雨の日もまた
September 20, 2016
木の家マルシェの時に撮影したものですが、塩屋新田の家の玄関を開けた時に見える光景はこんな感じです。
写真ではなかなか伝わりづらいですが、こうして、中障子を開けた状態でお客様をお出迎えすると、玄関土間から庭先がチラリと見えます。ソトとナカをつなぐ空間の心地よさを訪れた皆様にも感じていただけるような設計になっています。そして、実は、弊社代表猪又のお気に入りのアングルの一つでもあります。
当日は、イベントとしてはあいにくの雨模様でしたが、アマゾンジャラ(水に強い耐久性のあるアマゾン原産の木材)を使用したウッドデッキに映る滴の波紋がなんともいえない表情を生み出しています。ここで暮らす人の目線で見れば、この雨もまた絶景に変わります。リビングから、あるいは離れに向かう外のアプローチの軒下で、おいしい珈琲を片手に、ずっと庭先を眺めていたくなります。
家づくりはモノづくりでもありますが、同時に大切な日常の‟コトづくり”でもあります。こうした日常の風景をどう生かすか?を真剣に向き合う設計・・・現在の住宅業界の事情を考えると、家づくりの現場でどれくらいこのことが大切にされているのか、少し気になってしまいました。
広告では非常に伝わりにくいニュアンス。そんな日常の風景の大切さを考える住宅会社であり続けたいと思います。
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いちばん伝えたいのは
September 11, 2016
先日、キノイエの「コンセプト会議」(勝手に命名)を行いました。内容はイベント企画や発信方法についてなど様々。
コンセプト会議とかっこいい名前を付けておきながら、実は、関係者数名でコーヒーを飲みながらフリートーク(笑)この日の大きなテーマは、キノイエの良さを伝えるために、いちばん大切なことは何か?でした。
結果、たくさんの素晴らしい意見、アイディアが飛び出しました。でも、落ち着くところ、いちばん大切なことは、「この家の何とも言えない心地よさをとにかく感じてもらうことだよね」という話に(笑)
いいものに理屈はいらない。感情を揺さぶる「何か」がある。その一点にフォーカスした伝え方を整理してみようという話になりました。仕事ながら、こういう時間が楽しいと思える環境に感謝です。
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庭づくりの重要性
September 8, 2016
ずっと未完成状態が続いていた塩屋新田の家の庭が、このほどようやく完成しました。
ここまで完了が長引いたのは、竣工当時まだ計画中であった南側に隣接した建物の位置関係、外観の確定を確認した上で、リビングからの視界と、お隣さんからの視線との関係を見極めてからという事情がありました。庭づくりの成否は、隣接する家々との関係を考えてこそ成り立つものです。ソトを上手に取り込み、ナカの暮らしに広がりを生み出す庭の存在は非常に重要。だから、なるべく隣接建物の計画がある場合は、慌てずその完成を待ってから行うのがベターです。
今回の庭づくりにおいては、幸い、こちらのリビング側に面したお隣のお住まいの窓が水回りのすりガラス窓や収納室の窓が中心らしく、普段の生活シーンでほぼ直接的に目線が合うということがないということが分かりました。加えて、外壁もシンプルな黒単色の波型金属サイディングであったために、色彩的な干渉も少なく、周辺の視界を遮る役割も担ってくれています。結果としてプライバシー性の高い中庭のような空間になりました。母屋だけでなく、カーポートや離れとの連続性が生きるこの庭の利用価値はまさに無限大です。なお、西側の敷地はキノイエの住宅建設予定地でもあるため、塩屋新田の家とのつながりも考えて自由に考えることができ、2軒のつながりも含めてこれからのプランニングが非常に楽しみです。
完成といっても、本当の庭づくりは実はこれからが本番。庭に植えられた多くの植物たちがきちんと成長するように面倒を見ながら、小さな森をつくることが目標です。今回、庭木には、モミジやセイヨウカマツカ等の落葉樹に加え、ナンジャモンジャ等、四季折々の表情を楽しめる樹種を選びました。そして、ちょっとした遊び心で、中央に流木を配置。ちなみに、この流木、私たちの住む上越地域では、海岸に行けばそれなりに簡単に手に入る何の変哲もない代物ですが、所変わるとその価値は一気に変わります。特にこの上越地域から内陸部に位置する長野県内に住む方にとって、流木は非常に入手困難な高級品。おそらく、写真のサイズの流木だと、所変われば‟ん万円(?)”になる可能性もあります。
地元に眠る、こうした付加価値の高い素材に目を向け、暮らしの一部に反映させる・・・地元で生まれ育った私たちが家づくりで行うべき、とても大切な仕事であると考えています。家づくりを通して、ご家族にとっての「最高の地元ライフ」を実現すること。それが私たちの仕事です。
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クラシックカーのまち
September 5, 2016
昨日は、糸魚川市内にて、「第25回日本海クラシックカーレビュー」が開催されました。
1974年以前の国内外の純粋なクラシックカー(当時の価値を失うような改造は一切認めない)にこだわり、厳選された200台の車両が、全国からこの日のために糸魚川市に集まってきます。しかも、全てが今なお公道を走行することができる”現役”なのです。
このイベントには長年、弊社からも代表の猪又をはじめ、スタッフがボランティアとして参加しています。
当日は近年の中でも最高の天気に恵まれ(恵まれすぎて、かなり暑い一日でした)、来場者も非常に多く、報道発表では3万3,000人に上るとのことです。まさに、糸魚川市を代表するビッグイベントです。
それにしても、クラシックカー愛好家の方たちは、本当にモノを大切にする方が多いですね。当時の純正パーツが存在していない車種も多いため、クラシックカーを維持するには相当の苦労とお金がかかります。それでもなお、「親父の代からの大切な思い出」、「このデザインと走りに惚れ込んで、ずっと一緒にいたい」、「長男が生まれた時に購入したので、大切に乗り続けていきたい」など、単なる趣味の枠を超え、生き方そのものに重ね合わせて、その車を大切にする気持ちが、会話の中からひしひしと伝わってきます。
住まいに対しても同様にそうありたいですし、そういう住まいづくりを続けていかなければならない・・・そう再確認した一日でした。
まさに、最高の地元ライフ。また来年もたくさんの人生を楽しむエキスパートの皆様との出会い楽しみです。
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オレンジフェア実行委員会打ち上げ
September 4, 2016
先日はオレンジフェアの実行委員会の打ち上げ会でした。
「どこにもない夏休みの最高の思い出を」・・・イベント会社などに一切頼らず、企画も設営も全て社員の手づくり。毎年新しいテーマと子供たちがワクワクするような仕掛けを登場させます。以前のブログでもご紹介させていただきましたが、今年で⒓年目を迎えたオレンジフェアは、過去最大4,000名のご来場がありました。イベント後日、小学校の先生より聞いた話ですが、今年の夏休みの宿題だった絵日記のテーマにオレンジフェアのことを取り上げた生徒が圧倒的に増えたとのことでした。確実に地域の定番行事として定着していることがうかがえます。
打ち上げ会では、それぞれのブースリーダーを中心に、当日の出来事から反省点や苦労話、笑えるハプニング、そして気が早いですが、既に来年の企画アイディアが次から次へと飛び出すなど、時間内では収まらないほどのたくさんの話題で盛り上がりました。
その中で、ちょっと嬉しかったスタッフのエピソードをご紹介します。
水遊びのアトラクションコーナーで、何回も何回も滑り台で滑って遊んでいた小学校低学年くらいの女の子がいました。その子は滑り台係のスタッフとそのうち仲良くなり、そのスタッフに「これ食べて」と自分のイチゴかき氷を持ってきてくれました。スタッフも役割があるため、一気に平らげ、「ごめんね。ここを動けないからゴミに捨ててくれる?」と頼んだところ、笑顔で受け取って離れたお母さんの元へ駆け寄って行きました。そのスタッフとお母さんの目があうと、そのお母さんは何度もスタッフに会釈しながら目頭を押さえて涙し、その子供の頭を撫でて褒めていたそうです。その子が他人に気遣いをする行動がお母さんの目にはとても新鮮だったのでしょう。大人たちとのかかわりの中で、ほんの少し成長した女の子の姿がそこにありました。
この地元で生まれ育った私たちが、地元の人々とのかかわりと仕事に囲まれ、そのことに感謝し、さらに喜ばれる仕事を創造する。そのことを通じて、地元の人々の思い出や心に刻まれていく・・・まさに、「最高の地元ライフ」。これからも私たちは、地元の人たちとの関わりの中で、誇れる仕事を次の世代につないでいきたいと思います。
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「空き家」を「資産」に
September 3, 2016
先日、糸魚川商工会議所の「空き家・空き店舗対策特別委員会」に出席してきました。今回で2回目の会合。商工会議所の議員でもある弊社は、建築・不動産の実務有識者として意見を求められました。参加メンバーは、他にも私たちと同業の建築・不動産業界の代表の方々や司法書士の方など数名の有識者で構成されており、まずは現状の把握と、各委員の取り組みや考えについて活発な意見交換がなされました。
少子高齢化により糸魚川市内山間部、沿岸部はもちろん、中心市街地でも深刻化している空き家問題。この解決には、地元のニーズはもちろんのこと、全国各地からの移住希望者(U、Iターン)に魅力的な田舎暮らしを提案できるか?という部分も非常に重要です。まさに、私たちの掲げる「最高の地元ライフ」というコンセプトが重要になってきます。私たちもこれまでに多くの古民家移築、リノベーション、古材利用などを手掛けており、この問題に対して私たちが貢献すべき部分は非常に多いと感じました。
カネタ建設がフルリノベーションを手掛けた築150年以上の古民家
シェラリゾート白馬様の「みずばしょう温泉 古民家の湯」。カネタ建設による設計施工。なんと築150年以上の古民家2棟をつなげて温泉の上に組み上げるという技術的難易度の高い建築物です。
しかし、個々の企業が孤軍奮闘するだけでは意味がありません。空き家問題を地域全体の問題として捉え、全国の潜在的な移住希望者の皆様に、この地域の暮らしを知っていただき、共感していただくためには、家主と買い手や借り手、不動産業者、建築業者、そして行政関係者などの関係者が手を結び、チームとして取り組んでいく必要があります。
そのような中で、今回の会合は、今後の布石となるとても重要な意味を持つ意見交換になりました。まずは、お互いの得意分野と役割を明確にして、徹するべき役割に徹するために、どのような体制をとるのか。専門家、専門業者、非営利団体、そして行政が可能な限り有機的に手を結べるような青写真を描く・・・とても大きな展開のための最初の小さな一歩を踏み出せたような気がします。
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未来の建築士
September 1, 2016
昨年リフォーム工事をさせていただいたOBお施主様のS様。その小学6年生になる娘さんが、夏休みの工作でキノイエの模型を研究し、自宅の模型を作ったということで、お施主様から完成写真のメールをいただきました。小学生の作品とは思えない完成度の高さ!「将来が楽しみだね!」と、キノイエスタッフたちみんなも感心していました。
Sさんご家族は、8/11に糸魚川市内で開催された弊社の感謝祭「オレンジフェア」を一日楽しまれた後、その足で上越モデルハウス「塩屋新田の家」にご来場されました。娘さんは、設計監修を担当された建築家の趙先生の模型と弊社松川の模型をじっくりと時間をかけてよく観察し、私たちに素材や作り方などを熱心に質問。出来上がった模型の写真を見てみると、特に、カーポート部分などは趙先生の模型を忠実に再現しています。この観察力こそ、建築設計を目指す人にとって非常に重要なスキルになります。
建築家 趙海光先生の手による模型
趙先生の模型を参考にして詳細設計から製作されたスタッフ松川君の作品
Sさんの娘さん(小学6年生)の作品
また、他にも宿題として「職業インタビュー」という課題があり、ブランドディレクター杉ノ上の仕事についていろいろ質問があったようです。
本当に頼もしい小学6年生。未来の建築士として、いつか私たちと一緒に家づくりに携わる仕事ができる日が来るかも?と、スタッフ一同、今から楽しみです。
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最高の地元ライフ。~スタッフ編
August 30, 2016
先日の8/27(土)の地元新聞『糸魚川タイムス』の1面記事「糸魚川 生き生きリレー ~地域の隠れた主役たち~」に、弊社の若手土木スタッフの村上君が登場しました。24歳でご覧の通りのイケメン。しかも、性格も優しい好青年!カネタ建設の入社歴はまだ浅く、土木の仕事は未経験でまだまだ見習い期間中。ですが、年を重ねてみるみる逞しく成長している姿に、スタッフみんなも大いに期待をかけているところです。
そんな彼を紹介する今回の記事には、海好きで多趣味の彼がいちばん夢中になっている「SUP(スタンド・アップ・パドル)」のことについて大きく紹介されています。SUPは、専用のサーフボードに立ってパドルを漕ぐ、ハワイ発祥のマリンスポーツ。この地元ではまだ愛好家は少ないですが、最近メディアでも取り上げられることが多くなり、これから徐々にこの地域でも注目されるスポーツに発展する予感です。
そんな彼がSUPに触れるきっかけとなったのが、縄文時代の丸太舟を再現した”縄文カヌー”で長距離航海を目指す「日本海縄文カヌープロジェクト」。これまで、糸魚川市から上越市までの航海実験に参加。福井県で開かれている丸木舟競漕大会にメンバーとペアで出場し、昨年までに2年連続で準優勝する腕前の持ち主。そんな彼曰く、「(SUPに乗っている時は)海の上を散歩している気分になれるので、とても気持ち良い。」とのこと。ちなみに、下の写真は押上海岸の沖から撮った夕日です。
そして、そんな彼が夢中になっているもう一つの趣味が、登山。下の写真は、去年、長野にある木曽駒ヶ岳に登った時の写真。真ん中で両手を広げているのが村上君です。「登頂した時の達成感と眺めはとても最高でした!」とのこと。
「休日は家に籠っていられない性格です(笑)」という村上君。まさに、この地域特有の自然財産を謳歌できる多彩な趣味に囲まれ、まさに「最高の地元ライフ」を満喫しています。彼のこれからの活躍をぜひ応援してください。
・・・ちなみに、そんな村上君のもう一つの顔は・・・
ジャーン!!先日8/11に開催された弊社感謝祭「オレンジフェア」に登場した、あやしいムエタイ選手「リュウチャイ・ムン・ラカーミ」でした(笑)
彼の詳しい活躍の様子をもっとお知りになりたい方は、こちら「カネタ建設のブログ」をご参照ください。
そして、弊社にはまだまだ個性あふれるスタッフがたくさん在籍しています。こちらのブログでも少しずつご紹介していけたらと思っています。
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夏の終わり
August 28, 2016
もうすぐ夏休みも終わります。
皆様はこの夏、ご家族とどのような思い出をつくりましたか?私たちの暮らす上越地域は、海、山、川に囲まれ、望めばいつでも自然の恩恵に触れることができます。まさに、最高の地元ライフ。
こちらは、キノイエスタッフのある夏休みの一日です。
糸魚川市能生地区にある弁天岩。糸魚川の周辺の海岸は砂利浜が多くなりましたが、こちらの海岸は遠浅で砂浜もたくさんあるので、毎年家族連れでにぎわいます。
大胆なサービスショット!さて、どのスタッフの家族でしょう?
正解は代表猪又の家族。こちらは三女、まおちゃんでした(笑)
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『とと姉ちゃん』と『暮しの手帖』
August 27, 2016
視聴率20%以上の人気を誇る、現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』。
主人公・小橋常子のモデルとなっているのは、故・大橋鎭子(おおはし しずこ)さん。その大橋さんが天才編集者である故・花森安治(はなもり やすじ)さんと共に創刊したのが雑誌『暮しの手帖』です。
二人が『美しい暮しの手帖』として第1号を創刊したのは、昭和23(1948)年。ファッションや料理、編み物、収納術など衣食住に関わる「生活の知恵」を紹介し、主婦の強い味方として、現在に至るまで発刊は続いています。暮しの手帖社さんのサイトには、「防空壕のなかで、自分が見たい、知りたいと思うことを本にすれば、戦争で学校にも満足に行けなかった多くの女性たちに喜んでもらえるだろう」という大橋さんの思いと、戦争への反省から「一人ひとりが自分の暮らしを大切にすることを通じて、戦争のない平和な世の中にしたい」という花森さんの思いが綴られています。
もちろん、住まいにまつわる様々な特集記事も組まれました。実際、先日も『とと姉ちゃん』では、台所特集が取り上げられていましたが、当時の『暮しの手帖』20号(昭和28年)以降でも、こんな記事が掲載されています。
「小さくつくって大きく暮らす」キノイエの思想に非常に重なる部分があり、とても興味深い内容です。
また、経済成長とともに物が出回り始めると、どれが役に立つ商品かを広く消費者に伝え、また本当に良いものをメーカーに製造してもらうためにも、商品テストを実施。生活者の立場に立った実証主義のテストは多くの読者の高い評価と支持を得ることに成功し、最大発行部数が90万部を超える国民的雑誌に成長しました。
なかでもこの雑誌の特徴として有名なのは、一切広告を掲載しないというスタイルを選択し貫いてきたことです。(一説では、倒産の危機の際一度だけ掲載の事実があるようです)
理由は2つ。編集長の花村さんの「一つの文字から一枚の写真、小さなイラストまで、雑誌の全ての部分を自分達の目の届く所に置いておきたい」という思いと、広告を載せてしまうと、商品の正しい批評や紹介がやりにくいという理由です。
そして、この商品テストの徹底ぶり、スケールの大きさが違います。
昭和44年の第99号「自動トースターをテストする」では、トースター33台を購入し、1台あたり2000枚ずつ実際に焼いて、焼け具合や耐久性をテストしています。実に4万3088枚もの焼かれた食パンが山積みされた写真は圧巻です。
また、製品の品質が悪かったり、広告に記載された性能を十分に発揮できないとなれば、入念なテスト結果と共にその製品を徹底的に糾弾をします。その代表的なエピソードが、昭和43年発刊の98号「愚劣なる食器洗い機」と名付けられた記事です。
当時、発売されて間もなかった各社の「食器洗い機」は高価である上に、食べ残しがすすぎ切れなかったりと、欠点が目立ち劣悪でした。二人にとって、そうした製品を世に出すことへの怒りは強く、発売された各社の製品を、その号以降も何回かに分けて軒並みテストし、詳細に事実を伝えています。特に、横倒しにされた食器洗い機の写真は、社会的に大きな反響を呼びました。
これから連続ドラマの中でも佳境を迎え、この商品テストの場面が出てきます。ドラマの中では、純粋にテスト結果を読者に伝えていこうとする主人公と、それをあらゆる手で妨害工作を行う大手メーカーとの壮絶な戦いが描かれていくようです。
そんなことから、ふと、現在、住宅業界で起きている激しい価格競争とイメージ・広告競争の様子に目をやると、様々な思いがめぐってきました。情報が巷に溢れすぎた結果、お客様にとって「暮らしを守る本当のいい家」についての判断、これがとても難しい時代になったと感じます。何を選んでいいかわからない。住んでみないと答えが出ない。しかし、買った後では取り返しがつかない。そんな買い物の筆頭が住まいです。だからこそ、この『暮しの手帖』のように、宣伝やイメージ戦略に踊らされず、客観的な厳しい目をもって住宅産業の構造や作り手の違いが語られる日が来れば、消費者の皆さんにとってこれほどの大きなメリットはないのではないか?と思う今日この頃です。