何にも無い幸せ
October 26, 2018
このキノイエブログに、新たなライターとして弊社若手建築女子のながさきさんが参加することになりました。本日初投稿。これから不定期で時々登場しますのでどうぞよろしくお願いいたします。
*** *** *** ***
皆さま、こんにちは。スタッフのながさきです。
今回から度々「住まう」ということを通して、感じたことをつぶやいていこうと思います。皆さま肩の力を抜いて、気軽にご覧下さいね。
さてさて、今回は地元について感じたことを一つ。誰にも必ずある地元。「ふるさと」や「帰る場所」なんて素敵な言い方もありますね。では、唐突に皆さまに質問です。
「皆さまの地元のいいところは何でしょう?」
私の地元は・・・恥ずかしながら、パッと浮かぶものがありません。糸魚川のはずれにある私の地元。観光名所があるわけでもなく、地元ならではなんてものがあるわけでもなく。
では反対に「良くないところは?」なんて聞かれると、出るわ出るわ。近くにスーパーやコンビニが無いとか、交通が不便だとか。私の地元は海と山しかない。隣の市がうらやましい・・・それなのにテレビ番組はよく取材に来きます。何をそんなに取材したいことがあるのか・・・?
某テレビ番組でもダーツが当たったからと、取材が来ました。そこでお馴染みのあの質問。
「この村のいいところはなんですか?」
・・・ほら来た。答えられない例の質問。案の定、「そんなん無いわね!」と近所のおばあちゃん。やっぱりか。
しかし私自身もそうですが、良くないところは思いつくのに周囲を見渡すと引っ越す人は誰もいない。「なんで?」と聞かれると、それも困る・・・
私は2年間、地元を離れていました。地元とは正反対に何でもある都会。やっぱり便利。素晴らしきかな都会。
でも何だろう。やっぱり落ち着かない。何かが違う。うまく言葉にできないその「何か」とは何だろうか。自然?景色?そこに住む人?匂い?音?違うわけじゃないけれど、どうも何かしっくりこない。
もしかしたら、他県の人から見るとその「何か」は分かるのかもしれない。住んでいるからこそ、当たり前すぎてわからないのかも・・・
でも、思うんです。それって実は、すごく幸せなことでは?
あぁ、そうか。だから、しっくりこないのか。何故ならそれは、生まれたときからあった、当たり前。ずっと変わらない、当たり前。
それでも他が良く見えるのはただの「ないものねだり」なのかも。もし、仮にスーパーやコンビニが出来るとなったら、反対の声があるのではないかと思います。「なんてわがままな・・・」と、思うでしょう。
そこには生まれ育ったこの地元の中に、この環境に、ここに居たい理由があるのではないでしょうか?何にも無いけど、ここに居たい、そんな場所が地元の良さかも知れません。
「あなたの地元のいい所は?」
なんて聞かれるとやっぱりうまく答えられないかもしれない。けれど、「何にも無いけどなんかいいんだ」って言う答えで許してもらえるなら、その一言は胸を張って言える。
少なくとも私は、部屋から海が見えるこの地元に、時間が許す限りは住んでいたいと思う今日この頃です。
|スタッフブログ|上越・糸魚川・妙高の家づくり|木の家をつくる工務店|新築・リフォーム|自然素材の注文住宅|キノイエ|カネタ建設|高気密高断熱|パッシブデザイン|