「耐震等級」だけでは見えてこない真実
October 12, 2016
今年4月14日夜に発生した熊本地震から間もなく丸半年が過ぎようとしています。震度7の揺れが連続した熊本地震で多数の住宅が倒壊したことは、皆さんの記憶に新しいところです。あらためて、住宅の耐震性能の重要性についてユーザーの関心が高まっており、住宅購入を検討する際、住宅の「耐震等級」を気にされる方が増えてきているのも事実です。しかし、本当に地震に強い家を考えるなら、その基準だけで判断するのはちょっと早計です。
本日のブログでは、この「耐震等級」だけでは見えてこない重要な要素について、なるべくわかりやすく解説してみたいと思います。
その前に、まずは住宅の地震に対する強さの基準である「耐震等級」について、ここであらためて整理してみましょう。
「耐震等級」は、平成12年に制定された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で、建築主・購入者が、建物の耐震性の目安にするためのものとして定められました。
「等級 1」が、建築基準法で求めている耐震性と同等の強度。
「等級 2」が、建築基準法で求めている耐震性の1.25倍の強度。
「等級 3」が、建築基準法で求めている耐震性の1.5倍の強度。
「建築基準法で求めている耐震性」とは、「数百年に一度発生する地震(東京では震度7程度)の地震力に対して倒壊、崩壊せず、数十年に一度発生する地震(東京では震度6程度)の地震力に対して損傷しない程度。」とされています。 当然、耐震等級が高ければ高いほど、震度6を超える地震に対して倒壊もしくは損傷のリスクが軽減されます。
ところが、今回、連続して余震の発生した熊本地震では、多くの家屋が2回目以降の大きな揺れ、もしくは複数回に渡る連続した余震によって倒壊、損壊しました。今年4月14日夜、熊本県益城町で震度7の揺れを観測した地震で避難した人たちが自宅に戻った後、2日後の16日に発生したマグニチュード7.3の大地震で自宅が倒壊し、死亡するというニュースをご存知の方も多いと思います。
<熊本地震発生直後からの地震回数(震度1以上)>
2016年4月14日(木)~29日(金)午前10時までの熊本県熊本地方、阿蘇地方、大分県西部、中部の震度1以上の地震回数(日本気象協会データより)
実は、建物の強度を定めたこの建築基準法は、2回の大地震を想定しておらず、連続した地震によって耐震補強のための筋交いが外れたり、その固定部分が壊れたりして耐震補強の役目を果たさなくなる等の理由により、構造性能が低下すると言われています。
つまり、連続地震の発生に耐えられる家を考えるのであれば、「耐震等級」だけでは片手落ちになるということです。ちなみに、気象庁は昨日(11日)、熊本地震の地震回数(震度1以上)を精査した結果、10月10日現在で2137回としていた回数が、約2倍の4081回だったと発表しました。これだけの回数の揺れに対して、住宅の耐震性能を一時的な強度の目安である「耐震等級」だけで判断するというのは、とても危険なことであるということがお分かりいただけると思います。
そこで、家づくりで考えなければいけないことは、「連続した地震に耐えうる丈夫でしなやかな構造体」を選択するということです。
キノイエでは、その一つの答えとして、本震だけでなく、繰り返す余震にも備えるため、「真壁構造」を用いた「プレウォール工法」という工法を採用しています。「真壁構造」とは、地震の揺れが構造体に伝わる際、柱と柱の間にある壁が突っ張ってしっかりと耐える構造になっています。これに対し、柱に壁材をくぎで打ち付けるだけの「大壁構造」は、大きな揺れに対して打ち付けたくぎと共に壁材が外れることにより、それ以降の地震に対しては、ねじれを支えることができない状態になります。
プレウォールパネル
<柱と構造壁を上から見た比較>
イラストのように、柱と柱の間にある構造壁が外れにくい「真壁構造」は、「大壁構造」に比べ柔軟性があり、繰り返しの揺れにも強いので、余震があっても安心な構造になっているのです。
ここに、プレウォールパネルを採用した住宅の三次元実大振動実験を行った際の映像があります。少し広告っぽい印象が強いかもしれませんが、とてもわかりやすい映像ですので、参考になると思います。(メーカー提供映像)
さて、昨日のブログでもお知らせいたしましたが、10月29日(土)・30日(日)の2日間、「窓・構造・断熱パネル・換気の一流専門メーカー担当者が直接教える! 高性能エコハウスのしくみ大公開」と題した、ちょっとした勉強会を開催します。今回ご紹介した「プレウォール工法」のパネルを製造しているウッドリンク株式会社の担当者より直接説明をいただける機会を設けてありますので、この機会にぜひキノイエ上越モデルハウス「塩屋新田の家」に足を運んでみてください。
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高性能エコハウスを建てよう
October 11, 2016
イベント告知ページ、新着情報ページでもお知らせいたしましたが、10月29日(土)・30日(日)の2日間、少し趣向を変えたイベントを開催いたします。
題して、「窓・構造・断熱パネル・換気の一流専門メーカー担当者が直接教える! 高性能エコハウスのしくみ大公開」。
結露せず、足元まで暖かく、年間冷暖房光熱費が極力かからない、高性能なエコハウスに住みたい・・・これは、誰もが願うことです。しかし、巷にはたくさんの情報が溢れており、本当に高性能なエコハウスをどうやって選べばいいのか迷われている方は非常に多いのではないでしょうか?
そこで、住まいの高性能化に欠かせない窓・構造材・断熱パネル・換気システムに関して、実際に多くのハウスメーカーや工務店の住宅づくりに関わってきた専門メーカーのスペシャリストたちを招いて、高性能エコハウスの仕組みや性能の違い、会社選びのヒントを直接聞くことができる企画をご用意しました。「住宅づくりの真実を専門メーカーの立場から話していただきたい」という私たちの企画主旨に、今回3社の一流専門メーカーの皆様が応えてくれました。
住宅のつくり手からはどうしても一方的に「自社のつくる住まいが一番!」と自画自賛気味になってしまいがち(笑)ですが、彼らは違います。数多くの住宅会社の住宅新築に関わり、そこで実績を認められ、支持されてきた商品があります。そこには、性能を担保するために絶対に譲れない、その分野に関する家づくりの不文律を持っています。住宅の性能に直接影響する部分を担う専門メーカーだけが語れる、家づくりの真実をぜひ皆様にも聞いていただきたいと思います。
YKK AP株式会社様は、皆様もよくご存じの日本を代表する高性能窓メーカー。元々はアルミサッシで成長したサッシメーカーでしたが、近年、日本の住宅の断熱気密性能のレベルアップのために、相次いで高性能な樹脂窓を開発し、世に送り出しています。
ウッドリンク株式会社様は、お隣富山県の会社。社名にもあるように長年「木」を専門に扱ってきた会社だけに、精度の高いプレカット構造材の生産はもとより、独自の研究施設を持ち、住宅の高気密高断熱化に貢献すべく高耐久で結露フリーの構造・断熱パネルを開発し、成長しているメーカーです。
株式会社マーベックス様は、換気システムの専門メーカー。社名の由来には、“エコロジカルなシステムによってより快適で健康な建物を作る” という意味が込められています。メーカー側の論理ではなく、お施主様側の論理からオリジナルの商品開発を行い続けている優れた会社です。
様々な住宅会社を見てきた彼らが感じている家づくりの現場の今と、本当に失敗しない住宅会社選びのためには、どのような点に注意すればよいのか?など、ここでしか聞けない価値のある情報がたくさん詰まったイベントになると思います。
住まいの性能は大工の腕だけで決まるものではありません。木造の心臓部となる大工技術はもちろん重要ですが、住宅の断熱・気密・換気など、居住環境とエネルギー消費量に直接影響を与える基本的な性能は、あらゆる産業の技術によって支えられており、家づくりにおいては木造技術同等、あるいはそれ以上に重要なファクターです。今回のような、窓・構造材・断熱材・換気システムの専門メーカーが一堂に会する機会はめったにありません。ぜひ、この機会に上越モデルハウス「塩屋新田の家」に足をお運びください。
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10月10日の地鎮祭は
October 10, 2016
本日は、糸魚川市内にて地鎮祭が執り行われました。
連日の雨で当日の天候が心配されましたが無事にもちました。
「今日はお天気に味方していただきましたね。」
ふと、そんな会話をしていると、お施主様のお父様から、
「大丈夫。今日は、東京オリンピックの開幕日だから絶対に降らないよ。」
という言葉が。
そうなんです。本日10月10日は「東京オリンピック」の開会式が行われた日(昭和39(1964)年)。それを記念しての体育の日。調べてみると、こんな記述がありました。
‟夏季オリンピックとしては大変遅い開幕でしたが、東京の夏は気温と湿度が高く、10月上旬までは秋雨前線が停滞することなどを考慮して日程が決められました。東京オリンピック開会式を記念して、昭和41年(1966年)に10月10日が「体育の日」として祝日になりました。(平成12年(2000年)にハッピーマンデー制度が導入されたため、「体育の日」は現在では10月第2月曜日となっています。)
10月10日は過去の統計から晴れが多い日として知られており、オリンピック開会式当日も前日の雨模様の天気が一転して朝から絶好の天気に恵まれました。気象庁の発表によれば、東京で「体育の日」に1mm以上の雨が降った回数は、昭和41年(1966年)から平成11年(1999年)までの34年間でわずか5回です。
なお、6月28日には雨が降りやすく、11月3日は晴れの日が多いなど、ある気象状態(晴れ、雨など)がその前後の日に比べて高い確率で現れる日を「特異日」と言いますが、その原因はよくわかっていません。”
本日もまさに52年前の東京オリンピック開幕の日と全く同じ状況。不思議ですが、こういう特異日に地鎮祭が執り行われたこと、お施主様のお父様は初めからご存じだったのでしょう。
とても記憶に残る地鎮祭となりました。
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暮らしの勉強会
October 9, 2016
キノイエでは、定期的に「暮らしの勉強会」を開催しています。
毎月1~2回程度開催し、「得する住宅ローンの選び方」、「エコで健康な家づくり」、「木の家づくりコンセプト」、「暮らし方から考える土地相談会」という4つのテーマの中からお客様の知りたいテーマ選んでご予約いただくというスタイルをとっています。
今月はこの土日2日間に渡り開催。おかげさまで今回も各テーマに様々なお客様からご予約いただきました。中には、「全ての勉強会に参加したい」ということで、2日間に渡って会場に足を運んでいただいたお客様もいらっしゃいました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。
各勉強会のテーマは、スタッフがこれまでの経験と最新の住宅事情を元に作成されたプレゼンテーションを中心に、家づくりの前にお客様に本当に知っておいていただきたい重要なポイントをわかりやすく解説します。参加いただいたお客様はこまめにメモをとったり、気になる部分について質問されたりと、皆さんとても真剣。普通の完成見学会や展示場では聴けなかった話がどんどん飛び交います。家づくりで最も大切なことは、作り手とこうした真剣なキャッチボールを何度も繰り返すことで、お客様自身が自分たちが建てようとする家の全てに確信をもつことではないかと思います。
ちなみに、各勉強会のポイントについてほんの少しだけご紹介すると、こんな感じです。
「得する住宅ローンの選び方」
✓元銀行マンが行員時代にはお伝えできなかったことを家づくりを応援する立場からホンネで解説
✓住宅ローンの選び方で、一生涯に支払う金額が数百万円も変わる!?
✓金利の種類は大きく分けて3種類、その長所短所をよく理解して金利を選ぶことがとても重要
✓住宅ローンは借りた後のことも考えて選ぶことが大事。借りた後のポイントについても丁寧に解説します
✓e.t.c.
「エコで健康な家づくり」
✓日本の住宅は環境先進国に比べて何十年も遅れていることをご存知でしたか?
✓どこの住宅会社も唱えている「高気密高断熱」には、考え方やレベルに大きな差
✓快適で省エネな家は注文しても簡単には手に入らない
✓健康を害する家、健康を維持できる家、その違い
✓「見えないコスト」を知る 建てる家の生涯価格を知る
✓e.t.c.
「木の家づくりコンセプト」
✓なぜ自然素材はいいの?
✓日本人の暮らし方と住まいが果たしてきた役割 そしてこれからの家
✓木の家の本当の価値
✓本物を知ると、家づくりが変わる
✓小さくつくって大きく暮らす「引き算」の設計
✓e.t.c.
「暮らし方から考える土地相談会」
✓家づくりを本業とする会社だからこそ話せる土地選びの真実。
✓分譲地の中にある4種類の土地、あなたはどこを選びますか?
✓土地は平面だけではなく立体で考える。土地選びに必要な「目」を養いましょう。
✓スーパーで牛乳を買う/不動産屋さんを通じて土地を買う・・・2つの話から学ぶべきこと。
✓e.t.c.
スタッフも常に勉強。そして勉強会を重ねていく中で、お客様からいただいたご意見やご質問を元に、その都度、勉強会の中身をより聴きやすくわかりやすいものへと進化させていきます。家づくりをお考えの皆様に、「参加しておいて本当によかった!」と思っていただけるような、価値のあるユーザーメリットをご提供できる、オンリーワンの勉強会をお届けしていきたいと思います。
暮らしの勉強会について、ご興味のある方はぜひ私たちまでお声がけください。
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技術で「閉じる」、デザインで「開く」
October 8, 2016
住まいを高気密・高断熱化することで得られるメリットが、単に「冬暖かく」「夏涼しい」ということだけでは、建築屋としてはとても中身の薄い話です。大切なのは、「暮らし方」に与える変化とメリットでしょう。
例えば、以前のブログ記事「玄関ホールを使い倒す」。この記事では、玄関ホールをリビングの空間として取り込み、小さくつくって大きく暮らす一つの工夫としてご紹介させていただきましたが、それを実現しているのは、高い断熱気密性能、つまり、きちんと「閉じる」技術が確立されているからです。
ところが、一方で、高性能な断熱材の吟味に力を入れながらも、内部に寒さを残すような設計を当たり前に行っている家づくりもまだまだ多く存在します。その典型が玄関。玄関が冷える設計のままだと、ホールと廊下も寒くなり、何重ものドアで仕切りをし、風除室まで設けて寒さに備えるような設計になっている住宅をよく見かけます。中途半端な断熱材知識のまま設計を行うと、必然的に、玄関ホールは寒い場所だと常識的に考えて、家の中にあってもさらに閉じてしまう場所が生まれてしまうのです。
これがもし、明確な根拠をもって家のナカとソトをしっかりと断熱できれば、内部は徹底して開放的な空間にデザインすることが可能となり、暮らし方にも様々な可能性が生まれてきます。玄関やホールが居間の一部になるだけでなく、床下や屋根裏も変化に富んだ内部空間になります。
正しい技術で「閉じ」、デザインで「開く」という設計思想をもつことで、住まいはよりコンパクトでも広々と暮らせる高性能なものへと進化させることが可能です。「小さくつくって大きく暮らす」をロジカルに実現する。これが「小さな邸宅~キノイエ」のポリシーです。
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世界一「燃費の悪い住宅」
October 7, 2016
日本の住宅は世界一「燃費の悪い住宅」であるという話を聞いたことがあるでしょうか。
その前に、日本という国自体、住宅を建てる上では、世界の主要都市の中でも厳しい気候環境の下にいるという事実を知っておく必要があります。下の表をご覧ください。
1971年から2000年までの気温(月別平均値)と降水量(月別平均値)
※参考資料:国立天文台編『理科年表』2011年版
日本の夏は熱帯地域並みに耐え切れないほど蒸し暑く、冬は寒冷地の北ヨーロッパの寒さに匹敵する地域を多く数えます。夏の大阪はタイのバンコクに匹敵し、冬の東京は、酷寒のパリより少し暖かいだけです。一番南端の鹿児島にも雪が降ります。
冬の北ヨーロッパは都市暖房が標準ですが、日本は各世帯がそれぞれ「間欠暖房(点けたり消したりする暖房方法)」に依存しています。つまり、快適さの質がまったく違っているのです。加えて、日本の住宅は、環境先進国であるドイツやフランス、そしてイギリス等と比較して、住宅の断熱気密性能が平均的にレベルが低く、かなり遅れを取っているのが現状です。
<世界の樹脂窓普及率>
出典:樹脂サッシ工業会/日本:2010-2011、アメリカ:2010-2011、ドイツ:2005、樹脂サッシ普及促進委員会/中国:2000
先ほどもご紹介したように、その過酷な気候条件下から、日本の家は、冷暖房がほぼ一年中活躍しています。にもかかわらず、住宅の断熱気密レベルが世界標準から遅れを取っているために、せっかく暖めた冬の室内の熱は、すぐに外に漏れていき、せっかく冷やした夏の室内には、外の熱気が攻めてくるという構造になっています。要するに、世界一「燃費の悪い住宅」を量産している国といえます。
その最大の違いは国策。国が義務とする住宅の省エネ基準レベルの違いが大きいと言われています。原因は、エネルギー依存に対する危機意識と国レベルでの対応の遅れ。今や日本の全エネルギー消費量の約14%が家庭用。石油ショック前の1973年から20011年までの間に、2倍以上に増加しています。このまま家庭でのエアコン使用が抑制されずに電気消費量の拡大が続けば、化石燃料のほとんどを輸入に頼る日本国内のエネルギー事情に深刻な影響を与えることになります。近年、ようやく国もその現状に危機感を持ち始めたところです。
今まさに、日本の住宅政策は転換点に立っている状況だといえるでしょう。転換点ということは、つまり、現在は様々な意識レベルの住宅会社が混在している状況だということです。2020年に義務化が予定されている「次世代省エネ基準」は最低の基準を定めているだけで、極めてゆるい基準。本当の快適さや省エネ性能を約束するものでは到底ありません。
「燃費のいい」住まいと「燃費の悪い」住まい、あなたならどちらを選びますか?自動車に例えていうなら、本体価格だけをみて選ぶ人がいないのと同じように、住宅にも本体価格だけでは見えてこない「燃費」に関するしっかりとした根拠を見分ける必要があるのです。
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キノイエ タイムス vol.2
October 6, 2016
キノイエの暮らし方を広く知っていただくための情報紙「kinoie times(キノイエ タイムス)」第2号の打ち合わせを現在行っています。
今回のテーマは、「エコで健康な木の住まい」の魅力にフォーカスして、家づくりをお考えの皆様によりわかりやすく、一つでも有用な情報を持ち帰っていただけるような見学会や勉強会の企画を準備したいと、担当者の間では盛り上がっています。
ちなみに、現在表紙のデザインを検討中ですが、今のところの案はこんな感じ。このブログをご覧になった方にはちょっとフライングしてお見せしちゃいます(笑)今回の表紙は、先月行われた秋の暮らし方見学会「おうちキャンプ」の1ショット。ソトとナカをつないで暮らしを楽しむ家の魅力を少しでも感じていただければ幸いです。ただし、最終版の表紙デザインは変更になる場合がありますので、あしからず。発刊は今月中旬を予定しています。
また、前回好評だった「木の家マルシェ」の第2弾も計画も進行中です。街なかにたった一日だけオープンする小さな暮らしの市場、参加店舗の皆様と仲良くわいわいアイディアを出し合いながら、第2弾も皆様に楽しんでいただけるような催しにしたいと考えています。今回はどんなマルシェになるのか乞うご期待。
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まちの中にある寮
October 5, 2016
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本物のゼロ・エネルギー住宅はどれ?
October 4, 2016
最近、住宅業界で盛んに飛び交っているキーワードに「ゼロ・エネルギー住宅」(通称:ZEH:ゼッチ)という言葉があります。みなさんも既によく耳にしているのではないかと思います。
簡単に解説しますと、ゼロ・エネルギー住宅(ZEH)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅を指しており、経済産業省がその基準を定めています。これに基づき、住宅会社各社は、盛んにこのZEH対応を消費者の皆様にアピールしています。
まず、ZEHの基本的な構成要素を知っておきましょう。ZEHの基準を構成する要素を非常に単純化したものが下のイラストです。
<ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)を構成する要素>
ZEHの基準は大きく3つ。(1)エネルギーを極力消費しない住宅性能を持つこと(2)エネルギー消費をこれまでよりも削減できる省エネ設備を搭載していること(3)太陽光発電など、創エネ設備を搭載していること となっています。それぞれの項目に対して一定の基準を満たしたもの、あるいは、総合的な数値で、エネルギー収支が“0”と判定された住宅をZEHとして認定しています。
ところで、ZEHという言葉のイメージも影響してか、「ZEH=高性能で快適な省エネ住宅」というイメージを持つ方が多いと思います。たしかに、これまでの住宅よりはある程度性能面で優れた住宅であることは間違いありません。しかし、経産省が認めるZEHの基準は、実はかなりゆるい基準となっており、幅広い解釈で適合させることが可能なのです。
つまり、先ほどの3つの基準は、どこを大きくするかで調整が可能です。例えば、多少断熱性能が悪くても一定容量の太陽光発電パネルやコージェネを採用すると容易に基準をクリアしてしまうということです。これにより、家電メーカー系あるいは家電メーカーとタッグを組むハウスメーカーなどは、この仕様を標準として消費者に推奨してくる傾向にあります。少々乱暴ですが、イメージとしては下のような感じです。
<機械設備に頼ったZEH>
機械設備の性能数値が高いことは悪いことではありません。しかし、その背後に隠れて、住宅そのものの断熱性能がおろそかにされているケースがあります。そこに大きな問題があります。住まいの温かさ・涼しさの快適さは機械設備の性能以上に、住宅の高度な断熱化と気密化がカギを握っています。この断熱気密の仕様が中途半端になっていると、せっかくの機械設備の空調性能が100%発揮されず、無駄な電力で部屋を過剰に温め(冷やし)ながら、高額な初期投資をした大型の太陽光パネルの発電に頼らなければならない状況が生まれます。ゼロ・エネルギー住宅なのに・・・です。
しかも、機械設備はやがて寿命を迎えます。その時の買い替えコストも考えておく必要があります。さらに、世界のエネルギー事情を考えた場合、電気代がこのままの値段で推移することになるのか大きな疑問符が付けられています。太陽光発電の買取料金も電力会社でいつまで保証されるかが焦点になってきます。
<電気料金の推移>
引用元:資源エネルギー庁
<発電買取価格の推移と予測>
引用元:資源エネルギー庁
実は、いちばん裏切らないのは、まるで厚手のコートを羽織るように、家の断熱性能を高めて、エネルギーのロスを極力防ぐことです。漏れるエネルギーを極力抑え、冬は自然の太陽熱を住まいの中に取り入れるパッシブデザインの家にすることで、機械設備の容量も小さくすることができ、初期投資金額を下げることができます。
<外皮性能を上げ家自体を高性能化>
そして、電力事情の変化にも最も影響を受けにくく、住まいとしての資産価値も高いままで維持することができます。
本物のゼロ・エネルギー住宅を選ぶなら、まずは住宅の基本的な断熱気密性能を極力上げることを第一に、機械設備は極力最小限となるような導入を心掛け、将来の買い替えコストやエネルギーコストの変動リスクに備えましょう。
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最高の地魚ライフ
October 3, 2016
たまには、食の話題も投稿したいと思います(笑)
でも、テーマはあくまで「最高の地元ライフ」。上越地域の地元の魅力に関する話題をお話ししたいと思います。写真は、弊社で設計事務所さんを通じてお仕事のご相談もいただいている地元のお寿司屋さんのネタ。白身を中心に、全て地物のネタでそろえたおまかせにぎりです。
みなさん、どこまでネタの名前が分かりますか?
正解はこちら。左から、めくら穴子、活タコ、甘えび、バイ貝、真ダイ、コチ、マツガレ(マツガレイ)、ツヅラメ、キジハタ、サバ です。ちなみに、「めくら穴子」はウナギ目のホラアナゴの俗称。地元の居酒屋でよく塩焼きで登場します。食べた人にしか語れない独特の食感と風味は、特に日本酒好きの方にファンが多いですが、そのにぎりとなればさらに格別です。生命力がとても強い種なので、滋養強壮の元としても珍重されています。淡泊な味わいの「マツガレ」は一般的には「マトウダイ」と呼ばれる魚で、通年水揚げされ、刺身はもちろん、煮付や揚げ物にしても美味しい地元の定番です。「ツヅラメ」は正式には「キツネメバル」、「タヌキメバル」と呼ばれることが多い魚。後述する「セイカイ」よりはやや大味ですが、歯ごたえのある食感が特徴の魚です。
西の魚と東の魚が行き交う上越地域の日本海沿岸。地形的な特徴で、沿岸部がすぐに水深100mを超える深海になっていることから、様々な魚種が生息しやすい環境になっている上、漁師にとっても好都合な環境になっているのです。本当に海の幸が豊富で、季節によっても旬の味覚が大きく変わります。少し前であれば夏の代表的な魚である「タチウオ」が。そして、この後は冬の代表的な味覚である「アンコウ」が登場。「東のアンコウ、西のフグ」と云われるほど、全国的にもメジャーな存在です。そして、そのアンコウの次にやって来るのは、地域を代表する魚「セイカイ」。例年2月~5月にかけて水揚げされる、地元ではとてもメジャーな魚です。また、この他にもベニズワイガニやホタルイカ、メギスなど、誇れる地域の魚がたくさんあります。
これだけ豊富な種類の地魚が味わえる地域に暮らしていること自体、本当に幸せなことだと実感します。その昔、子供たちはおつかいで、近所の魚屋へ行き、丸一匹の姿でたくさんの種類が並んだ中から選び、その場で板前さんに捌いてもらい、家族の人数分を新聞紙にくるんで持ち帰るというのが日常の風景でした。どこにでもある家族の風景、現代は少しずつ変化していますが、地元での最良の暮らし方を大切に考え、家族とつながる、ソト(自然)とつながる、地域とつながる住まいづくりを提供し続けていきたいと思います。
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