリングを作ります。
針金にパーツを通していくだけで簡単にできました。
わりと大ぶりのパーツだったので、片耳用のイヤリングにしてみました。好きな色の巻き玉やビーズを使うので、同じものはひとつとないはず。このワークショップは今後も「Lore」の展示会で開催されるそうですので、Facebookページ(https://www.facebook.com/Lorejapan/)で情報をチェックしてみてくださいね。
そして、この7月にキノイエを手がけるカネタ建設がある糸魚川市で開催されたワークショップにも参加しました。市内にある縫製工場・美装いがらしのファクトリーブランド「ao daikanyama」(http://www.ao-daikanyama.com/)が開催した、「青と森のエール」というイベント。こちらで参加者が手持ちの洋服を使う藍染体験があったのです。
持っていったのは「dosa」というアメリカ西海岸のブランドのスリップドレス。とても気に入っていたのですが、白だと透け感があってなかなか出番がなかったものです。とはいえ、お気に入りを染めるとなると多少なりドキドキしたのも事実。失敗したらどうしよう、思った通りにならなかったらどうしよう……。
裾のレースも様々な素材の布を使っていて、かなり凝ったデザイン。
藍建てのカメ。ここに服を浸けて染料を染み込ませた後、空気に触れさせながら洗い流します。
染料に浸けると、何とも言えない黄土色のような緑色のような微妙な色に。失敗した!……と思いましたが、水で染料を落としながら空気に触れさせると、とても鮮やかな藍色にと変わっていったのです。
少しわかりづらいかもですが、今回染めたスリップワンピースにシャツワンピースを重ねています。揃いで買ったような仕上がりに。
リサイクルとかサスティナブルとかもいいですが、同じ環境や資源のことを考えるなら、アップサイクルで元のものよりも少しでもいいものになったほうが、その分うれしさも増える。こういったことにトライしているブランドはこれからも注目していきたいです。
今回で私のキノイエブログへの執筆は一旦お休みとなります。私の暮らしのあれこれがみなさまの暮らしのアイデアに繋がればいいなと思っています。また違った形でお目にかかれるのを楽しみにしていますね。
<村岡利恵>
長年東京でインテリアやデザイン関連の雑誌編集に携わる。2016年に長野県大町市へとIターンし、2017年7月から高瀬渓谷の森のなかの別荘地で「HÜTTE muumuu」という朝食だけのカフェと編集&デザイン業を営む。キノイエスタッフと縁があり、雑誌編集者時代に触れたいろいろなもののことや、高瀬の森での新しい暮らしづくり、旅のことなど、当ブログで不定期に執筆。
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軒と土間のある夏の暮らし
July 12, 2017
じりじりと照り付ける太陽。いよいよ本格的な夏の到来を感じさせる日が多くなってきましたね。
こんな暑い日、昔の人はどのように暮らしていたのでしょう?今から700年近く前の大昔、吉田兼好は徒然草にて「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる…」という有名な言葉を残しています。ご存知の方も多いことでしょう。要するに、「冬の寒さは厚着をする等でどうにかなるが、夏の暑さはどうにもならない。だから、住まいづくりは、夏の暑さ対策を第一に考えよ。」という意味になります。高温多湿の日本の夏の暮らし方は昔から重大な関心事であったのです。
そう考えると、日本の古寺や歴史的な建築物の多くは、日射遮蔽と通風のメカニズムがよく考えられており、真夏でも内部が非常に涼しい構造になっていることがわかります。先人の知恵とは偉大です。
さて、現代の私たちの住宅事情に目を向けてみましょう。近年建てられた住宅のほとんどは、この季節、窓を閉め切ってエアコンをフル回転・・・というパターンが多いのではないでしょうか。
もちろん、快適であればそれはそれで全く問題ありません。でも、そんな真夏に、昔の日本建築のように自然な涼を感じられる環境が少しでもあるなら、私たちの暮らしはもっと豊かで味わいのあるものになるのではないでしょうか。
つい数十年前まで一般的であった町家づくりの家は、うなぎの寝床のように細く長い伸びた軒先に簾(すだれ)が、中を覗くと奥まで長く続いた土間スペースがありました。容赦なく照りつける日差しは、長く伸びた軒と簾によって遮られ、外から家の奥に侵入してくる熱風は、一旦、冷えた土間の上を通り抜けることで冷却され、家の奥に入ってくる頃には心地よい風に変わるようになっています。今のようにエアコンなどない時代に編み出された先人の知恵。日本の住宅はつい最近まで吉田兼好の教えをしっかりと守っていたのです。
私たちキノイエの家づくりは、そんなちょっと昔の日本の住宅の英知を現代の高性能住宅の技術とミックスさせることで、一般的な現代の住宅とは違う解放感や快適さを実現させていることが最大の特徴です。「気密性も断熱性も地域トップクラスでありながら、解放感も抜群の家」とでも表現すれば分かりやすいでしょうか(笑)
そのヒントは「ソトに伸びた軒」、そして「ナカにつながる土間」の存在にあります。コンパクトでありながらダイナミックな軒の出、室内に大きく取り込んだ土間スペースが、真夏の太陽光を遮ると同時に、流れる空気をやわらかく冷やす機能をもち、ソトとナカを絶妙につなぐことで、心地よい風を取り込む空間を生み出しています。
キノイエの住まいは、春夏秋冬全ての季節で感動を味わうことができる本物の家づくりを追及しています。以前、モデルハウスにご来場いただいたことがある方も、ぜひ真夏のキノイエを体験してみてはいかがでしょう。きっと新たな感動に出会えると思います。
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企画進行中~オレンジフェア2017
July 10, 2017
毎年恒例のカネタ建設お客様感謝祭「オレンジフェア」の実行委員会スタッフによる準備がいよいよ本格的になってきました。
こちらは、先日開催された企画会議の様子。このイベントは今年で13年目を迎えますが、第1回目から今までずっと、全てスタッフたちの手づくりにこだわり、企画・設営・運営の一切を内製化しています。
ご覧のように、会議では、スタッフたちの手描きコンセプトイメージなどを駆使し、ワイワイと自由な議論が飛び交います。イベント実行委員会スタッフは、土木技術者、建築担当者、営業スタッフ、事務スタッフなど、誰一人イベントの専門家ではありませんが、完成したイベントでは、毎年半日で3,000人以上の来場(昨年は4,000人!)を記録するというモンスターイベントに成長しています。
気になる今年のテーマは、今月後半までのお楽しみとして・・毎年、このオレンジフェアの企画がほぼ固まると、開催前に必ずスタッフで決起集会が行われます。
決起集会では、盛り上がり過ぎて、なぜか中途半端なChoo Choo TRAINを決行(笑)※ちなみに、今年のイベント企画とは一切関係ありません(笑)
この結束力が、様々な挑戦を可能にするチームの原動力になっています。
弊社の中では、オレンジフェアをいわゆる「人の展示会」と位置付けています。何事にも全力投球で、まずはスタッフ自らが楽しみながら、お客様に、そして地域の皆様に最高の夏の一日を提供したいという気持ちを大切にしています。住宅見学会やモデルハウスへ行くのは敷居が高いと感じている方でも、このイベントでは私たちの会社を身近に感じていただけるのではないかと考えています。
今年のオレンジフェアは、山の日である8月11日(金・祝)を予定しています。どうぞお楽しみに。
<感謝祭「オレンジフェア2017」>
▶開催日時
8月11日(金)山の日/10:00~15:00
▶会場
糸魚川市民会館前特設広場(昨年と同会場)
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真夏も快適
July 9, 2017
九州北部地方を襲った豪雨の被害が拡大しています。福岡県と大分県で合わせて18人の死亡も確認されており、安否不明の方の状況も心配されています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げますと共に一日も早い復旧復興を願っています。
さて、上越地域は連日の豪雨が明けて、昨日の市内はとても暑かったですね。高田観測所の最高気温は今月初めて30℃を超え、いよいよ本格的な夏の到来を感じさせます。
そんな昨日のキノイエモデルハウス「塩屋新田の家」の日中の温度計はこのような感じに。
じりじりと照りつける陽射しに、デッキテラス上の温度もぐんぐん上昇。
しかし、室内の環境はこんな感じです。
もちろん、エアコンは1台が静かに弱運転しているだけで、家の中全体が隅々まで25℃前後をキープしています。エアコンに負担をかけないので電気代も安心。この見た目では分からない住宅の基本性能の決定的な違いは、ぜひ過去のブログを紐解いていただければと思います。
冷暖房設備機器は入れ替えが簡単にできますが、家そのものの基本性能は簡単に取り換えが利きません。デザインや価格と同じくらい、いや、それ以上に将来のランニングコストと健康に直結する外皮性能についての知識を深めることが、一生涯の買いものである家づくりで失敗しない最良の道です。
こうした専門分野は、上越エリアでいちばん早く省エネ建築診断士を取得している専門集団の弊社までぜひお問い合わせください。
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小さなコンシェルジュ
July 7, 2017
とある日のモデルハウス「塩屋新田の家」にて。
スタッフと一緒に小さな女の子が二人仲良く遊んでいますが、実はそのうち一人は、弊社の杉ノ上支店長の長女ちいちゃん。この日は、家庭の事情でちいちゃんの預り手がなかったので、一日お母さんと一緒にモデルハウスへ。その日ちいちゃんは、お子様担当としてなんと3組のお客様の接客をしてくれました。
お客様のお子さんととても仲良くなったちいちゃん、お客様の帰り際、「また遊びに来てね♪」とにっこり笑顔でお見送り。お客様のお子さんも、次回のお打ち合わせでまた一緒に遊べることをとても楽しみにしている様子でした。
こちらは、接客が終わり少々お疲れ気味の様子。
でも、ちいちゃん、本当によくがんばりました。スタッフたちから客観的に見ても営業マンとしての素質は十分。将来、ママを見習ってとっても優秀な住宅コンシェルジュになれるでしょう(笑)
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一棟一棟丁寧に確実に
July 5, 2017
先日、上越市内にある新築工事中の建物内の気密試験を完了しました。
弊社では、原則、新築住宅は全棟気密検査を行います。以前のブログでもご紹介しました通り、気密試験では専用の気密測定器を使い、家の中の「C値」を調べます。おさらいですが、C値とは、家の延床面積に対する 「 隙間面積 」 の割合を示す数値で、床面積1㎡当たりどれ位(何㎠)の隙間があるのかを表した数値です。この値がゼロに近いほど、隙間が少なく、気密性が高いことを意味します。
C値 = 家全体の隙間の合計(㎠) ÷ 延床面積(㎡)
今回の結果は・・・
C値 =0.2㎠/㎡
当地域ではほぼ最高クラスの数値になりました。
以前のブログ(「すき間だらけの日本の住宅」/「住まいの呼吸法」)でもご紹介したように、日本の既設住宅の90%以上が今回の値の25倍の大きさにあたるC値=5㎠/㎡以上と言われていますが、実際のところ、まだ多くの住宅会社ではまだ測定すらしていないため実態は不明です。なぜならば、このC値の測定は、改正された省エネ基準法でも義務化されていないからです。それに対し、私たちが自主基準としているのは、C値=0.5㎠/㎡以下。40坪の家であれば、隙間は名刺1枚分程度というレベルを必達条件としています。今回の数値は、その半分以下であるC値=0.2㎠/㎡。数値としては当地域で最高レベルです。もっとも、C値は0.5を切れば気密性としては十分な性能値になりますので、この数値ばかりを追い求めることは本筋ではありません。
ちなみに、私たちの断熱・気密施工は、通常のグラスウール断熱材(袋状の断熱材)を敷き詰めていく工法ではなく、断熱性能としてもトップクラスのフェノールフォームパネルを隙間なく設置する断熱工法を採用しています。工場で正確にカットされたパネル材が柱や梁とがしっかりと密着しており、基本的に接合面の隙間が発生しにくい構造となっています。さらにそこに気密テープで接合部分を完璧に塞いでいるため、基本、ミリ単位の隙間は発生しない構造になっています。
この隙間の大きさが与える住宅の温熱環境の差は歴然です。これが夏冬の冷暖房機器の運転効率に大きな影響を与え、結果として年間の光熱費が大きく変わります。また、隙間があるかないかは、即ち結露→カビの発生の有無に影響し、長年にわたって住まいの健康と人体の健康に大きな影響を与えるものになるのです。なお、未だに「住宅を高気密化すると息苦しい家になる」「空気が悪くなりかえって不健康になる」「家の寿命が悪くなる」という誤った主張をされている業者さんもおられるようですが、これは全く根拠のない都市伝説です。現在の住宅は24時間換気システムの導入が義務化されており、時間当たりの換気回数も建物の種別によって明確に規定されています。「なんとなく隙間風が通る家の方が健康」と家の気密性を中途半端に落としてしまうとかえって換気効率が阻害され、健康被害を招く原因となり危険です。しっかりとした科学的な根拠をもって住宅の断熱・気密性能を理解する必要があります。
私たちのこの隙間の小さな家づくりは、設計段階における工法の選定と、施工段階における緻密なチェックと丁寧な施工作業の徹底によって生み出されます。私たちの施工現場では、専任監督がしっかりと目を行き届かせ、一棟一棟丁寧に確認しながら作業を進めています。また、勉強熱心で気密に関する理解がある優秀な大工チームがパートナーにいることも重要な要素です。
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社長のMUSIC BOXから(vol.8)
July 4, 2017
代表猪又の趣味でセレクトされているモデルハウスのBGMからのアーティストピックアップ、今回ですでに8回目!ネタは尽きません(笑)前2回は、伝説のジャズミュージシャン2名にスポットを当ててみましたが、今回はぐっと現代に寄り、ウェブ時代のミュージックシーンに触手を伸ばしてのご紹介です。
まずは、こちらをご覧ください。
今回ご紹介するのは、「Jhameel(ジャミール)」。1989年アメリカ・ミネソタ州出身。カリフォルニア大学バークレー校卒業。現在サンフランシスコ在住の20代。韓国、日本、モンゴルの血が流れていますが、スペイン、アラビア語等、他国語を自在に操ることができます。作詞・作曲・アレンジなどを全て自らがこなし、ファッション・ブランド「FOREVER21」のコレクション・ムービーへの楽曲提供なども行っている、とても才能に溢れた若きアーティストです。
上記の映像は、自ら演奏する様々な楽器のフレーズと歌声をリアルタイムで多重録音しながら一つの曲に仕上げていくという面白いアプローチの映像を自らyoutubeで公開。この他にも自らが監督・出演した本格的なMVや、自宅で泥酔しながら弾き語りを行う映像をそのまま動画サイトにUPするなど、セルフメイドなスタイルが話題を呼び、日本でも一時注目を集めました。ちなみに、Jhameelというステージネームは、留学生のレバノン人に付けられたあだ名からだそうです。現在のネット社会が生んだまさにボーダーレスなサウンドと表現スタイルが彼の持ち味です。
そんな彼の独特の世界観が凝縮された楽曲は、ポップ、ハード、メロディアスと非常に幅広く、そこに彼自身の強烈なキャラクターとセクシーな歌声が合わさって、聴く人に様々な印象を与えています。キノイエのモデルハウスでは時々、比較的ポップなテイストの以下の3曲がBGMとして流れています。”Waves”、”Pursuit of Glory”、”White Lie”の3曲を続けてどうぞ。
いかがでしたか。これまで、このコーナーでは、比較的オーソドックスで音楽の歴史的にも不動の評価をもつアーティストのご紹介が多く、ある意味やや回顧主義的な側面もありましたが、今回のJhameelのように、時代の流れの中で何か特別な光るものをもった新しいアーティストにも今後スポットライトを当てていきたいと思います。次回もどうぞお楽しみに。
<過去の記事>
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20年の歳月をかけて
July 2, 2017
前回のブログで、伊勢神宮の話題に触れましたが、本日はその続きで、ちょっとした建築のお話です。
御稲御倉(みしねのみくら)
写真は伊勢神宮の内宮にある「御稲御倉(みしねのみくら)」。御稲御倉は、内宮の30社ある所管社のうち第6位の社格を持っています。創建年は不明ですが、推定では600年から750年前からだといわれています。御稲御倉には、神嘗祭にて神様へお供えするイネが約1年分ほど納められています。
外幣殿(げへいでん)
またその近くには、外幣殿(げへいでん)があります。神宮会館HPによると「ご正宮瑞垣内の東宝殿を内の幣帛殿(へいはくでん)とすれば、これは外の幣帛殿にあたるものである。古くは皇后陛下・皇太子殿下の幣帛や古神宝類を納めていたが、現在は古神宝類が納められている。」とあります。
さて、今回はこの2つの建物にご注目。
神社本殿形式の一種で素木造 (しらきづくり) 、前回のブログでもご紹介しましたが、屋根は切妻造で、正面に向かって屋根の勾配が流れている「平入り」(左右に屋根勾配が流れる形を「妻入り」といいます)とよばれる形をとっています。屋上に千木 (ちぎ) 、鰹木 (かつおぎ) を載せ、両側面に棟持柱 (むなもちばしら) を立てています。このような一連の伊勢神宮の様式を特に唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)といいます。
しかし、写真をご覧になってお分かりのように、この棟持柱と呼ばれる丸い柱は、正確には屋根を支えていない状態であることが分かります。これは、中に保管されているお米等に虫がつかないようにするための工夫で、収納壁の横板を上からの屋根の重みで押さえ、常に隙間のない状態をつくります。よって丸い柱は常に浮いた状態。屋根は年月をかけてゆっくりと沈み、この丸い柱の先端と屋根とが合わさるのがなんと20年後。それが式年遷宮として決められた年数となっているのです。
20年かけてこの建物の機能は役割を全うし、式年遷宮を迎えます。何百年以上も前の当時の建築理論と技術にただただ敬服するばかりです。
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