先日「上刈の家」の完成時の隙間相当面積(C値)の測定を行いました。
前回のブログ記事でご紹介した通り、建築中のC値は、小数点第二位以下切り上げ値でC値=0.3㎠/㎡(0.22229㎠/㎡)でしたが、今回は玄関ドアやキッチンレンジフード、その他換気システム等の全貫通部分の施工処理完了後の検査となり、より実際のすき間の大きさが分かる重要な測定検査になります。
その結果はこのようになりました。
<1回目測定結果>
総隙間相当面積(αA) = 49㎠
<2回目測定結果>
総隙間相当面積(αA) = 58㎠
<3回目測定結果>
総隙間相当面積(αA) = 64㎠
まとめると、計3回の測定結果は以下のようになります。
総隙間相当面積(αA)
1回目:49㎠/㎡
2回目:58㎠/㎡
3回目:64㎠/㎡
C値は全3回の測定結果の中間値を採用することになりますので、計算結果は以下のようになります。
C値 = 家全体の隙間の合計 58㎠ ÷ 延床面積 143.955㎡ = 0.4029036851・・・㎠/㎡
よって、最終的な隙間相当面積(C値)は、0.4㎠/㎡ となりました。
中間測定結果が、C値=0.3㎠/㎡(0.22229㎠/㎡)でしたので、今回の性能数値は若干低下した結果となりましたが、これにはいくつかの明確な要因があります。その一つは玄関ドア。今回はプランコンセプトに基づき、「横引き」タイプの玄関ドアを採用しました。この「横引き」タイプのサッシは、その製品特性上、「開き戸」タイプのサッシに比べて気密性能が弱く、「横にスライドする」という動作によって物理的に完全密閉が難しい構造になっています。従って、中間測定時には設置されていなかった「横引き」タイプの玄関ドアを施工した後の数値の変化はある程度の想定内。ある意味正直な結果であるともいえます。またこの他にも、同時吸排式のレンジフード(吸気と排気を同時に一台のレンジフードで行う方式)を採用したことにより、ベンチレーター(一方的な排気による気圧低下を防ぐための自動開閉式の弁)が、減圧法による測定の値に影響を与えていることが考えられます。いずれも、施工そのものによる数値変化というより、建材・器具による影響であるといえます。
それにしても、今回のC値=0.4㎠/㎡という数値自体は、非常に優秀な値になります。この上刈の家に換算すると、その隙間の大きさは、名刺サイズよりわずか一回り大きいサイズしかないという結果になります。自画自賛のようですが、地域の中でもトップクラスの気密性能であることは間違いありません。
住宅会社がお客様にいちばんお見せしやすい断熱性能を表すUA値(外皮平均熱貫流率)は、設計上の数値で表現するすることが可能です。つまり、施工状態に関係なく、いい断熱材をたくさん使えば数値は良くなります。しかし、このC値(隙間相当面積)だけは、実測することでしか数値化することができません。つまり、一棟一棟丁寧に、かつ正確に測定することによってしかお客様にお示しすることができない生の性能値データなのです。この数字を正直に、丁寧かつ正確な測定手段を用いてお客様にご提示することの大切さを私たちはとても重く捉えています。
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