以前も話題に取り上げたことのある「えちごトキめきリゾート雪月花」。沿線風景の新しいシンボルになってほしいという設計者の思いから真っ赤な銀朱色に染め上げられたボディが印象的なこのリゾート列車は、わずか2両編成(定員45名)。妙高山や焼山、日本海などの絶景を楽しんでもらえるよう、天井まで伸びる日本最大級の側窓と床高を備え、お客様に今まで見たこともない車窓を提供し、地元の厳選食材を使用した車内食も合わせ全国で話題となっています。
日本海や妙高山を一望できる1号車のテーブルや壁に用いられているのは、越後杉。さくらラウンジの壁はカバザクラ。2号車の家具や壁には、こげ茶色のブナが用いられています。それぞれ昔から雪国新潟の家屋や寺社仏閣などにも使われてきた越後杉、日本三大夜桜の一つとされている高田公園の桜、妙高市などのブナ林といった新潟のシンボルとなる木をイメージしています。
実は本物の木を車両に用いるのは、技術的・法規的に極めて困難な挑戦。国土交通省の省令で鉄道に関する技術基準の第83条の第3項に「旅客車の車体は、予想される火災の発生および延焼を防ぐことができる構造および材質でなければならない。」と規定されており、解釈基準の中に要求される燃焼性(不燃性、極難燃性、難燃性)が部位ごとに定められています。
しかし、雪月花の設計者であるICHIBANSENの川西康之氏は、あえて地元にちなんだ本物の木を内装に使用し、地域の魅力を視覚と手触りで楽しんでもらうことで、車窓の美しい自然の景色にさらなるストーリー性を乗客の皆様に伝えようと試みたのです。コストをかけ、特殊な不燃処理を施し、幾度にもわたる国交省規定の厳しい耐火試験をクリアした天然木のテーブル材や壁材はライターの火を近づけても焦げ目すら簡単にはつきません。
ちなみに、越後杉をふんだんに使用した1号車のデザインにご注目。上越地域に広がる春の菜の花、秋の田園の稲穂の美しい風景と調和するような黄色い座面の色と越後杉の組み合わせ、どこかで見たような・・・!?
そう、キノイエの「塩屋新田の家」に使われているオリジナルベンチシートもまた、越後杉と稲穂色の組み合わせが美しいデザインとなっています。単なる偶然ですが、インスパイアされている源泉は、この地域らしさという面で共通しているのかもしれません。
私たちもまだ利用したことがない雪月花。少々お高いですが、いつか乗ってみたいと思います。
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