今年の夏は本当に異常な天候で、じめじめとした日が続きます。だから本日は趣向を変えて、この季節にいちばん気をつけなければいけないテーマの一つについて触れたいと思います。
それはずばり、「食中毒」です。気温の上昇と共に微生物の働きが活発になってくるこの季節、サルモネラ菌やO-157、カンピロバクターなどの細菌にまつわる食中毒のニュースや話題も多いのですが、実はまだあまり知られていないのが、「ウェルシュ菌」の存在です。このウェルシュ菌という名前、あまり聞きなれない名前だと思いますが、実は、自然界のいたるところにも存在し、人や動物の腸内にも存在するごくありふれた細菌の一つなのです。
最大の特徴は、「加熱しても死なない」ことに加え、ある一定温度状態の中で「短期間に爆発的に増殖する」という性質をもっていることです。
ウェルシュ菌は、加熱されている間も「芽胞(がほう)」と呼ばれる硬い殻に守られ、しぶとく生き延びます。生き残った芽胞は、鍋の火を止めた後内部の温度が50℃以下に下がったところから爆発的に増殖を始め、わずか数時間ほどで食中毒を起こすレベルにまで達するのだそうです。「カレーは二日目が美味しい」とよく言われますが、煮込んだカレーが冷まされないまましばらく常温に放置されていると、ウェルシュ菌にとっては最適の環境。42℃~45℃の温度下では特に増殖が進みます。そして、いちばん誤解を招きやすいのが「再加熱」の問題。ウェルシュ菌の場合、前述の通り、一度増殖した菌は再加熱してもそう簡単には死滅しませんので、要注意です。これはもちろん、カレーだけでなく、豚汁やシチューなど、一度に鍋で大量に煮込んだ食材全般にいえることです。
それを防ぐ方法は、「すぐに冷ます」こと。ウェルシュ菌は、15℃以下の環境下では増殖が抑制されますので、なるべく早めにその温度以下にまで下げることが肝心です。ただし、温かいままの鍋を冷蔵庫に入れたとしても、鍋の容積が大きければ冷めるまでに相当の時間がかかってしまい、やはりウェルシュ菌にとっては増殖するための好都合の環境が生まれてしまいます。すぐ冷ますためには、鍋の中身をすぐに小分けにして冷蔵庫に入れたり、鍋自体をより大きな水の入った鍋に浸たし、かき混ぜながら短期間で冷やすなど、工夫する必要があります。
ちょっとした知識で、今年の残暑を健康で乗り切りましょう。
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