おうち時間の質(家族編)
July 14, 2020
しばらくブログの更新が滞っておりました。楽しみにされていた皆様には、心よりお詫び申し上げます。仕切り直して、また少しずつ様々なコラムを綴っていきたいと思います。
さて、第二派とも呼べる連日の感染者数拡大の報道、私たちの地域での感染者報道なども合わせ、今や「withコロナ時代」という言葉はすっかり定着してきました。それに伴い、私たちのライフスタイルにも少しずつ変化の兆しが見られます。何より、今ほど「在宅生活」のあり方について考えさせられた時代はこれまでなかったのではないでしょうか。
そこで、今一度、「おうち時間」の質について、キノイエの住まいと暮らしのあり方から少し考えてみたいと思います。まずは「家族×おうち時間」について。
仕事、部活、塾など、外出の機会が減少し、家族一人ひとりの在宅時間が増えた時、あなたはどこで何をしていますか?そこにどんな「居場所」があるでしょうか?
キノイエの設計においてとても大切にしている考え方が、「家族とのちょうどよい距離感」です。窮屈でなく、そして、離れ過ぎないちょうどよい距離感。それは、ダイニングテーブルの直径や壁との距離といった物理的な感覚はもちろんのこと、視線の重なり具合や、どこに誰が座った時に居心地がよいか?という点についても、そこに住まうご家族お一人おひとりが主人公になるポイントを考えて設計しています。
「住まいの問診票」はそのための大事な最初のツール。家を建てるにあたって、実は「こう聞かれてみてはじめて家族でじっくり考えた」という項目も多いのです。「○○部屋を○帖ほしい」という顕在的なニーズの奥にある、ご家族それぞれの暮らし方を掘り下げていく形で質問は続いていきます。私たちはその中に、お一人おひとりの「ほしい暮らし方」「距離感」「時間」などを見つけていきます。そして、その効果は、住みはじめてから徐々に実感として湧いてきます。
それが、コロナ禍の今、より謙虚に表れているように思います。
また、住まいのもつ基本的な衣食住の機能以上に、様々な楽しみ方を見出すご家族が増えていますが、その+αの楽しみを叶える空間設計になっている住まいは必ずしも多いとは限りません。なぜなら、これまでの経済合理性重視の考え方によってつくられた住宅業界のマーケティングに導かれ、多くのユーザーが、「家はこれでいい」「余計なモノはいらない」という視点で家を「買う」という選択をしてきたからです。画一的な価値観で省かれたその「余計なモノ」の中に、顕在化していなかったご家族それぞれの暮らしの楽しみ方が隠れていたりするのです。
こちらは、キノイエでの「おうちキャンプ」。今年の5月の連休は各家庭がこぞって、おうちバーベキューなどを楽しんだことと思いますが、こうしたおうちキャンプ、おうちバーベキューのような半アウトドアライフ、やってみると似合うおうちとそうでないおうちの歴然とした違いがよく分かります。
みなさんのおうち時間、とりわけご家族との時間はどのように質を高めることができたでしょうか?一番大切なのは、もちろんお互いに対する尊敬と愛情。ですが、住まいもそこに大きな一役を担っているのです。