以前のブログ記事でもご紹介しましたが、今年春、弊社に新入社員として建築部スタッフに加わった岩﨑さんがこの度、出身大学代表としてJIA全国学生卒業設計コンクール2018 北陸支部公開審査会に臨み、見事敢闘賞を受賞しました。
審査会は去る5月13日(日)、福井県国際交流会館にて開催され、北陸4大学1高専から計9作品がエントリー。その中で弊社の岩﨑さんの制作発表が、最優秀賞の次点となる敢闘賞に見事選ばれました。最優秀賞は、来る6月23日(土)に東京で開催される全国コンクールへの出場権が獲得できたのですが、その差はわずか1点!本当に惜しい結果となりましたが、とても素晴らしい成績を収めてくれました。
彼女の卒業制作テーマはずばり、地元糸魚川のまちづくり。設計された建物は、糸魚川の地域防災力を展示するための防災ハイブリッド施設、その名も「IDEC(アイデック/Itoigawa Disaster Education Center)」。糸魚川駅から見える日本海に面した国道沿いに、多階層を交差するいくつもの曲線フロアが美しい外観。しかし、優れているのはそのデザインだけにあらず。幾度も大火を経験した糸魚川の中心部に、地域防災に関する全ての英知と、そして体験・学習できる機能を集約したハイブリッド施設は、市民への防災意識の向上だけでなく、憩いの場としての機能や観光のランドワークとしての機能も視野に入れた複合型施設なのです。
今この地域に何が必要なのか?糸魚川らしさとは?という視点も忘れていません。この施設(IDEC)に向かうアプローチには、新しい発想でリ・デザインされた雁木の提案や、災害発生時に必要な備蓄品を常設展示して、市民に向けて日頃からの防災意識啓発を促すと同時に、有事の際にはそこから備蓄品を速やかに取り出せるようなストックヤードとしての機能を兼ね備えている発想も素晴らしいです。
災害時の現象を疑似体験できるスペースにも様々な創意工夫があり、実際にこのような施設が糸魚川にあれば、市街県外からの誘客も大いに期待できます。
夕日が沈む美しい日本海のパノラマビューを前面に、各フロアが多階層を行き交う設計、つまり「ねじる」「重ねる」という発想を取り入れ、単調になりがちな施設内の動線に楽しさ、ワクワク感を組み込むという設計アイディアに先輩建築スタッフたちも感心。
コンクールにおける審査員の皆さんの評価は、明確でメッセージ性の高いコンセプトの秀逸さと構造的な実現可能性に対する疑問の間で評価が分かれたようですが、それだけに多くの審査員の注目を集めた彼女のプレゼンテーションは大健闘だったのではないかと思います。社内で予行練習を開催したことも功を奏したのではないかと、私たちも密かに自己満足(笑)
それにしても、「建築は愛だ」と再確認した嬉しい出来事。彼女の地元愛、建築愛が、いずれ彼女自身の仕事、そしてこのまちに様々なよい影響を与えてくれる日が来ると確信しています。
本当によくがんばりました。
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