国府の家の工事がいよいよ始まりました。
まずは建物を軟弱地盤から守るための地盤補強、地盤改良工事です。
最も多く行われているのが杭による地盤改良ですが、杭も種類が様々ありコンクリート、砕石、木杭などがあります。
中でも昔から行われているのが木杭を打ち込む方法です。
国府の家の地盤改良では、間伐材を利用した杉杭での地盤改良を行いました。
「杭が木材で大丈夫か?」と心配な方もいらっしゃるかと思います。
木杭の歴史は古く、水の都・ヴェネツィアも木杭を利用した町としても知られています。
近年では東京駅・丸の内駅舎復元工事の際に、その地盤からは多くの松杭が見つかり、
そのほとんどは腐ったり割れたりせず、しっかりと機能を果たしていたそうです。
1万本以上の松杭が100年以上も東京駅を支え、関東大震災などの自然災害からも建物を守ってきました。
木杭は建物解体後も簡単に撤去、処分できるため、環境に配慮した工法として住宅などの小規模建築でも、今後増えていくと思います。
セメントや鉄を用いた地盤改良を木材に置換することで、1棟当たりのCO2を約10t削減でき、
施工材料による六価クロム等の環境汚染の心配もありません。
また、地場の木材も利用できるので地産地消への貢献が可能です。
国府の家のオーナー様はいくつかの改良工法の中から、メリット・デメリット・環境の事等考え木杭を選ばれました。
昨今、長期的な目線で自然に配慮し、住まい自体の長寿命化を考える家づくりの情報が多く発信されています。
環境問題について考えなければならない今、建築に際しても資源を消費し、
解体でも廃棄物を発生させ負荷を与える事をしっかりと理解し、
配慮することはサスティナビリティな考えとしてより浸透していくことでしょう。
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