ヒスイ(翡翠)といえば、糸魚川市がその文化発祥の地として知られていますが、実はその影にもう一つ、糸魚川市を代表する天然の財産があります。
それが「糸魚川真柏(シンパク)」です。
糸魚川市小滝地域ブログ『うるるの里だより』(小滝プロジェクト)より
真柏は、海岸沿いの峻険な岩肌に育つヒノキ科ビャクシン属(ネズミサシ属)の常緑の低木で、伊吹(イブキ)の亜種といわれています。自然の風雪の中で枝幹が折れたり枯れたりして白骨化した部分を”シャリ”と呼び、それとは正反対の常緑の葉のコントラストが見せる表情。それは、まるで生と死が隣り合わせになっているかのような情緒が魅力で、「盆栽の王」ともいわれています。
そして、中でも「糸魚川真柏」といえば、いまや盆栽界では知らない人がいないほど有名な存在です。
その理由はいくつかあります。糸魚川真柏の自生する黒姫山や明星山は主に石灰岩で出来ており、真柏が自生している場所は高さ数百メートルにもなる断崖絶壁。ただでさえ入手困難であることに加え、糸魚川地域の冬の厳しい寒さや谷間を流れる強風など、過酷な自然環境の中で育ちながらも繊細な美しさも内包していることなどが多くの愛好家を魅了しています。
糸魚川真柏が最初に黒姫山や明星山付近で発見されたのは、1907(明治40)年頃。この地のヒスイの存在が世間に認知された1938(昭和13)年よりはるか以前のことといわれています。ヒスイと同じように、はじめはその価値に気付かなかった地元住民たちも、その魅力と経済価値に魅了され、真柏採りがブームになりました。しかし、入手にはほぼ垂直な断崖絶壁を命綱一本で下る必要があり、極めて危険な作業。途中で滑落死する人が後を絶ちませんでした。
糸魚川真柏は現在、ネット通販やオークションなどの市場で高価で取引されています。糸魚川市では、その真柏の魅力を通じて糸魚川市を広くアピールしようと、このほど新年度予算に「糸魚川真柏」のPRの項目が盛り込まれました。今はまだそのブランド認知が高齢者層を中心とした一部の愛好家に留まっていますが、近年の盆栽ブームや、世界から見た日本文化の魅力を考えると、無限の可能性を感じます。
糸魚川市小滝地域ブログ『うるるの里だより』(小滝プロジェクト)より
私たちの暮らすこの地域には、まだまだたくさんの宝が眠っています。
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