お引渡し その前に
June 6, 2018
先日、「西本町の家」のお引渡しをさせていただきました。
お引渡しにあたり、前日は建物並びに敷地周りの最終チェック、清掃、お引渡し式の準備その他の作業を行います。この時期は、敷地内の雑草も伸びるのが早く、スタッフが手分けして綺麗に取り除きます。
キノイエでは、敷地全体を暮らしの空間と捉え、土地と建物を切り離すような設計ではなく、敷地と建物を一体とした設計をしています。
住まいのお引渡しに際して、壁や床に小さな傷や汚れがあっても許されません。それと同じように、敷地内もスギナ一本ですら残してのお引渡しはできないのです。
建物の完成直後は綺麗だった敷地内も、この時期には既にスギナ等も伸び盛りに。
水仙は来年も綺麗な花が咲くように、残しました。
キノイエでは、いつもほんのちょっぴり工夫をして感動のお引渡し式を行います。お施主様にとって、思い出に残るお引渡しの瞬間をどのように演出するか、毎回スタッフも真剣に考えます・・・ちなみに、上の写真は、音声ケーブルがうまく接続できず立ち往生しているところでした(笑)
感動のお引渡しの様子はまた後日、お見せできる範囲でご紹介できればと思います。
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日本の家は寒過ぎる
June 4, 2018
6月衣替えの季節に入り、日に日に日中の暑さが本格的な夏の到来を予感させるこの頃、今日はあえて冬の話をしたいと思います。
先日、スウェーデンに現地法人のある企業の方とお話をすることがありました。スウェーデンは、東はフィンランド、西はノルウェーに接し、南はオーレスン海峡を挟んでデンマークと向かい合う、北欧諸国最大の面積をもつ国。国土の北部はラップランドと呼ばれる北極圏の地で夏は白夜となります。
メキシコ湾流のおかげで、緯度のわりには比較的温暖ですが、北極圏の冬はやや厳しい気候で、四季ははっきりと分かれている国です。東京の平均気温よりも5~10℃低く、8月に至っては、13℃ほど下回ります。
そのスウェーデン駐在の方との会話で盛り上がった話題、それはなんと「日本の家は寒過ぎる」ということ。特にスウェーデン人のご家族が日本に赴任し、日本の住宅に入居してまず発する言葉が「なんでこんなに日本の家は寒いの!?」だそうです。日本よりも冬の平均気温が低く、一時的には極寒状態になるスウェーデン。とてもおかしな話ですが、実は、アジア・欧米諸国の中でもそれだけ日本の住宅の断熱気密性能は低いというのは、残念ながら厳然たる事実なのです。
スウェーデンの住宅の断熱性能は日本よりもはるかに厳しい基準で建築されます。自治体がセントラルヒーティングシステムを取り入れ、まち全体を温かく快適な環境にしています。また、日本とスウェーデンの気候での決定的な違いは「湿度」。日本の夏は湿度が高く、とても蒸し暑いですが、スウェーデンはカラッとしています。夏は窓を開けるだけで十分。空調機器に頼る必要がありません。(だから、スウェーデンの家のつくりをそのまま日本にもってきても合いません)「家のつくりようは夏をもって旨とすべし」と徒然草で吉田兼好が謳ったように、日本は昔から夏の高温多湿の環境の中でいかに快適に、そして病気にならずに住まうかということに心血を注いできた歴史があります。もともと冬は「寒ければ厚着をしなさい」という考え方が根底にあったようですね。
しかし、高度成長時代を過ぎて久しい現在もなお、日本の住宅性能が世界最低レベルに甘んじている背景。それは、戦後の復興から高度成長時代、人口の増加、生活水準の向上の中、住宅建設にあたって、質よりも量を重視した政策が大きく影響しています。(もちろん、ここに日本のエネルギー政策に関する考え方も加わってきます)その間、日本は住宅性能に関して急激な性能基準の引き上げを避けてきました。近年うたわれる「高気密高断熱」「次世代省エネ基準」にしても、大手から中小工務店、個人大工まですそ野の広い住宅産業が混乱しないための激変緩和措置が講じられた折衷案によるもの。世界の基準からみればなんとも心もとない基準。だから、実は現在、法で定められた性能基準の下限値ギリギリでクリアすることだけに徹し、価格の安さを訴求する住宅会社から、その20年先を見据えた高性能化に舵を切っている住宅会社、今後性能基準が引き上げられてもそもそも技術的に対応できない会社などが混在し、日本の住宅業界は混沌とした状態になっています。
現在の日本の住宅性能は、みな同じでもなければ、ブランド力のある企業の家が必ずしも世界基準で高性能ではないということを知っておいても損はないと思います。
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上棟日和
June 2, 2018
少し前になりますが、先月の21日、快晴の中、上越市鴨島地内で建方が行われました。前日まで何もなかった場所に一日にして突如建物が建つので、ご近所さまも皆さん興味津々。先週末は上越市内で小学校の体育祭が行われ、月曜日を代休としていた学校も多かったようで、現場近くにもたくさんの子供たちの姿がありました。また、現場では大きなクレーン車も動いていたので、特に小学生くらいの男の子たちは、お家の窓からのぞいたり、外に出てちょっと離れた所からジッと眺めたりと、とりわけ小さな現場監督さんのようでした。
本日は、そんな一日の上棟の様子をダイジェストでお伝えしたいと思います。
まずは、建方前、基礎工事完了の様子。
建方当日の朝。現場内に沢山の資材が運びこまれ、1階の柱から立ち上げていきます。
2階の床組が完了するとこのような状態になります。
次は、2階の柱を立ち上げていきます。
小屋組の様子です。
当日の午後4時には、ご覧の姿に。
おかげさまで、事故なく無事に建方作業を終了しました。施工に携わった関係者のみなさん、大変おつかれさまでした。それにしても、大工さんたちの息の合ったチームワークや、クレーンのオペレーターさんとの絶妙な連携作業は、毎回見ていてため息が出るほど、その美しさに脱帽です。 周りで見学していた小さな監督さんたちの中で、将来建築を目指す若者が誕生してくれるといいなと思います。
Aさま、上棟おめでとうございます。これからも、よろしくお願いいたします。 (追伸:差し入れ、ありがとうございました。)
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