「夜は夜の、暗めで落ち着いた時間があっていい。夜には昼と同じことができない方がいい。どうしても暗くては困る場合だけ、家のどこかに明るい場所をつくりそこに行ってすればいい」
これは、吉村順三氏の木造モダニズムを受け継ぐ建築家、故・永田昌民氏の言葉です。永田氏の設計する住まいにはどれも「光のたまり」があり、空間の美しさと共に暮らし方に奥ゆかしさを感じさせる何かがあります。
永田氏は、「あかりを効果的に使い、楽しむという文化が成熟しないままモノだけを手に入れてしまったのではないだろうか」とも語っています。現在、世の中には様々な先鋭的なデザインの照明器具が氾濫していますが、永田氏が設計で用いている照明器具は、けっして高価なものではなく、とてもシンプルでさりげないものばかり。大切なのは、照明器具ではなく「あかり」であるという本質を見つめていたからなのでしょう。
私たちの手掛けるキノイエの住まいづくりにも、この設計思想をとても大切にしています。
昼と夜、あるいは晴天と曇天の時で大きく変わるその空間の表情、その良し悪しを決めるのは「あかり」です。とくに小さな家の照明設計の際、照明器具自体に存在感があり過ぎると、部屋の雰囲気が台無しになってしまうことがあるので注意が必要です。ここでも「引き算する設計」の思想が重要になってくるのです。
同時に、その家のあかりは、道往く人にとっても楽しめるものであったり、家族やお客様をあたたかく迎え入れる存在であるべきだと思います。光のたまりを自在に操る設計を貫いてきた故・永田昌民氏に深い敬意を込めて・・・
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