歴史ある街並みだからこそ
April 14, 2021
先日、上越市内にて地鎮祭が行われました。
青空と満開の桜を見ながら、あらためて四季のある日本の良さに気付かされました。
これから着工となる「陀羅尼町の家」は城下町高田の歴史ある古き良き街並みの中に建てられます。
間口が狭く、奥行きが広い「町家造り」が残る城下町高田。雁木(がんぎ)と言われる家の前に出した庇(ひさし)が有名で、かつては日本海側の諸都市で見られましたが、明治以降は減少しました。
高田地区では、現在も雁木が数多く残っており、その長さは日本一と言われています。そんな歴史的町並みの中で地域の皆様に親しんでいただけるように、そして桜の美しさになじむように設計されたキノイエ。
オーナー様も桜の並木越に「完成すればこのようにこの桜の後ろに我が家が見えるんですね」と嬉しそうにお話していました。
この桜は高田城址公園と同じく、樹齢100年以上の見事な「ソメイヨシノ」です。歴史ある街並みだからこそ選ばれるキノイエ。
今から来年の春が楽しみです
動画の力
February 27, 2021
昨年秋以降、ずいぶんと投稿が滞ってしまいました。
こちらを楽しみにされていらっしゃった皆様には、この場をお借りしてお詫び申し上げます。これから少しずつ再開していきたいと思います。投稿のペースは緩やかになるかと思いますが、着実に皆様のお役に立てる内容、読んで心が暖かくなるような投稿を心がけたいと思います。
同時に、これからは、ブログという手段に加え、映像という手段でも少しずつ皆様にお伝えしていこうと思います。まずは今回手始めに、上越モデルハウス「塩屋新田の家」の紹介動画を自前で制作してみました。こちらはカネタ建設のYouTubeチャンネルで公開しています。見様見真似の撮影・編集ですが、文字と静止画ではお伝えしきれていなかったキノイエの心地よい暮らし方、その空気感を少しでも感じてもらえたらと思います。
カネタ建設のYouTubeチャンネルもこれから少しずつ更新していきます。よろしければ、こちらのチャンネルの登録、いいねをお願いいたします。
素材にフォーカスする
August 5, 2020
住宅のデザインは千差万別。そして日々進化を繰り返し、時間の経過と共にユーザーの目も養われ、全体的なレベルはひと昔前に比べて洗練されてきていると思います。
ところが、1棟1棟その住まいに使用されている素材一つひとつにフォーカスしてみると、それとは違った視点で捉えることができます。
そこには、何十年と変わらず愛される王道の素材もあれば、商業主義、マスマーケティングにより省略と置き換えが繰り返され、誤解を恐れず表現するならば、退化(無機質化)した素材も存在します。
まずは、手頃で上質な自然無垢の素材をいかに取り入れるか?あるいは模造品で済ませるか?という点では、その会社の考え方、フィロソフィが如実に表れます。
今や住宅会社のインテリア写真はどれでもお洒落で洗練されています。遠目に見てもそれほど大きな違いに気づく人はまだ少ないかもしれません。しかし、間近で見れば一目瞭然。疑似プリントされた合板と天然無垢の生きた素材の存在感は雲泥の差です。
また、その差は時間の経過と共にさらに広がります。時間の経過と共に、使い込むことで美しくなっていく素材と、作ったその日が最高の状態で、それから日々劣化していくことで価値を失っていく素材。「古びる」という言葉は「古美る」と置き換えます。住宅は何十年と使われる究極の道具。そうであるなら、古美ていく過程を通して、いっそう愛着が深まっていくような素材を、できることならなるべく地元上越・糸魚川地域の素材を迷わず選びたいものです。
キノイエの住まいでは、ぜひその価値の違いを存分に味わっていただくことができます。
糸魚川産杉で家具をつくる
July 24, 2020
私たちは時々、糸魚川産の杉材を使ってオリジナル家具を製作しています。
こちらは、糸魚川市内で新築された住まいに納品されたオリジナルチェア。100%糸魚川産の杉材を使用して製作しています。
明日から2日間開催するカネタ建設のオンライン限定見学会で紹介されるこのチェアは、地元の建具職人さんと一緒に考案し、糸魚川産杉を使って生み出されたカネタオリジナル。
杉の柔らかい特性を生かし、薄い杉材を貼り合わせてつくった棒状の集成材に曲げ加工を施し、つなぎ目のない美しい木目が生きるようにデザイン。また、身体に直に触れる面をあえて全て杉材にしてみました。
通常はこのようにつなぎ目が出る
テーブルも糸魚川産杉材で製作しています。地元の素材を積極的に取り込む豊かな暮らし、プライスレスです。
家具が主役ではなく、この住まいの主人が主役になれるような存在。時を重ねるごとに愛着が深まるようなエバーグリーンのデザイン。
オンライン見学会なので実際に手に触れたりできないのが残念です。
カネタ建設の見学会の情報はこちらまで↓
おうち時間の質(季節編)
July 20, 2020
「おうち時間」を考える第3回。今回は、「季節」との関わりで少し触れてみたいと思います。
突然ですが、みなさんのお住まいは、季節の移ろいに対し、「ひらいて」いますか?それとも「とじて」いますか?日本の四季の変化は、美しくも、時に厳しい自然環境の影響を住生活に与えます。私たちの住まいは、それに対し「性能の進化」で対応してきました。
性能の進化は、同時に外部環境との遮蔽や隔離を進めました。その結果、住まいはシェルターのように変わっていきました。私たちのような住宅の作り手の多くは設計上の性能「数値」の向上とコストパフォーマンスの追求の中で、いちばん合理的で効率的な方法を採用してきたのです。つまりは、建物はシンプルな箱型へ、そして窓は小さく、その数を減らすことで対応してきました。私たちの住むこの新潟県上越地域の住宅も例外ではありません。
そして、人が建物の合理性に合わせるように、また、核家族化、少子化など様々な社会環境の変化で暮らし方も少しずつ変化。まさに住宅のトレンドは、常に社会の縮図を具現化しているといえます。
ところが、今回のような急激な社会環境の変化で、私たちは「おうち時間」についてあらためて見つめ直す貴重な機会を得ました。これまで以上に家で過ごす時間が増えたとき、シェルターのように囲われたその住まいは本当に心地よい暮らしを提供してくれているでしょうか?
夏の厳しい蒸し暑さ、新潟の冬の寒さなど、厳しい環境に対し、私たちの住まいは「とじる」性能ばかりを追い求めてきたように思います。天気のよい日は窓を開放してソトの自然を思い切り取り込む。また雨風雪の日も窓の向こうの景色を楽しめるような視線配置など、ソトに「ひらく」家づくりが今あらためて求められていると思います。
雨の日も窓の向こうの景色が愛おしくなる住まい
秋の夜長に虫の声や微かな風の音を感じる住まい
白銀の世界に変わった玄関先や庭先で子どもたちのはしゃぐ声が聞こえる日常
この機会に、本来あるべき家づくりの本質について見つめ直してみませんか。
「頸城の家」(上越市)オーナー様ご提供
「西本町の家」(上越市)オーナー様提供
おうち時間の質(「仕事と私事」編)
July 17, 2020
今日は前回に続いて「おうち時間」を考える第2回。今回は、「仕事」と「私事」編です。
「在宅ワーク」「リモートワーク」という言葉が、少しずつ地方の私たちの暮らしの中にも入り込んできているように思います。都会のビジネスマンだけではなく、私たちの暮らすここ新潟県上越地域の多くの職場の中でも、密を避ける働き方、職場にこだわらない働き方、集まらない仕事スタイルといった考え方が浸透し、家と職場の境目が薄くなりつつあります。
そうなると、「家で仕事」という概念も、少し前の「持ち込み残業」というマイナスイメージから、出社を必要としない仕事は家でさっと片付けて、残り時間を自分のために有効に使うというポジティブな志向の働き方も増えてくる傾向にあります。また、「仕事」だけでなく、趣味やセカンドワークのような「私事」の時間に対してもよりフォーカスされる傾向にあると思います。
そこで問題は、家の中に「ワーク」に適した居場所があるかどうか?です。家に書斎コーナーを設けるケースも多々ありますが、実際はTVと食事と一体のダイニングテーブルの方が落ち着く場所になっていたりします(実は現在の私の仮住まいがそんな感じです(笑))。
また、実は「書斎スペース」をつくった多くの住まいで、その使われ方が必ずしも当初の目論見通りにはなっていないケースも多く、子どもの自学スペースに占領されたり、単なる書棚や生活雑貨置き場になっていたり・・・それは物理的な事情だけでなく、そもそもその場所と機能がワークに適した居心地のいい場所であったかどうか?ということも見逃せない点です。
よく設計段階で「独りっきりになれる空間」というワードが出てきます。確かに、オンライン会議の普及により「隔離」や「遮蔽」といった物理的ニーズが増えているのも事実。しかし、単に隔離部屋をつくるという発想だけでは、本当の答えにはたどり着きません。もしかするとその人によっては、独りになりたいのではなく、「頭を切り替えるスイッチがほしい」という動機もあれば、「子ども勉強の邪魔にならないようにしたい」、「奥様にリラックスタイムをあげたい」など動機は様々。また、実は「独りっきり」とは言いつつも、実は「つながっていたい」という裏腹なニーズも存在したりします。「書斎」「独り」というその言葉の奥にある、その人が真に求めていることの解を探すことがとても重要になります。私たちの設計ではその本当の「居場所」を見つけ出すために、初期の段階で、お施主様の一日の暮らしぶりをよくヒアリングしたり、必要に応じて観察させていただくことで、思いもかけなかったような居場所が、最適なワークスペースになることもあります。
冒頭にも触れましたが、ワークスペースは、「仕事」だけでなく、その延長線上に「私事」としても重要な居場所になります。よく仕事場と趣味の部屋は別と考えられがちですが、仕事も私事も、同じ感覚をもった一人の人間のアクション。したがって、その使われ方はとてもシームレスにつながっていくと考えるのが自然です。仕事をするにも、映画を見るにも、読書をするにも、うたた寝するにも、その人にとってその場所が快適な空間といえる一点をつくりあげることも私たちにとって大事な仕事になるのです。
おうち時間の質(家族編)
July 14, 2020
しばらくブログの更新が滞っておりました。楽しみにされていた皆様には、心よりお詫び申し上げます。仕切り直して、また少しずつ様々なコラムを綴っていきたいと思います。
さて、第二派とも呼べる連日の感染者数拡大の報道、私たちの地域での感染者報道なども合わせ、今や「withコロナ時代」という言葉はすっかり定着してきました。それに伴い、私たちのライフスタイルにも少しずつ変化の兆しが見られます。何より、今ほど「在宅生活」のあり方について考えさせられた時代はこれまでなかったのではないでしょうか。
そこで、今一度、「おうち時間」の質について、キノイエの住まいと暮らしのあり方から少し考えてみたいと思います。まずは「家族×おうち時間」について。
仕事、部活、塾など、外出の機会が減少し、家族一人ひとりの在宅時間が増えた時、あなたはどこで何をしていますか?そこにどんな「居場所」があるでしょうか?
キノイエの設計においてとても大切にしている考え方が、「家族とのちょうどよい距離感」です。窮屈でなく、そして、離れ過ぎないちょうどよい距離感。それは、ダイニングテーブルの直径や壁との距離といった物理的な感覚はもちろんのこと、視線の重なり具合や、どこに誰が座った時に居心地がよいか?という点についても、そこに住まうご家族お一人おひとりが主人公になるポイントを考えて設計しています。
「住まいの問診票」はそのための大事な最初のツール。家を建てるにあたって、実は「こう聞かれてみてはじめて家族でじっくり考えた」という項目も多いのです。「○○部屋を○帖ほしい」という顕在的なニーズの奥にある、ご家族それぞれの暮らし方を掘り下げていく形で質問は続いていきます。私たちはその中に、お一人おひとりの「ほしい暮らし方」「距離感」「時間」などを見つけていきます。そして、その効果は、住みはじめてから徐々に実感として湧いてきます。
それが、コロナ禍の今、より謙虚に表れているように思います。
また、住まいのもつ基本的な衣食住の機能以上に、様々な楽しみ方を見出すご家族が増えていますが、その+αの楽しみを叶える空間設計になっている住まいは必ずしも多いとは限りません。なぜなら、これまでの経済合理性重視の考え方によってつくられた住宅業界のマーケティングに導かれ、多くのユーザーが、「家はこれでいい」「余計なモノはいらない」という視点で家を「買う」という選択をしてきたからです。画一的な価値観で省かれたその「余計なモノ」の中に、顕在化していなかったご家族それぞれの暮らしの楽しみ方が隠れていたりするのです。
こちらは、キノイエでの「おうちキャンプ」。今年の5月の連休は各家庭がこぞって、おうちバーベキューなどを楽しんだことと思いますが、こうしたおうちキャンプ、おうちバーベキューのような半アウトドアライフ、やってみると似合うおうちとそうでないおうちの歴然とした違いがよく分かります。
みなさんのおうち時間、とりわけご家族との時間はどのように質を高めることができたでしょうか?一番大切なのは、もちろんお互いに対する尊敬と愛情。ですが、住まいもそこに大きな一役を担っているのです。
地元の森を育てつなぐ
June 7, 2020
今までずっと経済成長優先で突き進んできた日本。しかし、この度の新型コロナウィルス感染症の拡大と都市機能の停止により、社会を取り巻く価値観は大きく変化をし始めました。特に、東京を中心とした都市部一辺倒の考え方に疑問を感じ、自然と共存する地方の人間らしい暮らしに豊さを求める人が少しずつ増えているようにも感じます。
あらためて、私たちの暮らす上越地域の魅力、私たちはどれだけ気付いているでしょうか? 以前のブログ記事でも書きましたが、日本は先進国の中でフィンランドに次いで2番目の森林保有面積をもつ森林大国。中でも私たちカネタ建設の本社が所在する糸魚川市は新潟県の中でも随一の森林保有自治体。大半が建築資材として非常によく使われる杉の宝庫です。
ところが、現在、その建築資材の大半には値段の安い県外産が使われており、地元の林業、製材業を含め多くの産業の成長が進まず、地域外への大量のキャッシュアウト(お金の流出)を生んでいるという現実があります(これには私たち地元企業にも責任の一端があります)。また、森林の間伐が正しく行われないことによる土砂災害のリスクや、山から流れる豊富なミネラル分が減少することにより海産物資源にも影響を及ぼしています。これを防ぐには、地元で育った森林から適切に木材を流通させ、間伐を進めることにカギがあります。つまり「森を守る=地域経済を守る」ことに繋がるのです。
そこで、私たちはこれから長い年月をかけて、少しずつ住宅の地材地建を進めていこうと考えています。地元の森で育った地元を木材を使って地元の職人たちと共に家を建て、子どもたちの世代に繋いでいく。子どもたちが田植え体験で、農家さんへの感謝やお米の美味しさを理解するのと同じように、林業や製材業、そして建設業が地域の人々の暮らしを安心安全、そして経済循環の面からも支える尊い仕事であるということを多くの子どもたちに伝えていく・・・こうしたことも私たちの使命だと考えています。
写真は、弊社が保有する糸魚川市内の山林の一部。実はこれまで手付かずでした。こうした森をしっかりと整備し、糸魚川の自然と暮らしの豊さを直に感じられるような流れを作っていきたいと思います。
10年20年スパンの壮大な夢でもありますが、着実に一歩ずつ実現に近づけていこうと思います。
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「地域循環を考える」
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南寺町の家 施工写真UPしました
May 6, 2020
建築事例(キノイエの手仕事)に 南寺町の家 を追加しました。
ベースとゲヤのバランス、シンプルかつ普遍的な外観、キノイエが求める「何十年経っても飽きのこない美しさ」を素直に体現。地元糸魚川産杉の使用率をこれまで以上に高め、「地元由来の美しい家」を追求したのがこの南寺町の家です。
リビングはコンパクトなのに、これほど広がりを感じるのは、南面の三枚引き戸の向こうに長く伸びたウッドデッキのおかげ。ソトとナカをシームレスにつなぐこの連続性が居室空間以上の広がりを生みます。
2階の空間は、天井から床、造作家具に至るまで、とことんまで糸魚川産の杉材にこだわってみました。糸魚川産の杉は黒心が多く含まれており、それが美しくないと思い込む方も多いのですが、実は張り合わせのパターンによってはとても美しいテクスチャが生まれます。フローリングはその黒心がアクセントになっています。
また、何といってもこの空間全体に広がる木の香りがとても気持ちいいのです。写真ではお伝えできないのが残念です。
「南寺町の家」の施工写真はこちらをどうぞ
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初めて経験する連休
May 3, 2020
「おうち時間」を楽しもう。
人生でずっと記憶に残る特別な連休。家族との時間、暮らし方、住まいのあり方、居心地、快適さについて見つめ直す絶好の機会。
そこで、YouTubeにこれまで建てられたキノイエの住まいを1本のムービーに収めました。
地元の職人の手で地元の材料を使って自分たちらしい暮らしを建てることを当たり前だと思える、そんな世の中になってくれたらと思います。
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