明日から開催「雪国の冬 足元から暖かい暮らし」見学会
January 7, 2022
明日から開催となるキノイエ「塩屋新田の家」の足元から暖かい暮らし見学会。
おかげさまでたくさんのお客様からお問合せをいただいております。
ブログにて度々紹介させていただいている塩屋新田の家ですが、
kinoie 第一号のモデルハウスです。
他にはない、何十年経っても飽きのこないエバーグリーンなデザインと
糸魚川産の杉材をはじめ天然無垢の素材を程よく使ったサスティナブルな住宅。
今回はキノイエのエアコン一台で暮らせる高い気密性と断熱性を体感できる見学会です。
雪国新潟の寒い冬でも素足で過ごしたくなる家。
自然素材をふんだんに使ったこだわりの設計は、健康面に配慮され人生を豊かにします。
今の時期にしか体感できない雪国の暖かい暮らしを是非ご覧ください。
見学会のご予約はこちらから 足元から暖かい暮らし見学会
軒下の空間
October 28, 2021
私たちが暮らす新潟県上越地区は言わずと知れた雪国です。
豪雪地の暮らしに順応する先人の知恵、雁木や軒下空間は、古くからこの地域の風景の象徴でした。
軒の出は、夏冬の日の入り方を調整したり風雪から外壁を守ったりと住宅設計の基本に関わる重要な要素なのですが、
最近では軒を出さない住宅も増えてきました。
キノイエでは、住宅の性能を最大限に引き出すパッシブデザインを意識し、軒の出を重視していますが、軒下空間がつくる「ソトとナカを柔らかくつなぐ」という視覚的な要素も設計の根拠として大切にしています。
軒の出を深くすると、軒裏に溜まりができ、何とも言えない心地よい空間が生まれます。
近年建てられる多くの住宅は、外の自然環境に対して閉鎖的になる傾向がとても強いです。
だからこそ、ソトとナカをつなぐクッションのような役割をもつ軒下空間を体感してみませんか?
まずは実際にキノイエで暮らすオーナーズボイスから。
城下町高田 ~ kinoie陀羅尼町の家~
September 13, 2021
今回は、「陀羅尼町の家」のある城下町高田の暮らしについてお話してみたいと思います。
上越市高田を調べてみるとまず上がってくるキーワードが高田城址公園の桜、そして「町家」と「雁木」が出てきます。
私(スタッフN)も上越出身ですが、実家は町家ではなかった為この仕事に携わるまで町家とはどのような家なのか知りませんでした。
町家とは、間口が狭く奥行きの長い家のつくりをいい、狭い土地により多くの町民が住むためと間口の幅で税が決まった事から造られるようになったと言われています。
町屋の特徴の一つ「通り庭」
上越地域には高田と直江津地域それぞれに町家の並ぶエリアがあります。その一帯に現存する古い建物のほとんどは昭和中期から明治期に建てられたものですが、中には江戸時代後期に建てられた町家も残されています。
旧今井染物屋:江戸時代末期の建物。上越市内に現存する町家の中でも最も古く最大級の町家
この町家のもう一つの特徴が「雁木」です。
江戸時代、「この下に高田あり」と高札がたてられたほど豪雪地帯だった高田では、冬季間でも人の往来ができるよう、家の前に張り出した庇である雁木が作られました。
雁木通りは最盛期には17.9キロにも及んだと言われ、現在は駅前や商店街のアーケードなども含め16キロ程の雁木が現存し、日本一の長さを誇っています。
雁木は母屋の一部であり、雁木の下は私有地なので、庇の高さや下の舗装も一軒一軒異なります。
大雪の時ばかりでなく、雨風や夏の日差ししのぎ安全な通学路としても活躍しています。
こんな町家の良さを「かたち」だけではなく、「暮らし方そのものの知恵と工夫」、人として普遍的な「居心地のよさ」を現代の暮らし方に上手に変換してあげること、それがキノイエの目指す家づくりの理想です。
キノイエは現代町家ともいい、雪国の暮らしに根付いた土間のある空間や、雁木を思わせる軒下空間。
陀羅尼町の家はそんな城下町高田に新しく建てられた歴史を感じさせる家になりました。
kinoie「陀羅尼町(だらにまち)の家」近日公開
August 10, 2021
満開の桜の下、工事が始まったキノイエ「陀羅尼町(だらにまち)の家」が間もなく完成を迎えます。
上越市高田の古き良き街並み【雁木(がんぎ)】と歴史ある風景に溶け込む現代町家。
足場が外れ見えてきたその顔は、まさに街の中にありながら、限りなく自然との調和を楽しみ、暮らしの豊かさを存分に味わう事のできる家。
これほどまでに周囲の景色に馴染むのかと、あらためて感じました。
今回のキノイエは1階に生活空間をまとめた平屋風の建物。
桜の借景と城下町高田に馴染む住まいです。
家のソトとナカ、まちと家の風景をつなぐ設計はゆるやかで居心地のよい暮らしの場がたくさん用意されています。
キノイエ「陀羅尼町(だらにまち)の家」の完成見学会は9月25日(土)・26日(日)、10月2日(土)・3日(日)の4日間開催予定となります。
内部の写真や見どころ等の詳細は近日公開いたします。
見学会まで待てない!早くキノイエを知りたい!!という方は以下の動画をご覧ください。
木陰を楽しむアプローチ、大谷石の開放的な土間玄関、ソトとナカをつなぐでウッドデッキなど、キノイエのアイデンティティが随所にちりばめられた西本町の家。コンパクトでありながら、広がりを感じる視界設計、パブリックとプライベートを“つかず離れず”絶妙につなげた生活動線など、見どころいっぱいの住まいです。
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建設地:新潟県上越市西本町地内
設計・施工:株式会社カネタ建設
竣工 2018年
UA値 0.45 W/㎡K
HEAT20 G1 (5地域)
C値 0.4㎠/㎡
耐震等級 2
認定長期優良住宅
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動画の力
February 27, 2021
昨年秋以降、ずいぶんと投稿が滞ってしまいました。
こちらを楽しみにされていらっしゃった皆様には、この場をお借りしてお詫び申し上げます。これから少しずつ再開していきたいと思います。投稿のペースは緩やかになるかと思いますが、着実に皆様のお役に立てる内容、読んで心が暖かくなるような投稿を心がけたいと思います。
同時に、これからは、ブログという手段に加え、映像という手段でも少しずつ皆様にお伝えしていこうと思います。まずは今回手始めに、上越モデルハウス「塩屋新田の家」の紹介動画を自前で制作してみました。こちらはカネタ建設のYouTubeチャンネルで公開しています。見様見真似の撮影・編集ですが、文字と静止画ではお伝えしきれていなかったキノイエの心地よい暮らし方、その空気感を少しでも感じてもらえたらと思います。
カネタ建設のYouTubeチャンネルもこれから少しずつ更新していきます。よろしければ、こちらのチャンネルの登録、いいねをお願いいたします。
米山を望む家
April 7, 2019
キノイエでは、現在上越市内、糸魚川市内で数件同時進行でプランが計画中ですが、本日はそのうちの一つ「米山を望む家(仮称)」についてご紹介したいと思います。
下の写真は、計画地から見える風景です。
ご覧の通り、この住まいは、四季折々の米山の表情と、眼前の桜堤、そして眼下に広がる水田の稲穂の成長を楽しむことができる最高のロケーションに建設予定。お施主様と私たちとの間で交わされたミッションは、「住まいがこの風景に溶け込む」ことです。けっして建物だけが主張するのではなく、この地元の素晴らしい風景と共生し、自然体で暮らせることが、この住まい計画の大きなミッションなのです。
そこで、プランにあたり、キノイエの設計アドバイザーであり、現代町家の提唱者である建築家の趙海光(ちょう・うみひこ)先生にもご協力いただき、弊社の建築スタッフと共にこの米山の風景をいかに取り込んでいくのかを細かくキャッチボール。その結果、道路に面した母屋と、米山を望む下屋部分を分け、建物を45度に振るという現代町家の手法を取り入れることになりました。
現代町家の手法「振る」の例
斜めに振った建物の外観イメージも非常に美しいです。
お施主様の大切なプランですので、今はまだチラ見せ程度に・・・大変申し訳ありませんが、プランが決定し、正式に着工が確定しましたら、あらためてこちらでご紹介したいと思いますので、今しばらくお待ちください。
どうぞお楽しみに。
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家づくりで町かどの風景を変える
July 13, 2018
建築家の趙 海光(ちょう うみひこ)先生の執筆による『「現代町家」という方法 ~ 家づくりで町かどの風景を変える』と題した著書が発刊されました。
「一軒の家から町の家へ・・・町の風景をつくっているのは建物自体よりも家と家の間を埋めている空地の方なのでしょう。その空地に向かってどんなふうに暮らしを開くかが、住宅の佇まいを決めており、それが集まった姿がまちの風景になります。」・・・そう語る趙海光先生は、私たちキノイエの外部設計アドバイザーとしても協力いただいている現代町家の提唱者。この本は、単なる住宅設計・デザインの指南書ではなく、街なかの「まちづくり」と、田園居住の二つの路線を進める上で、どちらにも通用する高いメッセージ性を持っている素晴らしい本に仕上がっています。
そして、実は、この書籍の随所に、私たちキノイエの作品写真が事例として採用されています。
No.16 厚板
No.19 箱パントリー
No.20 Mソファー
そして、後半の章には、「現代町家で町かどをつくる」と題し、趙先生が各地で工務店と共に取り組まれてきたプロジェクトの紹介があるのですが、その中に、なんと私たちカネタ建設との取り組み事例も紹介されています。
タイトルは「路地型の町かどづくり」。平成28年12月に発災した大火後の糸魚川駅北中心部の町かど再生を考えようと、趙海光先生と私たちで試行錯誤した一部を紹介しています。2軒の住宅で今後のまちなかの顔となる町かどのモデルを先行して建ててみてはどうか?ということで取り組んだ事例です。
この取り組みは、まだ実現に至っていませんが、今後この地域の町かどの在り方、賑わいを考える上で非常に試金石となるプロジェクト。いつかチャンスがあれば、この考え方をベースに具現化できればと考えています。もしご興味がある方がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちにご相談ください。
※趙海光先生に関する過去のブログ記事
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第二のリビングとしての「土間」
March 25, 2018
昭和から平成へ。大家族から核家族へ。二間続きの和室で法事や親戚家族の集まりをするというシーンが減っていったように、日本人の暮らし、そして家の機能はパブリック重視からプライベート重視へと急激に変化を遂げました。
パブリックを重視した日本の家の象徴の一つに、土間玄関があります。履き物を脱がずに誰もが気軽に入れる場所、家というプライベートな空間の中にあるパブリックな場所、緩やかにソトとナカをつなぐ場所。作業場としての生活空間でもあり物々交換を伴う接客の場でもあった日本特有の交流スペース、昔の日本の家には土間のある暮らしが当たり前でした。
現代の家でつくられる玄関は、間取りの関係から最小限に省略されています。それでも、近隣の方の突然の訪問、夫婦のご両親やご親戚の訪問など、こと「中に上がってもらうまでもない」用事では、この狭く省略された空間でのコミュニケーションが重要になります。寒い日、暑い日は玄関ドアを開けっぱなしにすることもできません。閉めてホールに入ってもらうと今度はお互いの距離がやや近過ぎる・・・なんてことも。狭い密閉空間でのコミュニケーション、相手も気を使って、会話も手短になる・・・迎え入れたこちらもなんとなく「追い払った」ような罪悪感を感じてしまう・・・なんて経験をされた方も少なくないことでしょう。外来客と接触する重要な交差点の玄関。昔の人々の関係性に比べれば致し方ない面もありますが、プライベートの性格を強めた現代の家で、限りなく省略に次ぐ省略を重ねたことで、そのコミュニケーションのあり方までをも変貌させてしまったように思います。
そこで、キノイエでは、このスペースを現代の暮らしに生かす設計を大切にしています。
ポイントは、玄関を限りなく居室としてナカに取り込むこと。玄関土間をうまく活用した設計により、第二のリビングとして驚くほど活躍する空間に生まれ変わることができます。久しぶりに用事があって訪ねてくれた友人、届け物をしてくれた義理のご両親など・・・5分、10分で済む用事でもそのわずかな時間こそがとても大切なコミュニケーションの時間。リビングにつながる広い土間の椅子に腰を掛けてもらい、台所でお返しの品を用意しながら世間話に花を咲かせる・・・そんな緩やかなつながりこそが現代の私たちの暮らしには必要なのではないでしょうか。
もちろん、玄関を開けた来客の目にいきなり生活の場が飛び込んできたのでは、お客様も住まう人も落ち着けません。宅配便やセールスの訪問など、本当に玄関先で応対するだけで十分のケースもあります。そのあたりのこともふまえ、キノイエでは仕切り建具や視線の緩衝壁を設けるなど、空間を上手に仕切る工夫もなされています。必要に応じて、開けるときは開ける、閉めるときは閉める。このメリハリが現代の暮らしには必要です。
プランニングに必要なことは、家として必要な部屋数や畳数だけでは測れない、人と人との距離感や暮らし向きといった心理作用にも目を向けていくことにあります。かつての日本人の暮らしには、多くのヒントが詰まっています。
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「大和の家」撮影
November 1, 2017
本日は、「大和の家」竣工前の1回目の撮影を行いました。外構その他、まだ若干工事が残っていますので、今回は特に内部を中心に主要な部分を撮影しました。
リビングは吹き抜けのある開放的な空間。さらに、広く取った玄関土間とリビングダイニングスペースの一体感が他にはないキノイエ独特の「間」を形成しています。
TVボードや靴箱、ベンチソファをはじめ、今回は様々なアイテムをオリジナルで製作しました。自然素材の造作家具を目で楽しむ、手に取る感触を楽しむ、使い勝手の妙味を楽しむ・・・設計担当の粋なデザインが随所に光ります。
玄関アプローチは雁木を通って・・・毎日の「いってきます」「ただいま」を特別な時間に変える魔法の空間です。
お施主様のたっての希望で、二階フリースペースにはお気に入りのハンモックを。ここで読書やお昼寝を楽しむ時間は、まさにプライスレスの価値!
少しコンパクトなダイニングテーブル。これがまたご夫婦にとっての「ちょうどいい」距離。
外構はあともう少し。ソトとナカをつなぐ設計のおもしろさをぜひこの住まいで確認していただけたらと思っています。
完成見学会は、11月11日(土)~11月30日(木)までの20日間、毎日開催します。詳しくはこちらまで。
民藝運動家がつくった「用の美」の家
September 6, 2017
先日の京都探訪の続きです。
京都の建物探訪といえば、数多くの有名建築家の作品や、国宝でもあり世界最長の木造古建築といわれる蓮華王院の三十三間堂を始め、多くの歴史的な寺社仏閣が連想されますが、今回ご紹介するのは、「河井寛次郎(かわいかんじろう)記念館」です。一般にはそれほど有名ではないかもしれませんが、建築関係者にとっては、学ぶべき要素が満載の建築作品ということで、ご紹介をいただき、足を運んでみました。
この建物は、民藝運動の父と呼ばれた柳宗悦(やなぎ むねよし)氏と共に民藝運動に深くかかわった陶芸家の河井寛次郎氏の居宅兼工房として、寛次郎氏自身の設計により建築されたと伝えられています。大工棟梁は、兄の河井善左衛門。
住宅街の中にひっそりと佇むこの建物は、内観は重工で骨太な古民家。外観は寄棟造妻入り。船枻(せがい)造り、または出桁(でげた)造りとも呼ぶ、柱の上部から腕木を出して支える棚をもつ民家の手法で造られています。千本格子や矢来など、京都の町家の意匠を取り入れ、囲炉裏付の板敷広間の空間構成や古色仕上げの材、漆塗りの建具などに独自の住宅観や美意識が感じられる点が特徴とされています。
私たちが特に注目したのは、暮らしと仕事が両立できるよう、敷地全体をデザインしている点。
河井寛次郎氏のデスク。二階から中庭を臨むいちばん眺めのよい場所。奥にある登り窯の様子も伺うことができます。一階にいる客人の声を聴きながらもその視界には入らない絶妙な位置。
住まいの奥には大きな登り窯があり、創作活動に没頭した河井寛次郎の息づかいを今でも感じさせる建物です。美しさと実用性を兼ね備え、さらに訪れた客人を喜ばせるための様々な視覚的な工夫が散りばめられた魅力的な住まい。まさに「用の美」を自邸で見事に表現したともいえるのではないかと思います。
ソトとナカを結ぶ空間美学、パブリックとプライベートを巧みに配置した設計力は、河井寛次郎氏を単に優れた陶芸家と括ってしまうにはあまりにも勿体ないと思ってしまいます。
ご興味のある方は、ぜひこの記念館に足を運んでみてはいかがでしょう?
河井寛次郎記念館
京都市東山区五条坂鐘鋳町569
075-561-3585
www.kanjiro.jp/
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