木の使い方は様々。これは、弊社が10年以上前に手がけた、長野県の穂高町に建てられた住まい。らせん階段に使用している木は、オーナー様の敷地内に守り神のように存在していた貝塚息吹の木。貝塚息吹といえば、庭の植え込みによく見かけるものですが、これほどまでに大きく成長している貝塚息吹をまちなかで見かけることはほとんどないと思います。
当時、弊社の設計スタッフは、オーナー様からの「この貝塚息吹を何かに活かしてほしい」という要望を受けて、このような提案をさせていただきました。おそらく、合理化・簡素化され、入社数年の若手プランナーでも簡単に線が引けてしまう現在の規格住宅の設計では発想できない、もしくは仮に思いついたとしても技術的にも実現には至らない建築でしょう。実際、らせん階段の強度を担保するには、踏み板がしっかりと奥まで差し込まれていることが条件となりますが、貝塚息吹は非常に硬く、大工泣かせの素材です。当時の棟梁はノミでひと穴ひと穴苦労して切り空けて組み上げた唯一無二のらせん階段。設計と棟梁の執念でつくり上げた苦心の作です。
また、小屋組みのベースには、築100年以上の古民家(土蔵)から欅(ケヤキ)の躯体を取り出しリビルドしています。壁は漆喰を使用し、和室の欄間も旧家で使われていたものを組み合わせつつ、全体のトーンが重くならないよう、バランスを整えています。
キノイエでも、一定のルールに基づいた設計原則で家づくりを行いますが、過去これまでに弊社が設計した住宅のバリエーションは無限といっていいほど、技術、デザインの両面で多くの経験を積んできました。その経験値があるからこそ、自信をもって皆様に提案できるキノイエのベースが成り立っています。同じ設計原則でもバックボーンの違いがあり、その差は数年、数十年後に見えてきます。
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