『ハウジングこまち2017冬春号』掲載
January 7, 2017
随分とご報告が遅くなってしまいましたが、『ハウジングこまち vol.23 2017冬・春号』に、キノイエの住まいの記事が掲載されました。
掲載されたのは、「新潟で建てた家77軒」中、「上越エリアで建てた家」として「平牛の家」が2ページ、そして、県内の工務店、建築事務所、ハウスメーカー全162社が紹介されている「パートナー企業ガイド」の中の1社としてキノイエの上越モデルハウス「塩屋新田の家」を中心に2ページ、合計4ページに渡り紹介されています。
「平牛の家」は、お施主様のY様のインタビューを中心に紹介。ご主人の趣味である「釣り」を第一に考えて設計された離れの趣味部屋や、キノイエを選ぶに至った背景について語る奥様のコメントなどが紹介されています。
また、企業紹介ページでは、「小さくつくって大きく暮らす」キノイエのコンセプトについて読者の皆様にわかりやすく解説。コンパクトでハイクオリティ、そしてコストバランスのいい家づくりの3つのポイント、世界最高レベルの省エネ住宅「パッシブハウス」を手がけたキノイエスタッフからのメッセージ、不定期に開催する「木の家マルシェ」をはじめとした情報発信の取り組み紹介など、コンテンツが凝縮された内容になっています。
記事掲載にあたり、平牛の家の取材に快くご協力いただきましたY様ご家族、そして、企業紹介ページでモデルとしてご協力いただきましたS様ご家族にこの場をお借りしましてあらためて深く感謝申し上げます。
『ハウジングこまち vol.23 2017冬・春号』は、昨年12月下旬に発売され、既に店頭に並んでいます。キノイエの記事は、P224~P225、P304~P305です。ご興味のある方は、ぜひお買い求めください。
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解説「パッシブハウス」その3(最終回)
December 22, 2016
3回シリーズでお贈りした「パッシブハウス」の解説も本日が最終回です。
さて、ようやく弊社が昨年、富山県黒部市で施工した「前沢パッシブハウス」の話をしたいと思います。
設計は日本におけるパッシブハウスの第一人者でもある森みわ氏(キーアーキテクツ代表)。森みわ氏は、日本国内でパッシブハウスの普及啓蒙を推進する団体「一般社団法人パッシブハウスジャパン」の代表理事も務められております。そして、この建物の発注者(=お施主様)はYKK不動産株式会社様。つまり、国内サッシの大手メーカーであるYKK AP株式会社をグループに持つYKK株式会社が関与する特別な思い入れのある建物です。そして、その陣頭指揮をとったのは、グループ連結売上高7,400億円超、社員数4万4,000名を超える巨大組織のトップである吉田会長ということからもこの建物には並々ならぬ思いが込められていることが想像できます。
YKK吉田会長と森みわ氏との雑誌対談での出会いから始まったこの「前沢パッシブハウス」プロジェクト、実はこの業界においてはとても革命的な出来事でした。これまで日本の住宅の窓性能は世界的にみて非常に遅れをとっているとされてきました。しかし、3.11東日本大震災を契機に、前述した国内のエネルギー事情に対する不安と省エネ機運の高まりも合わせ、YKK AP社は弱点であった窓性能の強化に全社をあげて取り組むことを決断。その努力の結晶として登場したのが、「APW430」シリーズと呼ばれる高性能樹脂窓でした。ファスナーに始まり、アルミサッシが主力製品であった巨大企業が次世代標準に選んだ窓が、熱伝導率を極力低下させた「樹脂窓」ということ自体が非常に革新的であり、吉田会長率いるYKKグループが本気で世界に通用する窓をつくろうとした情熱がひしひしと伝わってきます。
そして、現在YKKが本社所在地としている富山県黒部市に建設されたのが、この「前沢パッシブハウス」なのです。前々回のブログ記事「その1」でも触れましたように、パッシブハウスはその段違いの高性能基準により、国内にはまだ10数件程度しか施工実績がない建物です。その中にあって、「前沢パッシブハウス」はいくつかの点で国内においてエポックメイキング的な位置づけの建物として業界から注目を浴びており、これまでにも数多くの建築関係者がこの建物に視察に訪れ、業界誌や住宅会社のブログ記事としても取り上げられております。
その大きな特徴は以下の2点です。
その1
【国産サッシを使用した日本初のパッシブハウス認定】
実は、日本国内でこれまで認定を受けたパッシブハウスには全て、海外製品の高性能木製サッシ等が使用されていました。つまり、これまではあまりの性能ギャップにより、国産サッシでは認定が取れないという事実がありました。しかし、この前沢パッシブハウスでは、前段で触れたYKK AP社が自信をもって世に送り出した高性能樹脂サッシ「APW430」(トリプルガラス仕様)を採用することで、国産サッシとして日本初となるパッシブハウス認定を受けた建物になります。このニュースは、業界に大きな衝撃を与えました。
その2
【気候条件の厳しい北陸エリアでの初のパッシブハウス認定】
認定された性能数値は、熱損失係数(Q値)=0.86(W/㎡K)、外皮平均熱還流率(UA値)=0.19(W/㎡K)、暖房負荷=15kwh/㎡・年という値になります。現在、日本の次世代省エネ基準で示されている北陸地域の性能値は、外皮平均熱還流率(UA値)=0.87(W/㎡K)以下、北海道基準までレベルを上げても0.46(W/㎡K)以下とされていますので、その性能差は歴然です。専門的な数値になりますので分かりにくいかもしれませんが、感覚的な表現でいうと「化け物」レベルの性能値です(笑)。どれだけ凄い数値であるかということを言葉で表すのは難しいですが、外気が0℃以下の環境でも、建物内に入った瞬間、その人の体温だけで室内温度が上がると聞いたら、その意味が伝わるのではないかと思います。それだけ、現在の日本国内の「高気密高断熱住宅」という基準が、世界レベルで見た場合にあまりにも説得力が薄いという事実に気付いていただければ、それだけでも皆様にとって大きな収穫になるのではないかと思います。
そして、ここで力説したいのは、その設計数値を現実に施工で実現することは非常に至難の業であるという点です。本体の断熱仕様も通常の住宅の施工レベルとは比較にならない高度な技術を要求されます。壁はフェノールフォーム80mm+セルロースファイバー200mm(東西)/240mm(北)がメインで、天井はセルロースファイバー300mmと断熱材の厚みとその収まりは通常の住宅建設とは比較にならない複雑さ。その上で非常に高レベルでの精度を要求されます。今回、前沢パッシブハウスの隙間相当面積(C値)は0.1㎠/㎡でした。これは、40坪の家に換算するともはや切手1~2枚分程度の隙間、つまり、ほぼ「隙間なし」と呼べるレベルの施工精度です。私たちカネタ建設の技術力が問われるデリケートな部分でもありましたが、建築スタッフたちの努力により、見事に設計の要求レベルに応える建物として完成させることができたことで、YKK AP社をはじめとする関係者の皆様より非常に高い評価をいただくことができました。(このことが、現在YKK様よりK-TOWN二期工事にて社員寮6棟同時施工を任されるきっかけにもつながっていると思います)
YKK APが社のプライドをかけて挑んだ日本初オール国産サッシ使用、かつ気象条件の厳しい北陸エリア初のパッシブハウス認定という、前例のない住宅建設は、絶対に失敗が許されないという点で、同時に弊社の社運を賭ける案件でもありました。設計の森みわ氏曰く「まるで三輪車のメーカーが、いきなりF1の設計図を渡されて作ったみたいね(笑)」と表現。それだけに、このパッシブハウスの成功は、私たちにとって大きな転換点となりました。この建設に至る過程で、上越地域でいちばん最初に省エネ建築診断士の資格を4名同時に取得するなど、カネタ建設の建築スタッフは、温熱環境に関する知識レベルを飛躍的に向上させ、また前例のない高度な施工経験を通じて、地域の高性能エコ住宅を推進するトップランナーとしての確かな手応えを得ることができました。
この成功の裏には、多くの関係者の皆様の支援があります。吉田会長をはじめとするYKKグループの多くの関係者の皆様、森みわ代表、青山さんをはじめとするキーアーキテクツの皆様、そして、きっかけをつくっていただいたオーガニックスタジオ新潟の相模社長・・・他にもここではご紹介しきれないほどの素晴らしいご縁と、挑戦するチャンスを与えて下さった多くの関係者の皆様に、あらためてこの場をお借りして心から感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
3回に渡り解説してまいりしました「パッシブハウス」に関するブログ記事、最後までお読みいただきありがとうございました。これから住まいづくりを考える皆様にとって、少しでも知っておいて損をしない内容の情報をお伝えしたつもりですが、分かりにくい点もあったかもしれません。このブログでは、これからも、時々こうした住宅の性能知識や、住宅業界の真実の部分をお伝えすることで、皆様のお役に立てればと考えています。
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解説「パッシブハウス」その2
December 21, 2016
昨日の続きです。
昨日のブログでは、日本の住宅業界のZEH(ゼロエネルギー)基準の考え方と、電力事情が深刻化しているヨーロッパ諸国の「アクティブな設備に頼る前に、まずは建物性能(断熱・気密)を高いレベルに上げておく、つまり「パッシブ(受動)」を優先してゼロを達成しよう」という考え方の違いについて触れました。
しかし、現在、日本の電力事情も深刻化したヨーロッパ諸国と同じような未来へとまっしぐらに進んでいます。今や国内の全エネルギー消費量の約14%が家庭用。石油ショック前の1973年から2011年までの間に、2倍以上に増加しています。このまま家庭でのエアコン使用が抑制されずに電気消費量の拡大が続けば、化石燃料のほとんどを輸入に頼る日本国内のエネルギー事情に深刻な影響を与えることになります。近年、ようやく日本もその現状に危機感を持ち始めたところですが、商業主義に傾倒する住宅業界の取り組みの遅れ、様々な利権構造による業界変革の遅れ等により、一般の住宅購入者への認知が遅れ、先述のZEHの例のように、若干間違った理解が広がっているような状況下にあります。(日本のエネルギー事情と電気料金の未来については、以前のブログ記事「未来の支出増加リスクを抑えるために」をご参照ください)
つまり、住宅の選び方で、これからますます生涯コストの差が大きくなることはほぼ間違いなく、家の燃費「光熱水道費」の圧縮には、高い断熱気密性能をもった住宅を選択することが不可欠です。パッシブハウス・ジャパンのサイトには、このような説明があります。
‟家の燃費がよくないのに、いろんな設備を足してごまかす家が、増えています。
たとえば、一般的に「スマートハウス」といわれている家が、燃費が良いとは限りません。
断熱はそこそこに、設備でしのぐ。すこし極端ですが、「凍えるハダカに大量のホッカイロ」そんなイメージの家が増えています。
機能性の高いインナーを着れば、使い捨てホッカイロはいりません。家の中身をしっかりさせれば、快適は長持ちするのです。
設備は、いつか壊れてしまいますが、ちゃんと建てられた家は100年持つ。だからパッシブハウスは、”家そのもの”の性能にとことんこだわります。”
ZEH(ゼロエネルギー住宅)という一見万能に聞こえる言葉に惑わされず、また、その時代の高性能をうたう省エネ機器を選択する以前に、省エネ機器の運転効率を上げ、かつ導入台数を減らす元となる住まいの外皮性能を上げることを第一に考えなくてはいけません。
昨年、弊社が施工を担当させていただいた「前沢パッシブハウス」(富山県黒部市/発注者:YKK不動産株式会社様)は、その考えに基づき、ドイツパッシブハウス研究所の認定を受けて国内12例目のパッシブハウスとして昨年11月に竣工を迎えました。
続きは、明日のブログにて。いよいよ、この「前沢パッシブハウス」の性能の高さについて触れてみたいと思います。
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解説「パッシブハウス」その1
December 20, 2016
弊社が施工を担当させていただき、昨年11月に竣工を迎えた世界最高水準の省エネ性能、ドイツパッシブハウス研究所認定の「前沢パッシブハウス」(富山県黒部市/発注者:YKK不動産株式会社様)、度々こちらのブログやサイト上にてご紹介しておりますが、今回は、この「パッシブハウス」について、本日より3回に分けて少し詳しく触れてみたいと思います。
まず、「パッシブハウス」は一体何者か?ということから、なるべく丁寧にご説明したいと思います。
様々な住宅会社がこの「パッシブハウス」の言葉を使用しており、一部に間違った解釈の記述や、拡大解釈して使用されているケースも見受けられますが、正確には、ドイツの物理学者ウォルフガング・ファイスト博士が発案し、1991年にパッシブハウス研究所(ファイスト博士が創設)で確立された省エネ基準です。「年間の冷暖房負荷」(※1)「気密性能」(※2)「住宅全体の一次エネルギー消費量」(※3)の3つの項目で一定の基準(※4)を満たすと認定されます。
※1 冷暖房負荷
室内の快適な温湿度を保つため、冷房・暖房で必要とするエネルギー量。
※2 気密性能
密閉により、空気の流れや熱・水蒸気などの出入りを妨げる性能。
※3 一次エネルギー消費量
電気やガスなど、住宅で消費するエネルギーを作り出すために必要なエネルギー(石油・石炭)を熱量で表したもの。
※4 パッシブハウス基準
「冷暖房負荷が各15kWh/m2以下であること」「気密性能として50Paの加圧時の漏気回数が0.6回以下であること」「一次エネルギー消費量(家電も含む)が120kWh/m2以下であること」の3つをクリアすることで認定される。
・・・すぐに理解するのは難しいですね(笑)ということで、ここからは、もう少しかみ砕いた解説になります。
日本におけるパッシブハウスの第一人者でもある森みわ氏(キーアーキテクツ代表)が代表理事を務める一般社団法人パッシブハウス・ジャパンのウェブサイトでは、パッシブハウスを「厳しい燃費の基準を乗り越えた家のこと。断熱材や高性能な窓、熱ロスの少ない換気システムなどを駆使して、寒さや暑さをガマンしない、快適さを生み出す家。 自然の力を最大限利用し、少ないエネルギーで、快適な暮らし。日本の気候風土を利用した燃費の基準」と解説しています。この背景について、さらに丁寧に解説してみたいと思います。
現在、日本の住宅業界では、ZEH(ゼロエネルギー住宅)という言葉があたかも省エネ住宅の最終形のように宣伝されている風潮がありますが、この分野に関して実は日本は非常に遅れた後進国。日本のZEH基準は、エネルギーの取得や消費プロセスはあまり重視されず、太陽光発電などアクティブな機器を多用すればOKになるよう設定されています。若干乱暴な表現を借りると、家の価格を安く見せるため、家の性能を多少下げてもオプション機器の組み合わせで「ゼロにできますよ」、つまり「機械依存」「帳尻合わせ」のZEHでも構わないという状態を生み出しています。大手家電メーカーや特定機器を量産販売したいハウスメーカーにとっては非常に好条件の環境ともいえるでしょう。(ZEHの理解については、ブログ記事「本物のゼロ・エネルギー住宅はどれ?」をご参照ください。)
それに対して、ヨーロッパの住宅の省エネ化に関するスタンスは全く違います。その時代のアクティブな設備に頼る前に、まずは建物性能(断熱・気密)を高いレベルに上げておく、つまり「パッシブ(受動)」を優先してゼロを達成しようという考え方を基本に置いています。つまり、冷暖房機器や発電機を拡充する前に、家そのものがまとう衣を最高レベルに引き上げましょうという考えです。こうすることで、いかなる時代の変化や機器類の栄枯盛衰にも影響されることなく、家の省エネ性能を担保することができます。
※一般社団法人パッシブハウス・ジャパンより
その考え方の違いは、国レベルのエネルギー政策に対する危機意識の違いからきています。以前のブログ「世界一「燃費の悪い住宅」」でも触れている通り、国が義務とする住宅の省エネ基準レベルの違いが大きいと言われています。特にドイツを中心としたヨーロッパ諸国では、早い段階からエネルギー供給不足が深刻な問題になっており、エネルギー消費のウェイトが大きい住宅の断熱性能を上げることで、一次エネルギーの消費を抑えようと努力してきました。つまり、家庭での電力浪費は国としての大きな問題なのです。電気料金も日本の価格とは段違いの高さであることからも、その深刻さは私たちの想像をはるかに超えるものがあります。
【電気料金(家庭用)の国際比較】
※一般財団法人 電力中央研究所出典
かなり知識的な話が重なりましたので、ここで少し休憩です。続きは、明日のブログにて。
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ずらす間取り
December 16, 2016
少し専門的な話になりますが、キノイエの基本設計では、メーターモジュールを採用しています。
メーターモジュールとは、1mを基本寸法とする設計基準のことで、一般的な「尺モジュール」と比べて約90mm長くなります。そのため廊下や階段、浴室・洗面所、トイレなどのスペースが広くなる等のメリットがある半面、建物の面積が同じだとすると、廊下や浴室等のスペースが広くなる分だけ、居室の面積は狭くなる点や、和室のデザインが崩れやすい等のデメリットがあり、一長一短です。(他にも細かな要素がたくさんありますが、複雑になりますので、ここではあえて単純な話に置き換えています)
キノイエでは、空間設計の様々な利点や建築コストとのバランスを考えた結果、本体のベースユニットを6m×8mのメーターモジュールで基本構成しています。いちばんの利点は、室内に極力廊下を配置しない設計のため、反対に限られた面積の中で最大限居室を広く取ることが可能になっています。
また、最大のデメリットである「和室のデザインが崩れやすい」という点にも、ひと工夫を入れ、和室部分のみあえて尺モジュールを採用しました。これにより、リビングスペースと和室との間に微妙な「ずれ」が生まれます。この「ずれ」こそが空間に独特の間(あそび)を創り出します。同時にキッチンスペースとの間に人が通り抜けられるぎりぎりの隙間が生まれ、回遊性が実現するなど全てにプラスの相乗効果が生まれています。
小さくつくって大きく暮らす・・・設計手法の一つ「ずらす」を効果的に使うことで、たとえ本体サイズがコンパクトでも、空間の広がりは大きく変貌します。ほんのちょっとの発想の違いですが、家づくりのセンスが問われる非常に重要な部分であると考えます。
キノイエの設計手法には、この他にも様々な工夫を取り入れていますが、ちょっと複雑になりますので、また別の機会に少しずつ解説していきたいと思います。
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隠すデザイン
December 15, 2016
塩屋新田の家の2階、階段スペースの上には、キャットウォークのような木箱の装飾があります。
これには、ちゃんとした意味があります。
正解はこちら。実は、夏季稼働用のエアコンを隠す木箱になっています。
そして、エアコンスペース以上に奥に向かって木箱が伸びていますが、これにもちゃんとした意味があり、エアコンのダクトを横に逃がして、建物の正面に室外機を見せないようにするための工夫とデザインを兼ねています。
また、エアコンの位置がここにあることで、夏は2階と1階に効率よく冷気を回せる利点に加え、吹き抜け上に設置することで圧迫感を感じさせないという利点があります。
キノイエのデザインには細かい部分にも一つひとつ意味があり、無駄な足し算をしない設計を心がけています。今週末の12月17日(土)・18日(日)の2日間は、「本物の木の家の作り方 見学・相談会」と題して、キノイエの設計の魅力について余すところなく解説させていただきます。
ご興味がある方は、ぜひこの機会に足を運んでみませんか。
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会話する窓
December 10, 2016
「おはよう」
毎朝の何気ない会話は、こんな言葉からスタートする家族が多いことでしょう。1年は365日。10年間で3,000回以上(二人なら×2回、三人なら最大×6回、四人家族ならなんと最大×24回!)この言葉を交わすことになります。では、それはどんなシチュエーションで行われるのでしょう。
塩屋新田の家では、階段を下りてまず目に入るのが、この窓の向こうのキッチンの様子。毎日必ずお母さんの顔、そして料理する手元を目にしてからリビングにたどり着きます。
ちょっとしたことですが、設計で大切なことは、「○○部屋を○畳」という物理的な空間づくりではなく、何気ない日常にどのようなプラスの影響を与えるのか?という発想で一つひとつの空間を考えること。その一つが、日常会話であり、その会話がどのような場所で行われるのかを考えることです。
「コーヒー入れておいたよ」
「ありがとう」
そして、この窓と階段の間にはトイレスペースがあります。
「おなかの調子どう?」
こうした日常の何気ない会話一つひとつが、家族の思い出の風景を作り上げていきます。それだけに設計の果たす役割は非常に大きく、何をどう設計するのか、その考え方の違いが住宅会社、工務店の違いになっていると思います。
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商標登録その2
December 8, 2016
先日のブログ記事「商標登録」に続き、またまた商標登録のお知らせです。
今度は「小さな邸宅。」の表記が正式に商標登録されました。
「小さな邸宅」という言葉には、キノイエの核となる「コンパクトでハイクオリティ、かつコストバランスのいい住まい」というコンセプトを短い言葉で表現したコピーです。「邸宅」という言葉だけですと、なんとなく「大きな豪邸」をイメージしますが、そこに「小さな」という相反する表現を加えることで、上品ではありつつもどこか奥ゆかしさ、言葉にして「足るを知る」といったような品性を与えることができます。また、それがそのまま住まう人の暮らしぶりや人柄にまで想像が膨らんでもらえたら・・・という思いもありました。しかも、意外にもこの表現はこれまでどこにも使われていなかった組み合わせ。私たちはこの言葉を大切にしたいと考え、この度商標登録を申請いたしました。
実は、この商標申請、一度審査の段階で「一般的な表現」として受理されませんでしたが、上記のような私たちの思いを熱く説明させていただいたところ、この度の承認という結果を得ることができました。私たちの紡ぐ言葉一つひとつには家づくりに対する私たちの理念と強い思いがあります。そこに共感の輪が少しずつ広がっていくことを願いつつ、日々の仕事に打ち込んでまいりたいと思います。
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K-TOWN二期工事上棟式
December 5, 2016
ご縁をいただき、現在お隣の富山県黒部市にて建設中のYKK株式会社様発注によるK-TOWN第2期工事(YKK様単身寮第2期工事)の上棟式が本日行われました。
K-TOWNとは、黒部市の地域経済を支えるビッグ企業YKK株式会社様が手掛ける社員寮で、まさに黒部駅前の中心市街地が大きく様変わりをするまちづくり事業。高性能木造社員寮を建設する二期工事で、私たちカネタ建設は全14棟中最大数の6棟を担当します。この背景には、昨年施工させていただいた、国内12例目、北陸第1号のドイツ認定パッシブハウス「前沢パッシブハウス」の実績が評価されたことが非常に大きく影響していると思われます。あらためて、関係者の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
弊社の手掛ける6棟の施工場所は、あいの風とやま鉄道 黒部駅の本当に目の前!工区内には、カネタ建設をはじめ、富山県内の有力企業がほぼ同時に建設工事が進行中。本日は、各社が手掛ける1棟目の建物にて上棟式が執り行われ、YKK株式会社の役員幹部の皆様、並びに設計者のアプルデザインワークショップの担当者の方もそれぞれの上棟式をハシゴして回られておられました。
カネタ建設の上棟式は工区内では最後。法被を羽織っての伝統的な上棟式スタイルは弊社だけでした。
住宅の設計施工はもちろんですが、キノイエの技術的な進歩は、パッシブハウスの施工をはじめ、こうした様々な先駆的な事業に積極的に挑戦することにより培われていきます。若いスタッフの成長著しい会社としても各方面からご評価いただいており、こうした期待を糧にしてより高性能で快適な暮らしの実現に向けてさらなる研鑽を積んでまいりたいと思います。
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設計で差の出る「薪ストーブライフ」
December 3, 2016
本日は、カネタ建設のオンリーワン住宅完成見学会「とことん薪ストーブライフを楽しむ家。」の初日でした。
おかげさまで、朝から非常に大勢のお客様にご来場いただきました。しかも、「薪ストーブライフ」に非常に関心の高いお客様が多く、1時間以上じっくりと話を聞かれるお客様や、中には2時間以上という方も多数。
そして、薪ストーブ施工会社の担当さんもご家族連れでご来場され、これまでに施工を担当した薪ストーブのある住まいの中でも「いちばん理想的な設計」という評価をいただきました。
それにはいくつか理由があるそうです。まず家全体隅々への輻射熱の対流を考えた理想的な吹き抜けと天井勾配。加えて2階フリースペースの配置が洗濯物を乾かすのにベストな配置だということ。次に、TVボード、庭の借景、そして薪ストーブの炎が絶妙に視界に入る好配置。そして、実際の薪ストーブユーザーの作業性を考えた外の搬入経路と一次・二次ストックスペース、そして室内の三次ストック、土間スペースの取り方が素晴らしいということでした。
薪ストーブのプロから太鼓判をいただいた格好ですがそれもそのはず。実は、弊社の設計スタッフ自身が薪ストーブのヘビーユーザー。薪の調達から搬入、保管、仕分け作業、使用、メンテナンス・・・と、ユーザー目線でとことん考え抜いた上で提案されたのが、今回の住まいの設計でした。なお、家の断熱性・気密性レベルの違いで、同じ間取りの家でも一日当たりの薪の消費量が倍近く変わってくる場合もあるそうです。なので、薪ストーブを取り扱う専門家の方たちは、住宅会社の温熱性能のレベル差に敏感です。
また、本日ご来場いただいたお客様の中には、「これまで他の住宅会社でも薪ストーブの説明を聞いていたけれど、ここまで詳細に教えてくれた住宅会社は初めてです。」、「他の会社では商品も決まっていて、比較すらできなかったけど、こんなに用途に応じて種類が違うのですね。」等、非常に感心されておられた方もちらほら。家づくりは暮らしの考え方で様々な楽しみ方があるということに少しでも気づいてくれたのであれば、私たちもうれしい限りです。
ちなみに、今回採用された薪ストーブは、ベルギーのドブレ社製「ヴィンテージ50」。ドブレの薪ストーブは、“炎が主役”というコンセプトから生まれた、飾りのない大きなフロントウィンドウが特徴的です。特にこの、ヴィンテージは、とてもシンプルでスタイリッシュ。平面の大きなガラス越しに見える炎がとても美しく、いつまでも眺めていたくなる一品です。
弊社の設計スタッフには、薪ストーブユーザーがたくさんいます。薪ストーブライフにご興味を持たれた方は、ぜひ私たちにご相談ください。正直、自分の暮らし方に向いているのか分からないという方も大歓迎。薪ストーブのメリット・デメリットを丁寧にご説明させていただきますので、安心して検討できますよ。
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