キノイエの設計では住宅をベース(主屋)とゲヤ(下屋)に分けて考えます。6m×6mの最小限の箱に食堂や居間、寝室など暮らしの基本空間を配置し、下屋には水回りや土間、軒下空間など暮らしのサポート空間が配置されています。
その住宅が建つ環境に応じてその都度設計します。
南と東は住宅が、北と西には交通量の多い道に囲まれた住宅地の中で、土地を読み・活かし生み出しました。
家の顔である玄関回りや正面には糸魚川産の杉材を使い柔らかさと温かみを持たせました。
vol.12
春日野の家
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[上越市春日野地内]
春日野の家は、敷地面積53.60坪、延床面積:26.04坪というコンパクトな土地に建つ小さなkinoieです。
空間を広く見せる為に視線が抜けるようにし、扉や壁で部屋を仕切らず天井の高低差で空間を仕切る。仕切りのない空間は途切れることなく続き、コンパクトで無駄のない家になります。
家族で過ごす居間も、一人で集中したい仕事場も、みんなが自然と集まるフリースペースもゆるくつながり居心地がいい。
ソトにひらき暮らしを豊かにするまちなかに建つキノイエができました。
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土地を読み家(敷地・土地)を活かす
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視線の抜け、陰影、小さな家の工夫
玄関から一歩足を踏み入れると広々とした土間空間、その視線の先にはコーナー窓と大開口が。陰影を作ることで生まれる広がりと、仕切り壁は造らず天井の表しでそれぞれの空間を柔らく仕切っています。
小さくコンパクトに作ろうとすると余分なものは省かれて大事な物だけが残ります。
コンパクトなつくりにもかかわらず狭さを感じさせないのは、視線の抜けと壁をなくすことで得られる解放感の効果によるものです。
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暮らしの場を分ける
ベースの一階には居間や台所や食堂などを置き、ゲヤにはベースのサポート空間として洗面室や水回りスペースを配置しました。
ベースの二階には寝室と子供部屋、家族構成の変化にも対応できるフリースペースが。
家族で過ごす一階部分とは吹き抜けを介して繋がりながらも個の時間も大切にするプライベート空間が出来ました。 -
木の家で暮らすという事
家は自然体で力まずに生活できる場であってほしい。
子供の成長を見守りながら、経年優化を楽しみ、心も身体も健康でいられる家。
私たちはこれからも地元の素材にこだわり地材地建の家づくりをしていきます。
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建設地:新潟県上越市春日野地内
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敷地面積 53.60坪
延床面積 26.04坪
カーポート面積 8.66坪
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断熱性能レベル「HEAT20」G1
Ua値 0.43W/㎡K
BELS★★★★★(最高等級)取得
断熱等性能等級 6
C値 0.2㎠/㎡
第一種換気(全熱交換型)
長期優良住宅認定
耐震等級 2
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