暮らしの勉強会
October 9, 2016
キノイエでは、定期的に「暮らしの勉強会」を開催しています。
毎月1~2回程度開催し、「得する住宅ローンの選び方」、「エコで健康な家づくり」、「木の家づくりコンセプト」、「暮らし方から考える土地相談会」という4つのテーマの中からお客様の知りたいテーマ選んでご予約いただくというスタイルをとっています。
今月はこの土日2日間に渡り開催。おかげさまで今回も各テーマに様々なお客様からご予約いただきました。中には、「全ての勉強会に参加したい」ということで、2日間に渡って会場に足を運んでいただいたお客様もいらっしゃいました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。
各勉強会のテーマは、スタッフがこれまでの経験と最新の住宅事情を元に作成されたプレゼンテーションを中心に、家づくりの前にお客様に本当に知っておいていただきたい重要なポイントをわかりやすく解説します。参加いただいたお客様はこまめにメモをとったり、気になる部分について質問されたりと、皆さんとても真剣。普通の完成見学会や展示場では聴けなかった話がどんどん飛び交います。家づくりで最も大切なことは、作り手とこうした真剣なキャッチボールを何度も繰り返すことで、お客様自身が自分たちが建てようとする家の全てに確信をもつことではないかと思います。
ちなみに、各勉強会のポイントについてほんの少しだけご紹介すると、こんな感じです。
「得する住宅ローンの選び方」
✓元銀行マンが行員時代にはお伝えできなかったことを家づくりを応援する立場からホンネで解説
✓住宅ローンの選び方で、一生涯に支払う金額が数百万円も変わる!?
✓金利の種類は大きく分けて3種類、その長所短所をよく理解して金利を選ぶことがとても重要
✓住宅ローンは借りた後のことも考えて選ぶことが大事。借りた後のポイントについても丁寧に解説します
✓e.t.c.
「エコで健康な家づくり」
✓日本の住宅は環境先進国に比べて何十年も遅れていることをご存知でしたか?
✓どこの住宅会社も唱えている「高気密高断熱」には、考え方やレベルに大きな差
✓快適で省エネな家は注文しても簡単には手に入らない
✓健康を害する家、健康を維持できる家、その違い
✓「見えないコスト」を知る 建てる家の生涯価格を知る
✓e.t.c.
「木の家づくりコンセプト」
✓なぜ自然素材はいいの?
✓日本人の暮らし方と住まいが果たしてきた役割 そしてこれからの家
✓木の家の本当の価値
✓本物を知ると、家づくりが変わる
✓小さくつくって大きく暮らす「引き算」の設計
✓e.t.c.
「暮らし方から考える土地相談会」
✓家づくりを本業とする会社だからこそ話せる土地選びの真実。
✓分譲地の中にある4種類の土地、あなたはどこを選びますか?
✓土地は平面だけではなく立体で考える。土地選びに必要な「目」を養いましょう。
✓スーパーで牛乳を買う/不動産屋さんを通じて土地を買う・・・2つの話から学ぶべきこと。
✓e.t.c.
スタッフも常に勉強。そして勉強会を重ねていく中で、お客様からいただいたご意見やご質問を元に、その都度、勉強会の中身をより聴きやすくわかりやすいものへと進化させていきます。家づくりをお考えの皆様に、「参加しておいて本当によかった!」と思っていただけるような、価値のあるユーザーメリットをご提供できる、オンリーワンの勉強会をお届けしていきたいと思います。
暮らしの勉強会について、ご興味のある方はぜひ私たちまでお声がけください。
|新潟県上越市・妙高市・糸魚川市で最高の地元ライフ|自然素材の注文住宅|木の家をつくる工務店|デザイン住宅の新築・リフォーム|小さな邸宅|キノイエ|www.kinoie-niigata.com|0120-470-456|
キノイエ タイムス vol.2
October 6, 2016
キノイエの暮らし方を広く知っていただくための情報紙「kinoie times(キノイエ タイムス)」第2号の打ち合わせを現在行っています。
今回のテーマは、「エコで健康な木の住まい」の魅力にフォーカスして、家づくりをお考えの皆様によりわかりやすく、一つでも有用な情報を持ち帰っていただけるような見学会や勉強会の企画を準備したいと、担当者の間では盛り上がっています。
ちなみに、現在表紙のデザインを検討中ですが、今のところの案はこんな感じ。このブログをご覧になった方にはちょっとフライングしてお見せしちゃいます(笑)今回の表紙は、先月行われた秋の暮らし方見学会「おうちキャンプ」の1ショット。ソトとナカをつないで暮らしを楽しむ家の魅力を少しでも感じていただければ幸いです。ただし、最終版の表紙デザインは変更になる場合がありますので、あしからず。発刊は今月中旬を予定しています。
また、前回好評だった「木の家マルシェ」の第2弾も計画も進行中です。街なかにたった一日だけオープンする小さな暮らしの市場、参加店舗の皆様と仲良くわいわいアイディアを出し合いながら、第2弾も皆様に楽しんでいただけるような催しにしたいと考えています。今回はどんなマルシェになるのか乞うご期待。
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まちの中にある寮
October 5, 2016
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ひととき
September 28, 2016
上越モデルハウス「塩屋新田の家」にて、スタッフのオフショット。
先日行われた秋の暮らし方見学会‟おうちキャンプ”の設営時の1コマから。このキノイエのブランドづくりに携わったツートップ鷹澤&伊藤コンビ、いちばん居心地がいいと感じている場所を陣取ってのしばしの休憩。
ここに座ると、時間の流れがとてもゆっくりになります。男二人が近くで無言で座っていても気まずくない空気感(笑)
でも、本当に言葉はいらない。この「ひととき」の居心地の良さ、写真では何分の一しか伝わらないのが残念です。
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木の家マルシェ間もなく開催!~出店者の思い(後編)
September 17, 2016
昨日に続き、いよいよ明日9/18(日)開催予定の「木の家マルシェ」の出店者様の思いをご紹介させていただきます。
地元上越の無農薬米を生産・販売する「農業組合法人ファーム富岡」さん。仲間でチームをつくり、地元で育ったお米を生産者がそのまま地元の食卓へお届けしている頑固一徹な商売を貫いています。野生のサギ達もエサを求めて集まってくるという自慢の田んぼでは、化学肥料や農薬をできる限り使用しない安心安全なお米づくりにこだわり、一粒一粒大切に育て、今年で10周年を迎えています。「地元を大切にし、地産地消でがんばる人には共感する。心から応援したい。」と今回の出店を決めていただきました。
最後にご紹介するのは、「土の香工房cotocoto」さん。cotocotoさんでは、「発酵のまち上越」・「上越の自然豊かで四季折々の美味しい素材」を地域の皆さまをはじめ全国に発信しようと、食材をドライ商品や塩糀の商品作りに取り組んでいます。こちらのcotocotoさんも安心安全はもとより、地域に根差した商品づくりへのこだわりが強く、地元上越地域での住まいづくりを考えるキノイエとはとても馬が合うようです。
木の家マルシェは、いよいよ明日9/18(日)10:00~キノイエ上越モデルハウス「塩屋新田の家」で開催です。ご近所に遊びに行くような気軽な気持ちでぜひお越しください。
また、今後の開催も検討しておりますので、趣旨にご賛同いただける出店仲間も募集しております。詳しくは、0120-470-456 又は info@kaneta.co.jp カネタ建設「木の家マルシェ」担当藤田までご連絡ください。
木の家マルシェ間もなく開催!~出店者の思い(前編)
September 16, 2016
いよいよ今週末9/18(日)、「木の家マルシェ」が開催されます。
会場は上越モデルハウス「塩屋新田の家」 。新興住宅街の中で1日限りの小さな市場。只今、スタッフが鋭意準備中です。
初めの試みですので、どのくらいのお客様にご来場いただけるか、全く未知数。ですが、スタッフ一同、楽しいマルシェにするべく、出店仲間の皆様と知恵を絞っていきたいと思います。
さて、このマルシェ開催にあたっては、開催趣旨に深く理解と共感をしていただいた出店者様のそれぞれの思いがあります。
まずは、天然酵母パンを製造販売する「こびと窯」さん。アレルギーやアトピーに関して非常に問題意識を持っており、そのため”イースト”や市販の”天然酵母”は一切使わない主義を貫いています。イーストなどを使わずふっくら焼き上げるのは至難の業ですが、それでも安心安全な手づくりの美味しさを伝えたいという思いを大切にしています。小さいお店ながらもその理念に共感し、少しずつリピーターさんを増やしています。今回のマルシェ開催にあたり、私たちキノイエの建物にもわざわざ足を運んで直接体感していただき、本物の安心安全にこだわる私たちの家づくりの考え方にも賛同していただいた上での参加となりました。参加にあたっては、「最初は売れなくてもいいので、この開催趣旨を理解していただける多くの人に知ってもらえればと考えているので、ついていきますよ。」という大変ありがたいお言葉をいただきました。私たちスタッフも勇気が湧いてきます。
そして、「スウィーツ工房くみ」さん。これまでもお菓子づくりに強い思いがあったものの、ご両親の介護など、様々な理由で本腰を入れることができずにいましたが、近年ようやく力を入れていける体制が整ったため、現在溢れるほどの創作意欲で、妙高市産こしひかり玄米粉100%にこだわり、お米つくりから一貫して添加物一切不使用の厳選素材のお菓子づくりを行っています。店舗を持たず、ご自宅で注文販売をメインにしています。くみさんにも、一度キノイエの住まいにまで足を運んでいただき、開催にあたってのお互いの思いをゆっくりと話し合いました。自然素材にこだわる姿勢、地元主義という考え方に深く共感していただいての出店となりました。
明日は、地元上越で無農薬米を生産する「農業組合法人ファーム富岡」さんと 、地元上越の厳選素材にこだわった乾燥食材を販売する「土の香工房cotocoto」さんのご紹介です。どうぞお楽しみに。
木の家マルシェは、いよいよ9/18(日)10:00~キノイエ上越モデルハウス「塩屋新田の家」で開催です。ご近所に遊びに行くような気軽な気持ちでぜひお越しください。
いちばん伝えたいのは
September 11, 2016
先日、キノイエの「コンセプト会議」(勝手に命名)を行いました。内容はイベント企画や発信方法についてなど様々。
コンセプト会議とかっこいい名前を付けておきながら、実は、関係者数名でコーヒーを飲みながらフリートーク(笑)この日の大きなテーマは、キノイエの良さを伝えるために、いちばん大切なことは何か?でした。
結果、たくさんの素晴らしい意見、アイディアが飛び出しました。でも、落ち着くところ、いちばん大切なことは、「この家の何とも言えない心地よさをとにかく感じてもらうことだよね」という話に(笑)
いいものに理屈はいらない。感情を揺さぶる「何か」がある。その一点にフォーカスした伝え方を整理してみようという話になりました。仕事ながら、こういう時間が楽しいと思える環境に感謝です。
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庭づくりの重要性
September 8, 2016
ずっと未完成状態が続いていた塩屋新田の家の庭が、このほどようやく完成しました。
ここまで完了が長引いたのは、竣工当時まだ計画中であった南側に隣接した建物の位置関係、外観の確定を確認した上で、リビングからの視界と、お隣さんからの視線との関係を見極めてからという事情がありました。庭づくりの成否は、隣接する家々との関係を考えてこそ成り立つものです。ソトを上手に取り込み、ナカの暮らしに広がりを生み出す庭の存在は非常に重要。だから、なるべく隣接建物の計画がある場合は、慌てずその完成を待ってから行うのがベターです。
今回の庭づくりにおいては、幸い、こちらのリビング側に面したお隣のお住まいの窓が水回りのすりガラス窓や収納室の窓が中心らしく、普段の生活シーンでほぼ直接的に目線が合うということがないということが分かりました。加えて、外壁もシンプルな黒単色の波型金属サイディングであったために、色彩的な干渉も少なく、周辺の視界を遮る役割も担ってくれています。結果としてプライバシー性の高い中庭のような空間になりました。母屋だけでなく、カーポートや離れとの連続性が生きるこの庭の利用価値はまさに無限大です。なお、西側の敷地はキノイエの住宅建設予定地でもあるため、塩屋新田の家とのつながりも考えて自由に考えることができ、2軒のつながりも含めてこれからのプランニングが非常に楽しみです。
完成といっても、本当の庭づくりは実はこれからが本番。庭に植えられた多くの植物たちがきちんと成長するように面倒を見ながら、小さな森をつくることが目標です。今回、庭木には、モミジやセイヨウカマツカ等の落葉樹に加え、ナンジャモンジャ等、四季折々の表情を楽しめる樹種を選びました。そして、ちょっとした遊び心で、中央に流木を配置。ちなみに、この流木、私たちの住む上越地域では、海岸に行けばそれなりに簡単に手に入る何の変哲もない代物ですが、所変わるとその価値は一気に変わります。特にこの上越地域から内陸部に位置する長野県内に住む方にとって、流木は非常に入手困難な高級品。おそらく、写真のサイズの流木だと、所変われば‟ん万円(?)”になる可能性もあります。
地元に眠る、こうした付加価値の高い素材に目を向け、暮らしの一部に反映させる・・・地元で生まれ育った私たちが家づくりで行うべき、とても大切な仕事であると考えています。家づくりを通して、ご家族にとっての「最高の地元ライフ」を実現すること。それが私たちの仕事です。
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建築家 趙海光先生からの応援メッセージ その2
September 7, 2016
キノイエの企画・設計・監修を担当していただいた建築家の趙海光(ちょう・うみひこ)先生から、素敵な応援メッセージの第2弾が届きました!現代町家の考え方を提唱し、全国の建築関係者から注目されているその道のエキスパートでもある趙先生が、私たちのために特別に寄稿していただきました。
趙海光(ちょう うみひこ)先生
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【その2 キノイエの職人さんたち】
みなさんこんにちは。残暑にあえぐ東京目黒から、二回目の応援メッセージを送ります。
前回は我が家のリフォームの話でしたが、こんどはキノイエの現場で出会った職人さんたちの話。とっても魅力的な人たちでした。ただし、実際にお顔を拝見したのは大工さんだけなんですけどね。なのにどうして魅力的だって分かるのか?
うん、そこが私たちの仕事の面白いところです。
図面を描くとそれが現場で実物になるって、当たり前みたいだけど本当は凄いドラマだって思いません?
実物ができるのは図面があるから、では図面にはいったい何が描いてあるのか。
形?寸法?素材?色?どれも大事ですけど、でもいちばん大事な情報は「どうつくって欲しいか」というメッセージなんです。
もちろん言葉でそう書くわけじゃなくて、あくまでもこれは寸法や素材を通しての密かなメッセージなんですけどね。このメッセージがうまく伝わるかどうかが図面を描く人間の腕の見せ所。たとえばキノイエの障子の図面に、私は桟の幅15ミリと描きました。図面を受け取った建具屋さんはきっと疑問を持ったはずです。———ふつうの障子は外枠と中桟の寸法が違うはずなんだけど、なんでこの図面はどこもみな15ミリなんだろう?
このとき建具屋さんに、「あーあ、このヒト(図面を描いたヒト)現場を知らないな」と思われたらアウトです。そう思われないために、図面を描く人間は寸法や形にメッセージをこめる。この障子の場合、図面に描かれた全体の形を見たとたんに建具屋さんの疑問は解消されたはずです(きっと)。「ああ、なるほど、そういうことか、ヨシムラ式ね。」
前にもこのキノイエブログのどこかで触れられていましたが、この障子はかの建築界のレジェンド「吉村障子」の変形バージョンなのです。
そのむかし吉村順三という昭和の大建築家がいて珠玉の住宅をつくりました。彼が編み出したのが升目の大きな荒間格子の障子です。で、その最大の工夫は中桟と縦框の幅を同じにしたところ。こうすると二枚の引き違い障子が、離れてみるとただの一枚障子に見えるんですね。
ところで正統の「吉村障子」は碁盤の目格子なのに、私の設計は縦格子で横桟は一本だけ。きっと職人さんは苦労したと思うのですが、その出来映えはなんとも見事なものでした。現場で完成した姿を見てちょっと感動。嬉しかった。
さてこんな話をしたのは、じつは心配だからです。———やがて職人さんとこんなふうに図面で語り合うみたいなつくり方はできなくなるんじゃないか。
いまはなんでも既製品の時代で、図面を介して職人さんと対話しながら手づくりするチャンスはどんどん減っています。当然のように職人さんも減ってますから、そのうち図面を描いてもそれを実物にするヒトがいない、なんてことになりそう。そうなると私も失業しちゃうわけで、うーん、これはピンチ。
でもね、こういう場合は明るくいったほうがいい。嘆いたって始まらないんです。嘆くよりは、どうやったらいまの既製品全盛の時代に職人さんの腕を活かせるかを考えるべきなんですよね。
というわけで、キノイエ設計チームではこう考えました。つまり、全部を手づくりにしようなんて思わない。既製品が活かせるところは既製品でOK。ただしいまでも手づくりのほうがリーズナブルなところだってあるのだから、その部分をなるべく増やそう。
そこで私が思い出したのはあるグループのことでした。
東京に「わざわ座」というのがあります。「わざわざ、やろうよ」を合い言葉にした職人、デザイナー、工務店の集まりです。彼らが考えたのは「職人が手仕事でつくる道具を、デザイナーが計画して、工務店が四方良しの価格で住み手に手渡す」というやり方。つまり「手仕事を活かすためのネットワーク」なんですね。
「四方良しの価格で」なんて、泣かせるじゃありませんか。大工さんに頼んでテーブルやキッチンを手づくりしてもらう、なんてことはこれまでにもよくありましたが、ここではそれをもっと組織的に計画的にやろうというわけです。
これをお手本にキノイエでも、障子に限らず他のところにもできるだけ手づくりのパーツを増やそうとみんなで知恵を絞りました。キノイエに置かれているソファー、テレビボード、パントリーなんかはそんな考え方から生まれたものです。
これらはみんなキノイエの大工さんが、新潟産の厚板を素材にして型紙(図面)からつくってくれました。型紙は保存されていますから、お望みならこれをお読みの皆さんにも同じものをお分けできます。(値段はたぶん家具屋で買うよりも安いはず。)
IKEAで量産品を買うのもよいですけれど、チャンスがあったらキノイエネットワークがつくる新潟産厚板クラフトワークの品々を使ってみませんか。そうすると地場の製材所や職人さんにもお金が回って、ちょっとだけみんなの暮らしが良くなります。
***************
趙先生、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(キノイエ スタッフ一同)
趙 海光 ちょう うみひこ (一級建築士)
1972年法政大学工学部建築学科卒業。1980年(株)ぷらん・にじゅういち設立。
1990年代に台形集成材を使用した一連の木造住宅「台形集成材の家」を設計。
2000年代に「フツーの木の家」シリーズ。
2007年以降は町の工務店ネットと共同で「現代町家」シリーズに取り組む。
一貫して国産材を使用した現代型の木造住宅を設計するとともに、『住宅建築』誌を中心に木造住宅についての論考を多く発表し、国産材の開発と普及に努めている。
編著書に『高山建築学校伝説』鹿島出版会。
また『新建築住宅特集』に「在来工法ファイル」を連載(2004~2005年)
受賞歴
2011年 「びおハウス」により、チームおひさまのメンバーとしてグッドデザイン賞。
2009年 「博多・現代町家」により、町の工務店ネット、長崎材木店とともにグッドデザイン賞。
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「決算書を見せてもらえますか?」
September 6, 2016
「決算書を見せてもらえますか?」
これまでのお客様で、私たちはまだ一度も言われたことのない言葉ですが、もしかすると住宅会社選びで最も重要な要素の一つかもしれません。
それはなぜか?
さて、本日は、ここから特別に長いブログの文章になっております。やや難しいテーマでもありますので、真剣に住宅会社選びを考えている方以外は、飛ばしていただいて大丈夫です。
その会社の決算書を見る必要・・・実は、多くの住宅会社の経営基盤が非常に不安定であることに理由があります。それも、規模の大小や今現在の人気とは別の次元の話になります。ある時代に彗星のごとく現れ、破竹の勢いで売り上げ棟数を伸ばし、一躍業界のスーパースターに成長したかと思えば、わずか10年もたたないうちにある日突然経営破たんするという住宅会社は少なくありません。そして、その歴史は戦後日本の高度経済成長以降、ずっと繰り返されています。その昔、旧御三家と呼ばれた大手住宅会社のうち2社は既に過去に経営破たんを起こしています。また、2000年代に入ると、非常に悪質な会社も登場します。当時業界の風雲児として急成長株だったある住宅会社は、その実極めて厳しい経営状態に陥っており、倒産することを知りつつ、「今契約金を全額入金すれば○○割引きする」という手口で次々と新規契約を結び、その後破たんにより約500棟の未着工・未完成物件と共に多くの被害者が発生、経営者が詐欺容疑で逮捕され、大きな社会問題に発展したケースもあります。
もちろん、企業規模の大小に関わらず、起こっています。地元中小工務店の中でもある時期から行列のできる人気工務店として脚光を浴びていながら、同様に突然経営破たんするケースも少なくありません。この新潟県内でもデザイン力を武器に急成長した人気住宅会社が、突然倒産したというニュースは記憶に新しいところです。
ここで特徴的なことは、業界のトップ、エリアの販売実績トップクラスの有名企業であったとしても「潰れる会社は潰れる」ということです。
では、どこで潰れない会社、よい会社を見分けたらよいのでしょう?
その一つのバロメーターが「決算書」なのです。決算書は、いわゆる会社の健康診断結果です。健康状態に異常がある場合は必ず何らかの数字になって現れてきます。宣伝でよく見かける有名な会社だけど、その内実は経営が火の車という場合もあります。短期間で急成長した会社によくあるケースで、巷の評判とは無関係のところで、会社が大変な状態に陥っているケースも十分あり得ます。特に近年では、低価格を売りにした企業の熾烈な消耗戦で非常に財務状況の苦しい会社が増えてきているという業界の話も耳にします。
だから、ちょっと勇気はいりますが、ものは試しに「決算書を見せてもらえますか?」と聞いてみてはどうでしょう?
ただ、決算書に触れる機会などほとんどない方にとっては、実際に決算書を渡されてもチンプンカンプンだということになると思います。でも、それでもいいのです。まずは、決算書をすぐに見せてくれる姿勢がその会社や経営者にあるかどうかが大事です。もちろん、会社の重要な書類になりますので、簡単にペラペラとめくってコピーを取ってくれるという事はないかもしれませんが、経営の中身について堂々と説明できる姿勢があるかどうか(もちろん、経営者自身が決算書の中身についてよく理解しているか)が大事なのです。
反対に、その話を聞いた途端に態度を一変させる経営者もいるかもしれません。あるいは、「ウチは毎年黒字なので大丈夫ですよ」と具体的な数字には触れない会社もあるかもしれません。
本当に決算書を見る必要はないにしても、まずはその時の社長の反応を見るだけでも、何か気付くことがあるかもしれません。そして、その様子で気になった会社については、後日、疑問点を整理して再度ピンポイントで質問を投げることも可能です。
ただし、仮に決算書を見せてくれたとしても、注意しなければならないのは、その決算書が「粉飾」である場合です。特に、経営破たんのリスクがある会社の中には、既に何期にも渡り、粉飾が疑われる決算書を作成している場合があります。これは、素人には簡単に見破ることはできません。決算書のいくつかの項目を前後右左に移動させることで特定の項目をよく見せようとしたり、数字そのものを虚偽のものに差し替えるといった、企業会計で守らなければならない「一対一」の原則を破る悪質な経営者はいつの時代でも業界、規模の大小に関わらず存在します。
ちなみに、本当に疑わしい会社の特徴は、「会社の数字を公表したがらない」という傾向があります。例えば、取引先からの調査依頼などを受け、信用調査会社がその会社に訪問調査したり、決算書の提出を求めたりするケースがよくありますが、それを受けつけない会社もあるそうです。こうした場合、疑義があるとみなされ、当然ですが調査会社や金融機関からの査定評価に影響します。ちなみに、私たちは調査会社の依頼は全て代表者自らが応対し、質問されたことに対して全て開示、あるいは詳細な説明をさせていただいています。また、こうした情報は時として、下請けを中心とした協力企業やその関係者の間で噂として広がっている場合もありますので、参考になるかもしれません。
ちなみに、決算書には見るべきポイントがいくつかあります。
決算書には大きく分けて2つの諸表があります。
一つは「損益計算書」。昨年いくら売り上げ、いくら儲かったのか?と示す一覧表です。各項目どれくらいプラスかマイナスか?で見ることができるので、比較的わかりやすい表です。その中で、特に見てほしいポイントは以下の通りです・
◎営業利益
本業でちゃんと儲かっている会社はここの数字が高くなっています。反対に、ここでほとんど利益が出ていない、あるいは赤字である場合は、本業が上手くいっていないことを表しています。細かく突き詰めると、ここでしっかり支払う経費をちゃんと計上しているかどうかも重要になります。
◎経常利益
上記の営業利益+営業外の収支を合わせた利益の額です。
営業では儲かっていないのにそれ以外の収入で儲かっているという会社もありますが、その臨時収入が単発のものであれば、それは危険な状態です。臨時収入が途絶えた途端、経営が悪化する可能性があります。営業利益と経常利益の関係が見えてくると、その会社の状態がおぼろげながら見えてきます。
◎当期利益
正確には税引き前当期利益と税引き後当期利益があります。税引き後当期利益は、上記の経常利益からさらに特別な項目の収入と支出を差し引きし、当期利益を基に計算された支払うべき税金を支払った後の実質的な残りです。優良企業は毎年コンスタントに法人税等の税金を納めています。企業が支払う税金はその地域の大切な財源になります。しっかりといい仕事をして儲けを出し、その地域に還元していくことは企業としての重要な社会的責任です。
見ていただきたい諸表のもう一つは、「貸借対照表」です。これは、長年の企業活動を通じて、会社がどのような体つき、あるいは体力になっているかを示す指標で、簡単に言えば、人から借りた財産と自分で持っている財産のバランス関係を表す指標です。その名のとおり「バランスシート」とも呼ばれています。単純に、自社が自由にできる保有財産が多ければ健全、人から借りている財産が多ければ経営が不安定な状態であると考えると分かりやすいでしょう。
◎資産の部合計
会社が自前で保有している財産の一覧です。この中には、すぐにお金に変えられるものとそうでないものがあります。財産の中身の一つひとつについてはここでは割愛しますが、すぐにお金に変えられるものが多いと、いざというときに財産を現金化して、危機を乗り越えることができます。
◎負債の部合計
会社が抱えている負債の合計です、必要な借金もありますので一概には言えませんが、少なくとも短期借入金、長期借入金といった銀行等からの借入金額が適正かどうか?(いざという時にちゃんと返せるのかどうか?)を見ることが大事です。要するに借金まみれになっていないか?を見る指標です。単純に年間売上金額を超えるような借金をしていると要注意です。利息の支払いだけで首が回らなくなっているケースもありますので、その時は「損益計算書」の中の「営業外費用」にある「支払利息」の数字を見ると実態が分かります。
◎純資産の部/自己資本比率
ここが一番重要な指標です。会社の総資本に対する純資産の比率=会社の持久力を表します。自己資本比率が高ければ、自力で立てる会社、低ければ、他人のお金に頼っている会社となります。細かいことはともかく、自己資本比率が40%を超えていると優良企業(50%を超えるとかなりの優良企業)になります(粉飾の場合は別)。反対に20%を切ると倒産リスクの高い会社(成長中の会社で大きな投資をすることにより、一時的にこの数字が低くなるケースもあります)ただし、設立後間もない企業は、この比率が少ないケースが多いので、その場合は、毎年順調に比率が増えているかどうかを見ていくと分かりやすいと思います。ちなみに、この数字がマイナスになると即ち「債務超過」の会社という事になります。ただし、回収できない未収入金や大量の不良在庫や売れない土地など、本来なら不良資産として扱うべき数字を健全資産だと偽って資産に計上し、自己資本比率を高く見せようとしている会社もありますので、注意が必要です。
そして、決算書はできる限り最低過去3年前からの変化を見ることをお勧めします。安定的な経営を続けているのか、慢性的な営業赤字の経営なのか、あるいは、急成長してはいるが、そのために無理が生じていないか?「決算書の数字にはドラマが隠れている」と表現する経営者もいるほど、その中身に興味関心を持つことで、その会社の様々な様子や考え方がにじみ出てきます。
いかがでしたか?経営の重要な責任の一つに「永続する」ことが挙げられます。目先の売り上げ拡大や人気に気を取られ暴走し、財務の悪化に目を背けることは企業として極めて危険なことです。何より、お客様のその後の暮らしを守るという絶対的な使命を忘れてしまってはいけません。その会社の問題だけではなく、住宅業界そのものの信用につながる問題で、お客様に与える影響は計り知れません。
私たちキノイエを運営するカネタ建設は、先代経営者の意思を引き継ぎ、創業から83年の歴史の中、苦楽を重ねてながら堅実経営への舵取りから手を放すことなく、足腰の強い企業体質づくりに注力をしてきました。住まいづくりの中でうたわれる「安心・安全」の究極のものさしは、その責任を負っている住宅会社の「安心・安全」レベルなのだと思っています。
「決算書を見せてください」・・・長年の経営でいい時も苦しい時も経験してきた私たちの経営の履歴はいつでもご覧いただけます。