建築家 趙海光先生からの応援メッセージ その2
September 7, 2016
キノイエの企画・設計・監修を担当していただいた建築家の趙海光(ちょう・うみひこ)先生から、素敵な応援メッセージの第2弾が届きました!現代町家の考え方を提唱し、全国の建築関係者から注目されているその道のエキスパートでもある趙先生が、私たちのために特別に寄稿していただきました。
趙海光(ちょう うみひこ)先生
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【その2 キノイエの職人さんたち】
みなさんこんにちは。残暑にあえぐ東京目黒から、二回目の応援メッセージを送ります。
前回は我が家のリフォームの話でしたが、こんどはキノイエの現場で出会った職人さんたちの話。とっても魅力的な人たちでした。ただし、実際にお顔を拝見したのは大工さんだけなんですけどね。なのにどうして魅力的だって分かるのか?
うん、そこが私たちの仕事の面白いところです。
図面を描くとそれが現場で実物になるって、当たり前みたいだけど本当は凄いドラマだって思いません?
実物ができるのは図面があるから、では図面にはいったい何が描いてあるのか。
形?寸法?素材?色?どれも大事ですけど、でもいちばん大事な情報は「どうつくって欲しいか」というメッセージなんです。
もちろん言葉でそう書くわけじゃなくて、あくまでもこれは寸法や素材を通しての密かなメッセージなんですけどね。このメッセージがうまく伝わるかどうかが図面を描く人間の腕の見せ所。たとえばキノイエの障子の図面に、私は桟の幅15ミリと描きました。図面を受け取った建具屋さんはきっと疑問を持ったはずです。———ふつうの障子は外枠と中桟の寸法が違うはずなんだけど、なんでこの図面はどこもみな15ミリなんだろう?
このとき建具屋さんに、「あーあ、このヒト(図面を描いたヒト)現場を知らないな」と思われたらアウトです。そう思われないために、図面を描く人間は寸法や形にメッセージをこめる。この障子の場合、図面に描かれた全体の形を見たとたんに建具屋さんの疑問は解消されたはずです(きっと)。「ああ、なるほど、そういうことか、ヨシムラ式ね。」
前にもこのキノイエブログのどこかで触れられていましたが、この障子はかの建築界のレジェンド「吉村障子」の変形バージョンなのです。
そのむかし吉村順三という昭和の大建築家がいて珠玉の住宅をつくりました。彼が編み出したのが升目の大きな荒間格子の障子です。で、その最大の工夫は中桟と縦框の幅を同じにしたところ。こうすると二枚の引き違い障子が、離れてみるとただの一枚障子に見えるんですね。
ところで正統の「吉村障子」は碁盤の目格子なのに、私の設計は縦格子で横桟は一本だけ。きっと職人さんは苦労したと思うのですが、その出来映えはなんとも見事なものでした。現場で完成した姿を見てちょっと感動。嬉しかった。
さてこんな話をしたのは、じつは心配だからです。———やがて職人さんとこんなふうに図面で語り合うみたいなつくり方はできなくなるんじゃないか。
いまはなんでも既製品の時代で、図面を介して職人さんと対話しながら手づくりするチャンスはどんどん減っています。当然のように職人さんも減ってますから、そのうち図面を描いてもそれを実物にするヒトがいない、なんてことになりそう。そうなると私も失業しちゃうわけで、うーん、これはピンチ。
でもね、こういう場合は明るくいったほうがいい。嘆いたって始まらないんです。嘆くよりは、どうやったらいまの既製品全盛の時代に職人さんの腕を活かせるかを考えるべきなんですよね。
というわけで、キノイエ設計チームではこう考えました。つまり、全部を手づくりにしようなんて思わない。既製品が活かせるところは既製品でOK。ただしいまでも手づくりのほうがリーズナブルなところだってあるのだから、その部分をなるべく増やそう。
そこで私が思い出したのはあるグループのことでした。
東京に「わざわ座」というのがあります。「わざわざ、やろうよ」を合い言葉にした職人、デザイナー、工務店の集まりです。彼らが考えたのは「職人が手仕事でつくる道具を、デザイナーが計画して、工務店が四方良しの価格で住み手に手渡す」というやり方。つまり「手仕事を活かすためのネットワーク」なんですね。
「四方良しの価格で」なんて、泣かせるじゃありませんか。大工さんに頼んでテーブルやキッチンを手づくりしてもらう、なんてことはこれまでにもよくありましたが、ここではそれをもっと組織的に計画的にやろうというわけです。
これをお手本にキノイエでも、障子に限らず他のところにもできるだけ手づくりのパーツを増やそうとみんなで知恵を絞りました。キノイエに置かれているソファー、テレビボード、パントリーなんかはそんな考え方から生まれたものです。
これらはみんなキノイエの大工さんが、新潟産の厚板を素材にして型紙(図面)からつくってくれました。型紙は保存されていますから、お望みならこれをお読みの皆さんにも同じものをお分けできます。(値段はたぶん家具屋で買うよりも安いはず。)
IKEAで量産品を買うのもよいですけれど、チャンスがあったらキノイエネットワークがつくる新潟産厚板クラフトワークの品々を使ってみませんか。そうすると地場の製材所や職人さんにもお金が回って、ちょっとだけみんなの暮らしが良くなります。
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趙先生、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(キノイエ スタッフ一同)
趙 海光 ちょう うみひこ (一級建築士)
1972年法政大学工学部建築学科卒業。1980年(株)ぷらん・にじゅういち設立。
1990年代に台形集成材を使用した一連の木造住宅「台形集成材の家」を設計。
2000年代に「フツーの木の家」シリーズ。
2007年以降は町の工務店ネットと共同で「現代町家」シリーズに取り組む。
一貫して国産材を使用した現代型の木造住宅を設計するとともに、『住宅建築』誌を中心に木造住宅についての論考を多く発表し、国産材の開発と普及に努めている。
編著書に『高山建築学校伝説』鹿島出版会。
また『新建築住宅特集』に「在来工法ファイル」を連載(2004~2005年)
受賞歴
2011年 「びおハウス」により、チームおひさまのメンバーとしてグッドデザイン賞。
2009年 「博多・現代町家」により、町の工務店ネット、長崎材木店とともにグッドデザイン賞。
|上越・妙高・糸魚川で最高の地元ライフ|自然素材の注文住宅|木の家をつくる工務店|小さな邸宅|キノイエ|www.kinoie-niigata.com|0120-470-456|
建築家 趙海光先生からの応援メッセージ その1
August 20, 2016
キノイエの企画・設計・監修を担当していただいた建築家の趙海光(ちょう・うみひこ)先生から、先日こんな素敵な応援メッセージが届きました!現代町家の考え方を提唱し、全国の建築関係者から注目されているその道のエキスパートでもある趙先生が、私たちのために特別に寄稿していただきました。しかも「その1」とあります。この続きもありそうなので、とても楽しみです。まずは、「その1」をどうぞ。
趙海光(ちょう・うみひこ)先生
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【その1 厚板で我が家をリフォームした話】
皆さんこんにちは。キノイエ応援団の趙海光(ちょう・うみひこ)です。じつは縁あってキノイエの企画と設計に参加しました。ですから私はキノイエ設計チームのチームメイトでもありますし、応援団でもあります。
カネタ建設の設計部のみなさんをお手伝いして、一緒にキノイエモデルを考えた日々はまことに楽しかったのですが、ついにモデルハウスもオープンしたことですし、こんどは遠くから(私は東京の目黒に住んでいるのです)キノイエ応援メッセージを送ることにします。今日はその第一回目で「我が家のリフォーム」のお話。
え?キノイエと関係ないじゃないかって?いやいやそれがあるんですよ。
私は木造住宅を設計することが多いのですけれど、でも自分が住んでいるのはコンクリートマンションなんですね。なんかこう、忸怩たるものがありました。そこで、せめてもの罪滅ぼしというわけで、自分の住むコンクリートマンションの内部をムクの木でリフォームすることにしたのがちょうど5年前のことです。まずそれまでの内装をぜんぶ取っ払って、住まいを裸のコンクリートの空箱に戻しました。で、その空箱に持ち込んだのが大量の厚い木の板。ぜんぶで6.2㎥ありましたからかなりの量です。
皆さんは自分の家にどれくらいの木が使われているかご存知でしょうか?
日本の木造住宅の場合、平均的な木材使用量は平方メートル当り0.19㎥だそうです。30坪の家だと18.8㎥の木が使われているということになります。でもこの木材の大部分は、じつは壁や天井の裏側に隠されているんですね。木造住宅なのに木が表に見えない、なんてことが最近はよくありますが、これはまことにもったいない。なぜって、木材がもっている湿気を調節する能力をわざわざ裏に隠して殺しているんですから。
我が家のリフォームで使った木材量6.2㎥というのは、ですから平均的な木造住宅の三分の一。ただし、その木を隠さずにぜんぶ室内にむき出して使ったらどうなるか、室内の気候がどう変わるか、それが我が家での実験でした。
コンクリートのマンションにお住まいなった方なら分かると思いますが、夏はベタベタの湿気、冬はカラカラの乾燥で、加湿器やエアコン無しではとても住めない。これはなかがビニルクロスとかポリ合板とか、塩ビ製品でできているせいで、湿気を溜めたり吐き出したりする調湿機能が室内に無いというのが大きな理由です。それなら、加湿器や除湿機に頼らずに、調湿機能の大きなムクの木をむき出しで内装に使ったらかなり改善されるんじゃないか、というのが我が家のリフォームの狙いでした。
さて結果はどうだったか?
リフォーム後の室内はこんな感じになりました。(写真)壁は厚さ3センチのムク板。床や家具もムク板ですが、こちらは細幅の木を集めて幅広の板にした集成材です。
ムク板を持ち込んだ効果がはっきり見えたのは梅雨時でした。これまでコンクリートの壁面やガラスに出ていたうっすらとした汗(結露)が消えちゃったんですね。雨の日でも室内はサラッとしていますし、ジメジメ感がずいぶん改善された感じで驚きました。さすがに真夏と真冬はエアコンを使いますが、でも自然室温のまま暮らせる期間がかなり増えたのは収穫です。
さて、キノイエの企画を進めていたとき、私はこのときの経験をキノイ設計チームの面々に話してみたのです。———なんでいまの木造の家って、木造なのに木が見えないんですかね。
さすが皆さんプロですね、即座にいろんな答えが返ってきました。
———木を現しにするにはそれなりの技術がいるしお金もかかる———いまの家って断熱気密化が進んでいるから木が狂いやすい———でも木造なのに木が見えないってやっぱりヘンだ———かといって、木だらけっていうのもなんかヤだ、いまの感覚に合わないし。
そこで私はもう一押し、こう言ってみました。———高気密高断熱のことはよく言われるけど、木造の調湿性能についてはなんで言わないんだろう。
さてここから後のケンケンガクガクの議論については長くなるので省略。でもこのときの議論のおかげで、めざすキノイエのイメージが少しづつ固まってきたのでした。
カネタ建設には長いあいだ木造を手がけてきた伝統がありますから、木を扱う技術力は十分すぎるほどです。ただ、それをひけらかすような家づくりじゃつまらない。問題はバランスです。木を隠すところ見せるところのバランスを考えながら、木の力を室内環境にも活かすことがキノイエの目標になりました。つまり高気密高断熱を超えたさらにもう一段階上の性能ですね。
この性能は数値で示すようなものではなくて、むしろ「暮らしの性能」みたいなものです。だから家全体にかかわる。たとえば窓を開けばすぐに壊れてしまうような性能では意味がないわけです。土間や縁側、床下送風エアコンや蓄熱断熱材など、キノイエに搭載されたさまざまなアイテムがそんな議論の末に発見されていきました。
ところで、なかでも私が嬉しかったのは「内装に厚板を使ったらどうか」という提案にキノイエ設計チームの面々が賛同してくれたことでした。そればかりか「どうせなら地場の木でできた厚板を探そう」と話が盛り上がって、地元の製材所や材木屋さんとの打ち合わせがさっそく始まったのです。
キノイエモデルの階段板やタナ板、ベンチ、それに家具などの多くはこうして発見された「越後スギパネル」で製作されました。
そこにはまた長い物語があるのですがーーーでもちょっと疲れちゃいましたね。その物語はまた次回の応援メッセージの時にさせてください。で、もしもまだキノイエモデルをご覧になっていない方がいたらぜひお出かけを。その家の暮らしのかたちはとっても面白いですから。
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趙先生、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(キノイエ スタッフ一同)
趙 海光 ちょう うみひこ (一級建築士)
1972年法政大学工学部建築学科卒業。1980年(株)ぷらん・にじゅういち設立。
1990年代に台形集成材を使用した一連の木造住宅「台形集成材の家」を設計。
2000年代に「フツーの木の家」シリーズ。
2007年以降は町の工務店ネットと共同で「現代町家」シリーズに取り組む。
一貫して国産材を使用した現代型の木造住宅を設計するとともに、『住宅建築』誌を中心に木造住宅についての論考を多く発表し、国産材の開発と普及に努めている。
編著書に『高山建築学校伝説』鹿島出版会。
また『新建築住宅特集』に「在来工法ファイル」を連載(2004~2005年)
受賞歴
2011年 「びおハウス」により、チームおひさまのメンバーとしてグッドデザイン賞。
2009年 「博多・現代町家」により、町の工務店ネット、長崎材木店とともにグッドデザイン賞。
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現代町家憲章
August 11, 2016
キノイエの考え方は、建築家の趙海光(ちょう うみひこ)氏の提唱する「現代町家」の思想をベースに組み立てられています。本日は、この現代町家という思想について、少し解説を加えてみたいと思います。
「町家」と聞くと、昔ながらの家並みを想像する人も多いかと思いますが、現代町家の取り組みは、単に懐古主義の家を建てようというものではありません。むかしの町家に置き忘れてしまった、日本の暮らしのよさを現代の住宅事情と暮らし方に上手く取り入れることを基本にしつつ、地域ごとの特性に合わせ、ルール化された先進の設計システムによって合理的かつ経済的につくることを目的にしています。
ちなみに、むかしの町家を町家たらしめていたのは、「接道性」と「接隣性」だといわれています。この地域でも多くの町家は道に接し、隣家に接して、隙間なくびっしりと建っています。屋根・軒・格子を連ね、それが調和を生み、独特の美しい景観をつくり出していました。しかし、現在はそれと同じようには建てられません。道路後退や隣地境界など、今の建築法規に従わなければならないからです。
法規によって隙間や寸地が生じてしまうのが、今の家です。この半端な空地(くうち)が、家並みを崩し、不揃いな景観を生んでいます。建物はポジ(陽)で、残された空地はネガ(陰)にされてきました。現代町家は、このネガ部分に注目し、空地を部屋の一つに取り込む設計を考え出しました。
空地に木や草花を植え、そこを部屋の一部として内部化(ソトとナカをつなぐ)しながら、道路側にも開いて、家の前を通る人にもよき印象を与える、そんなあり方です。
そして、そこには共通の思想があり、総合して「現代町家憲章」と呼ばれています。関わる工務店は皆、この憲章に則った家づくりを行っています。
<現代町家憲章>
・美しい町並み景観をつくる家であること
・緑に溢れる家であること
・長い必要・好み・寿命に応える家であること
・地震で倒れない家であること
・自然エネルギーを活用した家であること
・特に、風がよく通る家であること
・きれいな室内空気の家であること
・木をたくさん用いる家であること
・土・紙など自然素材を用いる家であること
・楽しくお手入れできる家であること
・その家は、前を通る人の家でもあること
どれも普遍的であり、家づくりの本来の価値がここにあるのではないかと考えています。服を購入する時、単体で見た時のデザインと店員さんの説明を気に入り、買ってはみたものの、実際に出かける場面が想定できていなかったり、周囲と調和しない服であった場合、とても残念な結果になってしまいます。
住宅は一点ものであり、服のように買い直すことができません。商業主義になりがちな住宅業界の流れの中で、少しでも住まい手の皆様に、家を建てることの尊い価値を思い出していただき、永く住まい続ける喜びを最大限に感じていただけるような家づくりを続けていきたいと私たちは考えています。
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ソトとナカをつなぐ
August 7, 2016
キノイエのつくる標準的な建物は、延床面積で35坪以内。この上越地域の家づくりとしては、けして大きくはない建物です。
ですが、いざ建物内に入った多くの人が口にするのが「思ったよりも広く感じる」「全然狭さを感じない」という言葉です。もちろん、多くの住宅展示場見て回られた方であれば、おのずと面積を聞いただけで、どのくらいの空間になるのかは想像がつくはずです。それでもなお、「広い」と感じる理由、それは「ソト」と「ナカ」を上手につなげているからなのです。
その一つの手法に、「ゲヤを上手に使う」というワザがあります。ワザと言ってもけして奇抜なアイディアでも、新しく生み出された手法でも何でもなく、これまでの日本の暮らしの中にあった「あたり前」の知恵と工夫です。
昔の農家の大屋根は、軒が長く伸び、その下には「軒内空間」ともいうべき「緩衝空間」がありました。ソトでもあるけど、ナカでもある・・・雨は当たらず、日差しも遮る、しかし、自然の風はその下を流れていく。そして、視覚的にもソトとナカ、どちらから見ても、今いる場所とつながっている空間として認識できる不思議な領域。実際、そこに様々な暮らし方を重ねてみると、それは単に視覚効果を狙った類の話ではなく、非常に理に適ったスペースであるということが実感できると思います。毎日手入れをするプランター、子供たちが飼っているメダカ、庭やデッキを使ってのホームパーティー、雨雲を気にしながらの子供たちとの花火、お父さんの喫煙オアシス、道具の手入れ・・・まだまだたくさんの暮らしのシーンが思い浮かびます。
京都の町家は特にこの軒の使い方で暮らしの快適さを創造しています。小さな敷地にうなぎの寝床。しかし、一たび家の中に足を踏み入れると、坪庭があり、軒に囲まれたいくつもの空間が、奥行きと情緒ある住まいを創り上げています。
家はコンパクトである方が経済的にも有利。でも、小さく収まるだけでは多くの暮らしの楽しみ方を犠牲にします。だから、キノイエでは「小さくつくって大きく暮らす」ための様々な工夫を設計の中に取り入れています。
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理念を同じくする仲間たち
August 5, 2016
本日は、はるばる東京より建築家の趙海光先生、兵庫県篠山市より大市住宅産業の大前社長が、上越モデルハウス「塩屋新田の家」に視察に来て下さいました。
趙先生は、キノイエの上越モデルを設計・監修していただいた、いわば生みの親。大市住宅産業様は、現在業界で注目されている「里山住宅博(神戸)」で、趙先生設計による現代町屋モデルを出店されている個性的で素晴らしい会社です。
本日はゆっくりと建物を見ていただきながら、構造的な収まりや細部の処理、断熱・気密に関する考え方等のテクニカルな話の他、地域の里山をつくる工務店としてのビジョンや、チームづくりなど、話題は多岐に渡り、お互いの家づくりに関する中身の濃い情報交換をさせていただきました。大前社長と弊社代表猪又、そしてブランドチームのスタッフはみな40代ということもあり、すぐに気心が知れ、これからのお付き合いが非常に楽しみに感じられる出会いになりました。
そして、いつも的確なアドバイスをいただける趙先生を含め、集まった仲間同士、会話を深めれば深めるほど非常に共感する部分が多く、目指す方向性は同じ。住まうエリアと地域それぞれの取り組みの工夫があり、お互いの今後の取り組み方についてそれぞれに大きなヒントを得られた貴重な一日となりました。まさに、1+1=2ではなく、組み合わせによっては無限大です。
また一つ、理念を共有する仲間とのつながりをいただきました。
趙先生、大前社長、本日は本当にありがとうございました。今度は、私たちが勉強にお邪魔させていただきますのでよろしくお願いいたします。
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「小さな邸宅」のつくり方
July 23, 2016
キノイエでは、これまで多くの住宅会社があたり前に行ってきた、間取りを足し算していくようなプランニングを行わず、「引き算する設計」に磨きをかけてきたと以前のブログでもご紹介しました。敷地全体を家と考え、切れ目のない、心地よい「場」を生むことに注力した引き算の設計により、小部屋の増殖を防ぎ、部屋どうしのつながりに連続性をもたせ、結果としてコンパクトで広々暮らせる空間を生み出すことが可能になります。
キノイエでは、平面プランを行うにあたり、まずは、敷地図に家の形を配置するところから始めます。そこで、最初に行うのは、「サイトプランニング」です。サイトプランニングとは、「建物は土地の形状にしたがう」ということです。道路に面した方向と太陽の向き、そして隣地に何が建てられており、どの方向からどのような景色が楽しめるのか、あるいはどこを隠すべきか、どこからどこへ風が流れていくのか・・・すべては縁あって手にした敷地によって、暮らし方に応じたベストポジションを見つけることがこの作業の最大の目的です。このサイトプランニングはとても重要で、最終的には、そこに住む人の行動スタイルも考慮して「坐(すわ)る」、「腰掛ける」、「寝転ぶ」位置を考えていきます。それぞれの目的に応じた居心地のいい「場」を決めていくわけです。単純な間取りの足し算では、「場所」は確保できても「場」がない住まいになってしまうことも十分に考えられます。その違いは想像以上に大きいと考えます。
このことが概ね決まってきたら、そこに実際の空間となる箱を配置してみます。そこで活躍するのが、写真のアイテム。「6×8」あるいは「6×6」等の数字の書かれた、何の変哲もない白い箱。ベース(母屋)になる部分がまさにこの箱です。この配置がある程度見えてきた段階で、今度はそこにゲヤ(下屋)のかけ方を考えていきます。キノイエではスケルトン(構造)は、概ね標準化をしており、サイトプランニングと居心地のいい「場」が決定することによって、おおよその家の全体像が出来上がってきます。これが6m×8mのベースであったり、そこにかかるゲヤの組み合わせであったりするのです。
スケルトン(構造)が標準化されているおかげで、材料も施工手間も読めるため、この段階で概ね建物本体の価格が明確になります。その代わり、内部の自由度はかなり高く、先ほど触れた居心地のいい「場」を上手に配置することが可能になります。また、キノイエでは、内部の造作にも標準化された上質素材のアイテムを用意していますので、比較的リーズナブルにこだわりを追加することができるのです。
単なる間取りの足し算をする自由設計ではなく、その土地・暮らし方に合わせ提案する「居心地設計」。無駄のないコンパクトさ。コンパクトあるがゆえに経済性と上質さを追い求めることができる家、それが「小さな邸宅。~キノイエ」のこだわりなのです。
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シンプルな窓
July 21, 2016
シンプルで、何十年経っても飽きのこないデザイン。キノイエが追及しているポリシーの一つです。
そのシンプルで美しい外観を際立たせている要素の一つ。それは窓です。
キノイエでは、メインである正面吐き出し窓をご覧の通り、サッシが全て外壁に引き込まれる設計にしています。たったこれだけで、ソトとナカの印象が大きく変わります。塩屋新田の家では、引き込み側の外壁に杉板のパネルを配置して、その中にすっぽりとサッシが入りますので、窓を全開放した時、とてもスッキリとした印象になります。
細かな工夫で大きく変わる住まいのデザイン。キノイエで取り入れている工夫はこの他にもまだまだたくさんあります。家のデザインは、とても奥が深いのです。
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吊りデッキ
July 17, 2016
キノイエのアイテムをまたまたご紹介。今回は「吊りデッキ」です。
住まいのコストダウンは至上命題です。しかし、コストダウンによっていちばん失われやすいのが、外観の個性です。特にバルコニーや出窓など、立体的な造作はコストアップの要因となり、設計上敬遠されつつあります。結果、家は平面的なつまらない顔になってしまいがちです。
そこで考案されたのが、この「吊りデッキ」。一般的なバルコニーやベランダとは一線を画し、この吊りデッキは登り梁を軒に大きく突き出させ、そこからボルトで吊る仕組み。実にシンプル。現代町家の標準設計パーツとして規格化されていますので、オリジナリティを持ちながらも施工にかかる費用がリーズナブルです。しかも、上から吊るという構造的メリットは非常に大きく、地上からの柱が不要になります。これにより、デッキ下に障害物がなくなり、自由度の高い空間設計が可能になります。
また、強度も十分にありますので、ベランダとしてはもちろん、物干し、プランターなどの植栽置き場としても機能します。
吊りデッキは、住まいに立体感とアクセントを与える機能美の優れたアイテムなのです。
コンパクトでハイクオリティ、かつコストバランスのいい住まい。それがキノイエの基本理念です。
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欲しくなるアイテム~「箱パントリー」
July 6, 2016
キノイエのダイニングスペースにひときわ存在感を放つ収納ボックス、通称:「箱パントリー」。「小さな邸宅」の魅力を引き立てる強力なアイテムの一つです。
建築家の趙海光(ちょう うみひこ)氏による設計で、キノイエのコンセプトから生まれたオリジナルアイテムです。
サイズはいたってコンパクト。シンプルがゆえにとても美しいデザイン。その中に食器棚、配膳台、そして床下エアコンの収納スペースまで兼ねている優れものです。
光を通すことで空間に広がりを与える障子、開けると配膳台としてキッチン側の奥様とダイニングテーブル側のご主人が顔を合わせて対話できるスペースに早変わり。そして、突然の来客でも、さっと食器を配膳台に戻し、障子を閉めるだけですっきりと隠せる・・・随所に様々な工夫が施されており、コンパクトなのにとてもマルチに活躍します。
この「箱パントリー」を実際に見学できます。ご興味のある方は、上越モデルハウス「塩屋新田の家」にご来場ください。
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シンプルで美しい「箱窓」
July 3, 2016
上越モデルハウス「塩屋新田の家」の玄関ホールに採用されている「箱窓」。
限りなくシンプルさを追求し、余計なものは一切排除。まさに「禅」の思想です。外から見ても中から眺めても「美しい」の一言に尽きる・・・そんなデザインを追求したアイテムの一つです。
ちなみに、中からの景色は、玄関アプローチに植えられたモミジやマユミ、アカシデ、そして長寿桜などがその季節に応じて色とりどりの表情をまるで小さなスクリーンのように映し出してくれます。
また、外からのアングルでは、中の障子を開けることによって、夕方から夜にかけて、ダイニングテーブルからの明かりがほんのりと映り、まるで看板のない小さなカフェレストランのような雰囲気です。
窓は採光と通気の他に、ソトの美しい風景の一部分を切り取り、ナカの空間に広がりや情緒を与えてくれる額縁のような役割も担っています。だから、キノイエでは、その額縁のデザインにも「飽きのこない美しさ」を追求しました。
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