今までずっと経済成長優先で突き進んできた日本。しかし、この度の新型コロナウィルス感染症の拡大と都市機能の停止により、社会を取り巻く価値観は大きく変化をし始めました。特に、東京を中心とした都市部一辺倒の考え方に疑問を感じ、自然と共存する地方の人間らしい暮らしに豊さを求める人が少しずつ増えているようにも感じます。
あらためて、私たちの暮らす上越地域の魅力、私たちはどれだけ気付いているでしょうか? 以前のブログ記事でも書きましたが、日本は先進国の中でフィンランドに次いで2番目の森林保有面積をもつ森林大国。中でも私たちカネタ建設の本社が所在する糸魚川市は新潟県の中でも随一の森林保有自治体。大半が建築資材として非常によく使われる杉の宝庫です。
ところが、現在、その建築資材の大半には値段の安い県外産が使われており、地元の林業、製材業を含め多くの産業の成長が進まず、地域外への大量のキャッシュアウト(お金の流出)を生んでいるという現実があります(これには私たち地元企業にも責任の一端があります)。また、森林の間伐が正しく行われないことによる土砂災害のリスクや、山から流れる豊富なミネラル分が減少することにより海産物資源にも影響を及ぼしています。これを防ぐには、地元で育った森林から適切に木材を流通させ、間伐を進めることにカギがあります。つまり「森を守る=地域経済を守る」ことに繋がるのです。
そこで、私たちはこれから長い年月をかけて、少しずつ住宅の地材地建を進めていこうと考えています。地元の森で育った地元を木材を使って地元の職人たちと共に家を建て、子どもたちの世代に繋いでいく。子どもたちが田植え体験で、農家さんへの感謝やお米の美味しさを理解するのと同じように、林業や製材業、そして建設業が地域の人々の暮らしを安心安全、そして経済循環の面からも支える尊い仕事であるということを多くの子どもたちに伝えていく・・・こうしたことも私たちの使命だと考えています。
写真は、弊社が保有する糸魚川市内の山林の一部。実はこれまで手付かずでした。こうした森をしっかりと整備し、糸魚川の自然と暮らしの豊さを直に感じられるような流れを作っていきたいと思います。
10年20年スパンの壮大な夢でもありますが、着実に一歩ずつ実現に近づけていこうと思います。
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