大火から1年
December 22, 2017
市内中心部の家屋147棟を焼失させた糸魚川駅北大火から本日でちょうど1年が経過しました。この日、糸魚川市では「糸魚川市駅北復興まちづくりシンポジウム2017」が開催されました。
「カタイ絆でよみがえる 笑顔の街道 糸魚川」という副題が記されたこのシンポジウム、オープニングは地元糸魚川幼稚園の児童さんたちによるかわいらしい太鼓の演奏から始まりました。
司会進行は、地元出身のフリーキャスターで糸魚川ジオパーク大使でもある伊藤聡子さん。第1部では、大火にあたり多大な支援をいただいた皆様に対する市長表彰の後、「駅北大火から私の1年」をテーマに、大火を経験した3名の市民の方より当時の様子から現在までの1年とこれからについて語っていただきました。
最初に語っていただいたのは、江戸時代末期文化文政の頃の創業で195年の歴史を持つ純日本料理店「割烹鶴来家」の専務取締役の青木資甫子さん。続いてマイクを持ったのが、新聞配達店を経営する有限会社ニックひろせの取締役社長 本間寛通さん。お二人ともこの度の大火でお店を全焼してしまった被災者。しかしながら、鶴来家の青木さんは、すぐに自宅に仮設店舗を立ち上げ、「えちごトキめきリゾート雪月花」への料理の提供を1月から開始。ニックひろせの本間さんは、なんとお店を全焼しながらも被災翌日からも新聞配達を切らさずに継続するという、再開への情熱にあふれた素晴らしい人たちです。また、本間さんは糸魚川青年会議所のメンバーとして、この度の糸魚川復興支援ミュージカル「オデュッセイア外伝 未来へつなぐために」の企画に関わり、自らも演者として舞台に立っています。糸魚川の復興を支えるのは人の情熱であるということを、お二人の話を聞きながらあらためて考えさせられました。
そして、最後にお話しいただいたのは、被災エリアに隣接していた糸魚川小学校の渡邉寿敏校長先生。火災発生当時の学校の様子と、その後の生徒たちと被災商店街との関りについての説明がありました。糸魚川小学校は数年前から地域学習として、中心市街地の商店街に足を運び、地域の魅力を見つけるフィールドワークを継続してきました。今回の被災にあたり、「何かできることを」と考えた糸魚川小学校は、焼け残った商店街の八福神のすす落としやまちの復興の願う絵馬の寄贈など様々な取り組みを子どもたちと共に行ってきました。「子どもたちには、火事の記憶よりも、このまちの復興に関わったという記憶を残してもらいたい」という渡辺校長先生の言葉がとても印象的でした。
第2部は、特別講演として「えちごトキめきリゾート雪月花から、まちと地域へ」と題し、雪月花のデザイナーである川西康之さんより、これからの復興まちづくりに不可欠な住民や地域が主役のまちづくりについての非常に興味深いお話しがありました。こちらの内容については、また別の機会に少し触れたいと思います。
そして、閉会セレモニーでは、こども消防隊の発足式、被災エリア及び近隣住人を中心に大人と子どもで組織された「駅北火の用心夜回り隊」の出発式等が行われました。
また、このシンポジウムの後、夕方は駅北被災地につくられた賑わい創出広場にて、「復興イルミネーションプロジェクト」として「まちづくりらぼ」の皆さんが中心となって市民有志の手によって設営された手づくりのイルミネーションの点灯式が行われました。
駅前アーケードも市内企業や関係者の協賛によってイルミネーションが点灯。これからの1年はいよいよ糸魚川のまちが本当の復興へと力強く前進する1年になるのではないかと思います。
がんばろう糸魚川!!
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