下の表をご覧ください。とても興味深いデータがあります。
これは、関東近郊で2009~2014年度の間に住まいを新築した人を対象にしたアンケート調査の結果で、家づくりを始めようと思った時に重要視していた項目と、家が完成し住んでみた後の満足度の変化を追いかけたものです。この結果から、ある重要な事実が見えてきます。
中でも「室内温熱環境」と「省エネ性能」という項目にご注目。「室内温熱環境」については、検討段階~決定段階に至るまで重要視ポイントで5位以内に入り、それなりにこだわっている感じがありますが、最終的に住んでみた後の満足度は11位にまで後退。また、「省エネ性能」については、目に見えない(にくい)項目だからか、あるいは「よくて当たり前」だと認識されているためか、そもそも計画時の重要度が低くなっています。そして、最終的に住んでみた満足度は15位にまで低下しています。つまり、この2つの項目は計画当初の重要関心度の高さに比べ、結果として住んでみたら不満が大きい(=がっかり度が非常に大きい)項目であるといえます。
なぜこのようなことが起こるのでしょう?それは、「快適で省エネな家は注文しても簡単には手に入らない」という現実、つまり、残念ながら、多くの設計者や施工者がちゃんとした設計・施工ができているわけではないという現実を物語っているのです。だからこそ、間取りや価格、デザインなど「目に見える」項目以上に、肝心な実際の「住み心地」と「健康」、そして「生涯コスト」を満足させてくれる、確実な性能知識と施工技術を備えた会社選びがとても重要になってくるのです。
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