重要無形文化財
April 12, 2018
4月10日は、糸魚川市の代表的な春祭りの一つ「天津神社春大祭(通称:けんか祭り)」の日です。そしてなんとこの日、弊社は創立記念日として、毎年一部の業務を除きお休みとさせていただいています。そして、天津神社は弊社の本社事務所から歩いて数分という至近距離。ということで、今年も行ってまいりました。
300年以上の歴史があり、「動」と「静」の対比が大きな見どころとなっている天津神社春大祭(けんか祭り)は、毎年4月10日に開催され、寺町区と押上区の2つの神輿に分かれ、100人以上の若い衆が対抗する形でぶつかり合い、力と力の競り合いによって勝敗を争うもので、寺町が勝てば豊作、押上が勝てば豊漁と言われています。弊社にも、毎年神輿の担ぎ手、あるいは伴走者として参加しているスタッフがいます。
午前中は、まず稚児(ちご)の御練りから始まります、鮮やかな装束に身を包んだ稚児が大人に担がれて境内を1周半ほどします。それが終わると、一気に「動」のモードへ。威勢のいい掛け声が響く中、2つの神輿が境内を勢いよく疾走します。ほどなくして神輿のぶつかり合いが境内の随所で10回前後行われます。
神輿のぶつかり合いが終わると、祭りはまた「静」のモード、舞楽(稚児の舞)へと移ります。ちなみに、新潟県内ではいくつかの舞楽が国の重要無形民俗文化財に指定されていますが、そのうち3つはなんと糸魚川市内のお祭りとなっており、この天津神社春大祭(けんか祭り)の舞楽がその一つに指定されています。大国主命(おおくにぬしのみこと)に愛された、古事記に記される日本の最古の姫「奴奈川姫(ぬながわひめ)」生誕の地、そしてヒスイ文化発祥の地でもある糸魚川。あらためて、この地は深い歴史と伝統が根付いた神秘的な土地なのだということを実感します。
舞楽には12の演目があり、最後の演目「陵王(りょうおう)」が終了するまでに約5~6時間。日の暮れる頃に祭りはお開きとなります。ちなみに、この舞楽は 4月10日と11日の2日間行われ、2日目は古くから伝わる別の衣装を身につけて舞うため、それぞれに楽しめます。(残念ながら、今年は11日の天候が悪く、2日目の舞楽は中止となりました)
ここのところ、雨模様が多かったのですが、10日だけは奇跡的に快晴!桜の開花時期が例年よりも1週間早かったことを除けば、ここ近年の中でもベストコンディションの中でのお祭り鑑賞となりました。
おかげで、お酒もたっぷりいただきました(笑)来年もお天気になりますように。
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”魅せる”だけじゃない”裏地”
April 10, 2018
上越市内で建築中の「西本町の家(仮)」の途中経過です。
南面の1階軒下の部分は、キノイエのアイデンティティでもある「すのこ天井」を設置。地元の杉材をソトとナカにふんだんに使用し、ぬくもりと経年変化を楽しむ本物感が住むほどに愛着が深まるデザインを実現しています。
そして、もちろん、内部の2階天井も同様に「すのこ天井」にします。
まずは、屋根の外側からは最高レベルの断熱性能をもつフェノールフォーム断熱パネルが設置され、屋根から吸収される日射熱を高い次元でブロック。
次に、内側からは付加断熱として木質系繊維断熱材(ウッドファイバー)を敷き詰めることで、驚くほどの蓄熱効果と防音効果を発揮します。
下地処理が済んだら、その下にすのこ天井を設置します。
すのこ天井にすることのメリットは、杉材の四面全てが天然木の吸放湿性能を発揮することで、一年中快適な室内環境を保つことができることです。夏は太陽から降り注ぐ灼熱をブロックし、雨季の激しい雨や冬季のあられなどの屋根を叩く音を吸収し、室内の湿度を一定に保つ・・・2階を寝室にする方にとって最高の居心地とは何か?を考えたギミックが満載のすのこ天井は、単に“魅せる”だけではない、理にかなった機能をもつ贅沢な“裏地”なのです。
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桜吹雪の地鎮祭
April 8, 2018
先日は上越市内で地鎮祭が行われました。
この日は急に冷え込み、冬に逆戻りしたような天候に。風も強かったため、急遽テントには横幕を設置しての地鎮祭となりました。
寒さと強風の中でしたが、ちょうど桜の花の散り始めということもあり、桜吹雪が何とも言えない情緒を感じさせる神事となりました。敷地内に散りばめられた桜の花びらが貼り絵の模様のように美しく幻想的。お施主様にとっても、この日の光景はこの先もずっと目に焼き付いていくことでしょう。
地鎮祭終了後は、主要施工協力業者の皆様も集まり、スタートミーティングを開催しました。
寒い中がんばったお子さまのTくん。この日は見知らぬたくさんの大人たちに囲まれて、少し恥ずかしそうにしていましたが、本当にいい子にできましたね。
三寒四温といえば、普通2月~3月にかけて当てはまるのですが、今年は少し変則的。高田の観桜会は例年よりも1週間早い見頃を終え、すでに葉桜に変わりつつありました。
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イケメン棟梁(?)
April 5, 2018
弊社にはいくつもの優秀な地元熟練大工チームとのネットワークがあります。彼らと常に様々な情報共有を行い、キノイエの品質向上に努めながら、お互いの信頼関係を深めています。
そんな中、実は、弊社内にも自社大工が在籍しています。本日ご紹介するのは、弊社きっての若きイケメン大工(?)宮川嘉一郎(かいちろう)君です。1994年生まれの23歳。建築の専門学校を卒業後2015年に弊社に入社。棟梁としての大成を目指して現在修行中です。
抜群に写真映えするキリっとした表情とは裏腹に、実はかなりの天然系(笑)みんなの笑いを誘う愛されキャラです。
そんな彼のこれまでの活躍をほんの少しだけ写真で振り返ってみると・・・
まだ駆け出しの頃、イベント会場では、子どもたち向けの工作のお手伝いといえば彼の仕事でした。
数年後、キャラも独り立ちし、リフォームイベントでは、宮川君ありきの目玉企画で「イケメン大工とつくる椅子」と銘打ったコーナーがチラシに印刷されるも、前日に胃腸炎にかかり、あえなく降板(笑)
また、弊社の夏の一大感謝祭イベント「オレンジフェア」では、一昨年、ムエタイ選手としてデビュー。
・・・もはや、何の仕事をしているのか分からなくなってきました(笑)
でもご安心を。そんな裏で彼は既にこれまで多くの新築現場に関わり、着実に実力をつけ、頭角を現しています。最大の長所は「素直さ」と「粘り強さ」。大工として新築のいろはを叩き込まれながら、同時にリフォーム工事の監理サポートや、前述のような様々なオーダーにも前向きに取り組む姿勢が、徐々に周囲からの信頼を集めています。そして、最近の新築現場では、熟練大工のサポートを受けながら、見事に棟梁としての役割を果たしています。
・・・ところが、そんな彼の肝心な大工としての仕事中の姿が全くカメラに収められていませんでした(笑)
彼の本当の活躍シーンは、後日までのお楽しみということにさせてくださいm(_ _)m
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入社式
April 3, 2018
週明けの4月2日、弊社にまた新たな仲間が加わり、入社式が行われました。
今回入社されたのは、新卒採用で建築部に配属の岩﨑さん、中途採用で営業部・広報企画課に配属の布川さん、同じく中途採用で介護事業部に配属の板橋さん、山本さんの計4名。年齢も歩んできたバックグラウンドも全く異なる新しい仲間。入社初日は誰もが緊張するものですが、同様に受け入れる私たちも緊張。そのためか、朝礼の段取りもいささかいつもとテンポが違っていて不思議な感じでした(笑)
左から介護事業部の山本さん、板橋さん、営業部・広報企画課の布川さん、新卒採用で建築部の岩﨑さん
新しい仲間が加わる度に発せられる社長からのコメントには、これまでずっと一貫しているテーマがあります。「当たり前ですが、新しい職場でスタートを切る皆さんにとっては、特に緊張感と多くの刺激を味わう瞬間でもあり、今までの自分にないものを吸収できる大きな人生の節目でもあります。しかし、同時に現社員の私たちにとっても新しい仲間たちの人間性や個性から実に多くのことを学べるまたとないチャンスになります。新しい仲間が加わるということは、まるで遺伝子の交換のように、私たち現役社員にとっても自らを進化させることができる貴重な機会なのです。そして、大勢の集団の中にあっても入社歴に関係なく、一人の影響力は自分自身が想像する以上に大きいということを忘れないでほしい。」多くの人との出会いほど、人間を成長させるものはないと考えているのが私たちの会社です。
代表挨拶をする岩﨑さん
辞令交付式の後、4名の皆さんは、それぞれの部署にて研修がスタート。またいつの日か、こちらのブログで、いきいきと活躍する4名の皆さんの姿をご紹介できればと思っています。どうぞお楽しみに。
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暮らしを建てる
April 1, 2018
心地よい小春日和。モデルハウス塩屋新田の家の玄関先では、長寿桜が少しずつつぼみを蓄えてきました。
そんな先日のある日。打合せのために1組のお客様がモデルハウスに再来してくださいました。
この日はとても暖かく気持ちのよい日でしたので、リビングのサッシをフルオープンにしたころ、お子様ののSくんがウッドデッキにおもちゃを持ち出し、嬉しそうに遊び出しました。まだ小さな赤ちゃんを抱っこしながら、その姿を愛おしそうにスマートフォンで撮影するお母さんの姿。それは、まるで昔からそこで暮らしている家族の日常のような自然な光景でした。
「こんな暮らし、いいよね」
私たちスタッフが純粋に感じた心のつぶやきです。私たちの仕事は、家を建てることである以前に、暮らしを建てることにあると思っています。だからこそ、こうした日常の何気ない1シーンを大切にしていきたいと思います。
秋から冬にかけてリビング奥の和室近付近にまで伸びていた陽の光もずいぶんと短くなりました。自然界は既に夏の準備が始まっています。
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共同開発~より高いコストパフォーマンスを求めて
March 29, 2018
キノイエの構造は、プレウォール工法と呼ばれるパネル工法を採用しています。
この工法については、ブログで度々取り上げていますが、あらためて整理すると、採用するメリットは以下の3点になります。
(1)繰り返しの地震にも耐える高い耐震性能
軸組と床・壁パネルを組み合わせ、耐力壁をバランスよく配置する「モノコック構造」が実現。「モノコック構造」は、ジャンボジェット機にも使われる一体構造のことで、どの方向から荷重がかかっても全体に分散し、 部分的なひずみやくるいが生じにくいのが特徴です。また、構造用合板が外面につく「大壁構造」ではなく、柱と柱の間に収まることで構造材の釘抜けによる強度劣化が起こらない「真壁構造」により、繰り返す余震にあっても耐震性能を維持する構造を実現しています。
(2)最高ランクの断熱素材による高い断熱性能
一般的な住宅に使用されている断熱材「グラスウール」にくらべて 約2倍の断熱効果で世界最高レベルの断熱性をもつ「フェノールフォーム」を採用し、家全体をすっぽりと包み込むように施工することで、より確かな高気密・高断熱を実現し、1年中、快適で省エネな家をかなえます。
(3)高温多湿な日本の気候風土に耐える高耐久性能
水を吸い込まず湿気に強いフェノールフォームは結露の心配が一切なく、長期にわたり品質特性を維持することが可能です。また、高精度の工場生産体制により生まれる商品であるため施工現場でのばらつきがないという点が大きな特徴になります。 長期に渡る安定した品質で、お客様の健康な暮らしに対する安全・安心を考えた末の選択です。
<内部結露のメカニズム>
【他素材】
壁(断熱材)の中が湿っている状態が続くと、柱や土台を腐らせる原因となり、建物の耐久性を損なってしまいます。
【プレウォール】
壁(断熱材)の中は常に乾燥。さらに気密性も高いので、湿気が入りこむすきを与えません。柱や土台が腐ることなく、健康な状態を保ちます。
なお、こちらの補足解説につきましては、過去のブログ記事(抜粋)も併せてご参照ください。
<関連ブログ記事>
さて、本日皆様にご紹介したかった話題はこちら。このプレウォール工法、実は現在の商品ラインナップに弊社の現場の知恵と工夫が反映されているのです。
<初期プレウォールパネルの商品バリエーション>
柱角105㎜用
柱角120㎜用
当初、プレウォールの標準仕様は、断熱材であるフェノールフォームの厚みが45㎜(柱角105㎜用)と66㎜(柱角120㎜用)がありました。2016年春、私たちはそこに、柱角105㎜の構造体に「より高断熱性能を実現するコストパフォーマンスのよいプレウォールをつくれないか」と、メーカーであるウッドリンク株式会社の開発担当者に打診。そこから弊社の技術スタッフとの共同開発がスタートしました。パネルの取付方法や金物の処理方法、配線スペースの確保など、施工現場に関わる諸課題を一つひとつクリアしながら試行錯誤を重ね、ついに2016年秋、弊社の新築現場で初めて採用(2017年春完成)されたのが、柱角105㎜に外側45㎜+内側20㎜のフェノールフォームをサンドイッチした新型のパネルになります。
<弊社との共同開発商品>
柱角120㎜に比べて壁厚が薄くなる柱角105㎜でも内側に20㎜のフェノールフォームを追加することで、120㎜角用の標準パネルに肉薄する断熱性能を実現したコストパフォーマンスの高い商品(弊社との共同開発)
これにより、これまで120㎜角の構造体でなければ実現できなかった66㎜相当の断熱レベルに肉薄するコストパフォーマンスの高いパネルを105㎜角の構造体で実現することが可能となったのです。「価格によりお客様の選択幅を広げ、コストパフォーマンスを維持しながらさらに性能の高い構造体を実現できるようにしたい」という私たちの強い思いがメーカー側との交渉を実現させました。ちなみに、この商品は現在、多くの住宅会社での採用が進んでいます。
これが元となり、その後、さらに高断熱性能を追求した柱角120㎜用の上位グレードとして外側66㎜+内側20㎜のオプションタイプが登場し、現在ウッドリンクではお客様のニーズとコストに合わせて4つのラインナップからパネルを選択できるようになっています。
<その後新たに投入されたオプション商品>
柱角120㎜用に内側20㎜の付加断熱を施したオプション商品
こうした建材メーカーとのタイアップが可能な背景には、設計に関する経験値と現場での高い施工実績に対する信頼があればこそ。
上越地域に見合った、より高品質で高耐久な家づくりを目指して、私たちの飽くなき探求・進化は続きます。
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「上刈の家」スタートミーティング
March 27, 2018
先日、糸魚川市内にて「上刈の家」のスタートミーティングが行われました。
スタートミーティング。それは、お施主様と私たちキノイエチームと施工パートナー企業の担当者が顔を合わせ、お施主様のご紹介、各工事担当者の自己紹介、家づくりのいきさつや住まいのコンセプトの他、施工概要や工事現場での注意事項などの共有などを行う、とても大切なミーティングです。
いつものことですが、開始前は集まった皆さんもどことなく緊張した面持ちで待機しているので、ちょっぴり顔が怖かったりします(笑)しかし、いざ自己紹介が始まると、皆さんとってもエンターテイナー。ユーモアセンスあふれる独特のトークに自然と場が笑顔に包まれます。毎回ながらそのギャップが新鮮です。また、長く弊社の仕事に携わってくださっているベテランの担当さん、職人さん同士の人間関係もできているので、そのキャッチボールも絶妙だったりします。
最後は、お施主様からもご挨拶をいただきます。家づくりの動機、家族に対する想い、理想とする暮らし、私たちに対する期待など、お施主様の口から発せられる一言一言に夢や愛が溢れていて、その場にいる私たちの胸を打ちます。家づくりの技術は年々進歩しても、最後は魂のこもった職人の手仕事が大きく影響します。だからこそ、工事担当者全員でお施主様の考えに直接触れることは、何物にも代えがたい重要な意味を持っていると私たちは考えます。
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第二のリビングとしての「土間」
March 25, 2018
昭和から平成へ。大家族から核家族へ。二間続きの和室で法事や親戚家族の集まりをするというシーンが減っていったように、日本人の暮らし、そして家の機能はパブリック重視からプライベート重視へと急激に変化を遂げました。
パブリックを重視した日本の家の象徴の一つに、土間玄関があります。履き物を脱がずに誰もが気軽に入れる場所、家というプライベートな空間の中にあるパブリックな場所、緩やかにソトとナカをつなぐ場所。作業場としての生活空間でもあり物々交換を伴う接客の場でもあった日本特有の交流スペース、昔の日本の家には土間のある暮らしが当たり前でした。
現代の家でつくられる玄関は、間取りの関係から最小限に省略されています。それでも、近隣の方の突然の訪問、夫婦のご両親やご親戚の訪問など、こと「中に上がってもらうまでもない」用事では、この狭く省略された空間でのコミュニケーションが重要になります。寒い日、暑い日は玄関ドアを開けっぱなしにすることもできません。閉めてホールに入ってもらうと今度はお互いの距離がやや近過ぎる・・・なんてことも。狭い密閉空間でのコミュニケーション、相手も気を使って、会話も手短になる・・・迎え入れたこちらもなんとなく「追い払った」ような罪悪感を感じてしまう・・・なんて経験をされた方も少なくないことでしょう。外来客と接触する重要な交差点の玄関。昔の人々の関係性に比べれば致し方ない面もありますが、プライベートの性格を強めた現代の家で、限りなく省略に次ぐ省略を重ねたことで、そのコミュニケーションのあり方までをも変貌させてしまったように思います。
そこで、キノイエでは、このスペースを現代の暮らしに生かす設計を大切にしています。
ポイントは、玄関を限りなく居室としてナカに取り込むこと。玄関土間をうまく活用した設計により、第二のリビングとして驚くほど活躍する空間に生まれ変わることができます。久しぶりに用事があって訪ねてくれた友人、届け物をしてくれた義理のご両親など・・・5分、10分で済む用事でもそのわずかな時間こそがとても大切なコミュニケーションの時間。リビングにつながる広い土間の椅子に腰を掛けてもらい、台所でお返しの品を用意しながら世間話に花を咲かせる・・・そんな緩やかなつながりこそが現代の私たちの暮らしには必要なのではないでしょうか。
もちろん、玄関を開けた来客の目にいきなり生活の場が飛び込んできたのでは、お客様も住まう人も落ち着けません。宅配便やセールスの訪問など、本当に玄関先で応対するだけで十分のケースもあります。そのあたりのこともふまえ、キノイエでは仕切り建具や視線の緩衝壁を設けるなど、空間を上手に仕切る工夫もなされています。必要に応じて、開けるときは開ける、閉めるときは閉める。このメリハリが現代の暮らしには必要です。
プランニングに必要なことは、家として必要な部屋数や畳数だけでは測れない、人と人との距離感や暮らし向きといった心理作用にも目を向けていくことにあります。かつての日本人の暮らしには、多くのヒントが詰まっています。
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3回の試験
March 22, 2018
先日の「西本町の家」にて実施しました「気密測定試験」ですが、全部で3回実施し、その平均を割り出して正式な実測値としているとお伝えしていましたが、せっかくなので、全ての実測データを包み隠さずお見せしたいと思います。証拠写真はこちら。
赤い囲み線で示してあるものが、測定した隙間総面積の数字です。3/18の見学会にご来場いただいたお客様の目の前で行った試験結果では、総相当隙間面積は αA = 37㎠ でした(C値=0.28㎠/㎡相当)。今回お見せするのは事前に行った3回の測定値。室内に大勢の人がいるかいないかの違い以外は、見学会の日と全く変わらない状態で測定しています。
1回目は、総相当隙間面積 αA = 38㎠
2回目は、αA = 28㎠。
数値がよくなりました。
3回目はさらにいい数字に。 αA = 22㎠
最終的には、この全3回の実測数値を平均化し、建物の総面積で割り返して「隙間相当面積(C値)」を算出します。ちょっと読みにくいですが、下の電卓写真の表示では、「0.21316・・・」という値、つまり、この住まいの正式なC値の実測数値は、小数点第2位以下を四捨五入し、0.2㎠/㎡という結果になりました。
1回目と2・3回目の測定結果に、少し差が出ていますが、ここまで隙間が小さくなると、わずかな圧力差で分母の数値が変わります。C値は0.5㎠/㎡を切ると、性能面では申し分のない効果を発揮しますので、全く心配はいりません。反対に、これだけ生の数値は変動しやすいものだからこそ、以前に一度測定した値だけを「自社の気密性能ですよ」とうたうことは弊社の中では御法度。全棟気密測定をしながら絶えず自社の施工方法をチェックしていくという姿勢が必要なのです。
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